本記事は、野呂エイシロウ氏の著書『副業は、自己PRがすべて。――「稼ぐ人」が実践する成功戦略』(プレジデント社)の中から一部を抜粋・編集しています。

談笑,会話,トーク,ビジネス
(画像=imtmphoto/stock.adobe.com)

「会話が楽しい人」はビジネスでも最強だ!

仕事において「会話していて楽しい」だけの人は、正直あまり戦力になりません。

それよりも、「真面目で仕事が正確」「処理速度がとにかく速い」「深い考察力と幅広い知識を持っている」など、より実務的な能力のほうが仕事の遂行には重要です。

でも、それだけだと物足りません。あくまで自己完結した能力に過ぎず、他人との関係性を高めたり、周囲のモチベーションをも引き出したりするようなスキルではないからです。

仕事はひとりでは完結できない以上、「実務能力」+「コミュニケーション能力」が合わさることが大切です。例えば、あなたに深い知識があっても、それを相手に届ける能力がなければなにも伝わらないし、いくら仕事ができても「話しているとうんざりする」ようでは誰も一緒に仕事をしたいと思ってくれません。

僕は、あまたあるコミュニケーションスキルのなかでも、実務能力に「会話の楽しさ」が加わることが最強だと思っています。

あなたが「楽しい会話ができる人」だと、打ち合わせではどんどん会話が弾んで雰囲気が和み、みんなが能力を発揮しやすい環境を生み出します。

また、商談や提案では、お互いの理解も深まり、あなたの印象がよくなるので意見やアイデアも前向きに聞いてもらうことができるでしょう。

あなたを「好き」になってくれるので、あれこれ面会の口実を考えなくても顧客は気軽に会ってくれますし、価格交渉などのナイーブなことも「全然いいよ、はっきりいってもらって」「つまりこういうこと?」と相手が理解しようと努めてくれます。

さらに、リスキーな意見をいっても怒られなくなります。言葉にすると簡単に見えますが、「怒らせない」ってすごいスキルです。後ろ盾のない個人事業主にとって、最強の防具だと思うのです。

「会話の楽しさ」は相手の好意に直結するため、コミュニケーション全般を下支えしてくれる魅力的なスキルとなります。ただし、それだけだと薄っぺらいので、確かな実務能力の信頼がともなうことで真価を発揮します。

自分の声を聞く「レコーディング研究」

自分の声をしっかりと聞いたことはありますか?

動画に自分の声が入っているだけでも、聞き慣れないので気持ち悪くて嫌だという人がほとんどではないでしょうか。

そこで、営業や打ち合わせでの会話を録音し、自分の会話をしっかりと分析する「レコーディング研究」で、その気持ち悪さと向き合って乗り越えましょう。

実際に、僕も自分のプレゼンを録音して、何度も聞き直しました。相手に正当な理由もなく「録音しています」と伝えると、話しにくくなったり、居心地の悪さを感じさせてしまったりするのですが、いまはオンライン会議などの機会も増えましたので、録音も容易になりました。

会話を聞き直してみると、改善点がたくさん見つかります。まず、よくわかるのは「相手の反応」です。自分の発言に対し、相手が肯定的か否定的かは空気感ではっきりわかります。それをキャッチできていないというより、キャッチしようともしていなかった自分に気がつきます。

そのほか、

  • 相手の発言の意図やニュアンスを、きちんと理解できていない
  • 質問の内容に十分に答えられていない
  • 会話量のバランスが悪く、自分ばかり話している
  • 相手の会話をさえぎったり被せたりしてしまっている
  • 相槌あいづちの入れ方がおかしい
  • 滑舌かつぜつが悪い、声が小さい、早口になっている、トーンに抑揚がない
  • 「えー」「つまり」「その」「ちょっと」が多く、理解を妨げている

このような問題点がたくさん見つかるはずです。

そのポイントに気づくたび、自分が少しイタい人のようで恥ずかしくなるのですが、痛みが激しいからこそ全力で直したくなるので、かなり改善できます。

この「レコーディング研究」は、コミュニケーションの改善だけでなく、「緊張しなくなる」という効果も期待できます。自分の話し方に聞き慣れますし、問題点は潰してきたという自信が安心感になるのです。

大人数のいる大会議室でのプレゼン、地位の高い相手との会話など、より緊張しやすい場面があれば、それもレコーディング研究でどういった変化を起こしやすいか分析することで、あらゆるシチュエーションに対応できるようになっていきます。

緊張というのは伝播します。あなたが緊張すると、そこにいる相手も緊張してしまい、空気が凍りつくのです。でも、あなたがどんな場面でもリラックスして話せるようであれば、その場の雰囲気を和らげることに一役買えます。

ハードな局面でも緊張せず話すことができれば、周囲の人たちは「あの人はすごいな」と感心し、会話力だけで評価を得ることも期待できるでしょう。

ぜひ、みなさんも「レコーディング研究」を実践してみてください。

副業は、自己PRがすべて。――「稼ぐ人」が実践する成功戦略
野呂エイシロウ
1967年、愛知県に生まれる。愛知工業大学在籍中に、学生起業家として活躍後、雑誌編集者に。
『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』で放送作家としての活動を開始し、『ザ! 鉄腕! DASH!!』『特命リサーチ200X』『奇跡体験! アンビリバボー』『ズームイン!!SUPER』といった数々の人気番組を手掛ける。
30歳のとき、大手広告代理店に誘われたのがきっかけで戦略的PRコンサルタントヘ転身。TV番組をヒットさせるノウハウを企業PRに生かすなど独自の手腕を発揮。
これまでに、大手広告代理店をはじめ、150社以上と契約。自動車会社、家電メーカー、飲食チェーン店、飲料メーカー、学習塾、金融など、分野は多岐にわたる。
著書に、『考えなくてもうまくいく人の習慣』(ワニブックス)、『入社1年目から差がついていた! 行動が早い人の仕事と生活の習慣』(すばる舎)、『「話のおもしろい人」の法則』『心をつかむ話し方 無敵の法則』『先延ばしと挫折をなくす計画術 無敵の法則』(すべてアスコム)、『プレスリリースはラブレター テレビを完全攻略する戦略的PR術』(万来舎)などがある。

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