資金繰り表作成の習慣化を
資金繰り表は、直近における資金の現預金残高の推移から資金繰りを把握し、将来の現預金の残高を予想する目的で作成するものである。資金繰り悪化の兆候を一目でつかむことができるため、銀行で融資を受ける予定がなくても作成を習慣化させることが望ましい。将来資金不足に陥らないかを事前に把握できれば、安定した経営ができるようになる。
資金繰り表は、常に残高がプラスとなるように作成する必要があるため、資金繰りの改善方法や顧客との取引条件の見直しなど、新たな経営課題が見えてくることも多い。銀行から融資を受けるタイミングや資金繰りを安定させるための対策を考えることは、経営者が行うべき重要な業務の一つだろう。
著:加治 直樹
特定社会保険労務士。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。銀行に20年以上勤務。融資及び営業の責任者として不動産融資から住宅ローンの審査、資産運用や年金相談まで幅広く相談業務を行う。退職後、かじ社会保険労務士事務所を設立。現在は労働基準監督署で企業の労務相談や個人の労働相談を受けつつ、セミナー講師など幅広く活動中。中小企業の決算書の財務内容のアドバイス、資金調達における銀行対応までできるコンサルタントを目指す。法人個人を問わず対応可能であり、会社と従業員双方にとって良い職場をつくり、ともに成長したいと考える。