会社存続と創業者利益を重視するならM&Aが有効

「会社存続」と「創業者利益」の両方を重視したい場合は、M&Aが有効な選択肢となる。M&Aとは、買収や合併、または分割によって、複数の会社がひとつになる手法のことだ。

後継者がいない企業からすると、M&Aは外部から次期経営者を探せるだけではなく、会社・事業の売却益を得られる方法である。また、買い手側は事業や販路の拡大を目指して買収をするため、相手次第では会社の成長も期待できるだろう。

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今はM&Aを選びやすい時代に!最短6ヵ月で完了するケースも

1980年代まで、日本のM&Aは「敵対的買収」や「乗っ取り」などのマイナスイメージが強かった。しかし、今では中小企業の救済策としての有効性が認められており、専門家や仲介業者が増えてきている。

その影響で、日本のM&A件数は2011年から増え続けており、2017年には初となる3,000件を突破した。

また、中小企業庁がM&A支援機関登録制度を創設したことも、以前の日本とは大きく異なる部分である。2021年10月7日時点で登録機関数は2,253件であり、その中には500を超える個人事業主も含まれている。

つまり、M&A関連のサービスは多様化しており、地方企業や中小企業にとっては依頼先を選びやすい状況になった。仲介会社への依頼から実際の譲渡まで、6ヵ月ほどで完了するケースが増えている点も、経営者にとっては安心できるポイントだろう。

売り手側がM&Aを実施する流れ

実際にM&Aを進めるには、どのような工程を踏めば良いのだろうか。ここからは、売り手側がM&Aを実施する流れを見ていこう。

後継者がいない会社の5つの選択肢──中小企業でもM&Aは難しくないのか?

デューデリジェンスなどを行う買い手側に比べると、売り手側の工程はそれほど多くない。ただし、相手企業の絞り込みや条件面の交渉に時間がかかるため、譲渡実行までの期間は平均9ヵ月ほどと言われている。

また、譲渡が実行された後の統合作業(PMI)にも、通常は6ヵ月~2年程度の時間がかかる。つまり、M&Aが完結するまでには数年を要するため、現経営者が健康なうちに動き始めることが重要だ。

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