本記事は、野呂エイシロウ氏の著書『副業は、自己PRがすべて。――「稼ぐ人」が実践する成功戦略』(プレジデント社)の中から一部を抜粋・編集しています。

プロフィール
(画像=yumeyume/stock.adobe.com)

「信頼される人」のプロフィールの書き方

会社の仕事で、はじめて会うクライアント企業の担当者を紹介されたとき、まずどんな会話をしますか?

相手の会社を褒めますか? さっそくビジネスの話に入るでしょうか?

おそらくそうではないでしょう。まず、自己紹介をするのがマナーであるはずです。自分がどういう人間かを簡単に伝えたうえで、相手に対する関心を示し話を弾ませていくのだと思います。

WEBを活用した副業を考えた場合、ブログなどは一方向からの自己紹介になるので、双方向のコミュニケーションは難しいかもしれません。しかし、自己紹介が大切である点はリアルの会話と変わりません。あなたのブログをはじめて見に来た人に、まず、自分がどういう人間であるかをプロフィールできちんと伝えましょう。

プロフィールを軽視し、しっかりと情報提供ができていないと、いくら記事にこだわっても信頼を得られません。

ですから、まずは次の4点を踏まえて、誠実な自己紹介をしましょう。

1. リアルでおかしいことはプロフィールにも書かない

いくら信頼感が大切といっても、いきなり「わたしは東大法学部を卒業後……」と学歴自慢からはじまる自己紹介には、リアルでもちょっと違和感を覚えるはずです。リアルの自己紹介でおかしいことは、ブログなどのプロフィールでもおかしいのです。

また、はじめてあなたのブログを見る人は、あなたの印象やイメージはまっさらな状態です。よって、「どうも! ○○というあだ名で呼んでください!」なんて「気さくなおもしろキャラ」をPRされると、子どもならともかく大人は唐突過ぎて引いてしまいます。「学生か? 大丈夫か?」と不信を抱き、記事を読む前に去ってしまうかもしれません。

フラットな印象を与えたいのであれば、もう少しあなたが「気さくなおもしろキャラ」として認知され、マネタイズできるようになってからで十分だと思います。ある程度売れて実績さえあれば、あなたのキャラがどうであれ実際に世間に評価されているのですから、はじめて見る人も認めてくれます。

ですが、現時点では実績がないのですから、最初に読まれるプロフィールは誠実にしておくことがベターです。そうしてプロフィールで信頼感を担保したうえで、記事でキャラクターを発揮してください。

2. 氏名を掲載し、肩書きで専門分野を明確に

プロフィールでは、まず氏名を載せ、肩書きで自分が「なにものなのか」を明示することが大切です。それが読者にとって違和感がなく、理解しやすい自己紹介であるからです。

名前については、本名を名乗ることがもっとも相手に信頼感を与えます。作家やアーティストなどエンターテインメント系の仕事ならともかく、堅実なビジネスであればなおさら不用意にハンドルネームやニックネームを名乗ると、本当に実在する人間なのか怪しくなります。

肩書きは、「超初心者向けエクセル講師」「現役イタリア料理店シェフ」「ベテランのアパレル販売員」など、シンプルにわかりやすい肩書きがいいでしょう。

そのうえで、肩書きの信頼性を担保するために、関連する資格や経歴などを記載します。

3. 経歴は噓なく、得意なことは大袈裟に

経歴は、あなたが肩書きに掲げた専門分野の信頼性を高めるためのものです。勤務した社名や勤務年数を可能な限り詳細に出すことで実在性が高まり、積み重ねてきた実績もわかるので信頼を得ることができます。

また経歴で、「26歳で営業全社ナンバーワンを獲得」などの実績を出す際は、噓に注意しましょう。ただし、事実である範囲で話を盛るのはありです。例えば、「あの大ヒット商品を開発」は噓でも、「あの大ヒット商品のプロジェクトに参加」ならアシスタントとしての参加でも噓にはなりません。

また、話を盛って大袈裟にしたほうが伝わりやすいこともあります。イタリアンのシェフなら、ただ「ペペロンチーノが得意です」と書くよりも、「一度食べたらやみつきになるペペロンチーノをご提供します!」といったほうが、魅力は高まり、伝わりやすくなります。

表現をいろいろと工夫し、迫力とわかりやすさを両立できるアピールを考えていきましょう。

4. 〝らしさ〟を引き立たせる写真を掲載する

新卒採用でも、「履歴書に貼る写真は写真スタジオで撮ってもらおう」というアドバイスはよく目にしますが、これは僕も賛成です。自撮り写真やスピード写真よりも、写真スタジオで撮ってもらう写真は、そこから読み取れる情報の質が確実に違ってきます。

自撮りやスピード写真では暗く平坦な顔映りになりがちで、明るくしても平坦さが高まるばかりです。やはり生き生きとしておらず、ネガティブな印象を与えてしまいます。一方、照明機材を活かした写真スタジオで撮る写真なら、顔の血色がよく、立体感も明確で生き生きとした印象を与えます。また、撮影慣れしたフォトグラファーに撮影してもらうことで、ベストな表情を引き出してもらえる可能性が高まります。

フォトグラファーの腕前や設備次第なので、評判のいいスタジオを探してみましょう。

また、「その職種らしい格好」をすることで写真の情報量は増し、専門性への信頼感を高めてくれます。医師なら白衣に聴診器、整体師ならスクラブ(医療用ユニフォーム)、自動車整備士ならツナギとレンチ、そしてビジネス系ならスーツがマストでしょうか。最近ではプロのフォトグラファーが出張してくれるサービスもあるので、撮影する場所と背景で演出することも可能です。

なぜかプロフィール写真を海外旅行の写真にしてしまう人が多いのですが……それはあくまでも、プライベート用のブログやSNSの発想です。写真を載せるのは、「読者に安心と信頼感を与え、ビジネスの顧客になってほしいから」です。旅行写真がその目的にかなう理由があるのならいいのですが、基本的にはないと思います。

「なにを伝えるための写真なのか」 ―― 。そこをしっかりと意識して、プロフィール写真とバナー写真にはこだわってください。

副業は、自己PRがすべて。――「稼ぐ人」が実践する成功戦略
野呂エイシロウ
1967年、愛知県に生まれる。愛知工業大学在籍中に、学生起業家として活躍後、雑誌編集者に。
『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』で放送作家としての活動を開始し、『ザ! 鉄腕! DASH!!』『特命リサーチ200X』『奇跡体験! アンビリバボー』『ズームイン!!SUPER』といった数々の人気番組を手掛ける。
30歳のとき、大手広告代理店に誘われたのがきっかけで戦略的PRコンサルタントヘ転身。TV番組をヒットさせるノウハウを企業PRに生かすなど独自の手腕を発揮。
これまでに、大手広告代理店をはじめ、150社以上と契約。自動車会社、家電メーカー、飲食チェーン店、飲料メーカー、学習塾、金融など、分野は多岐にわたる。
著書に、『考えなくてもうまくいく人の習慣』(ワニブックス)、『入社1年目から差がついていた! 行動が早い人の仕事と生活の習慣』(すばる舎)、『「話のおもしろい人」の法則』『心をつかむ話し方 無敵の法則』『先延ばしと挫折をなくす計画術 無敵の法則』(すべてアスコム)、『プレスリリースはラブレター テレビを完全攻略する戦略的PR術』(万来舎)などがある。

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