本記事は、世古口俊介氏の著書『貯金ができない私でも、1億円貯まる方法を教えてください』(あさ出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

なぜ資産運用をしなければならないのですか? 運用をしないとどうなりますか?

なぜ資産運用をしなければならないのですか? 運用をしないとどうなりますか?
(画像=tamayura39/stock.adobe.com)

私は、資産運用は自分自身の人生の目標を達成するために行うべきだと考えています。

人生の目標は人それぞれです。老後に安定した生活を送りたい、都内に一軒家を持って家族で幸せに暮らしたい、セカンドライフは海外で生活したい、子どもたちを世界で活躍できる人材に育てたい、大富豪になりたい……など、人の数だけ人生の目標は存在します。

資産運用は、この自分の人生の目標を達成するための手段にすぎないのです。

たとえば、老後に安定した生活を送りたいという人生目標なら、その人にとって何が障害になって、何が必要でしょうか。

まず、障害になるのはインフレ(物価上昇)のリスクです。老後はリタイアしたあとなので年金が主な収入になります。

給料と異なり、年金は物価が上昇しても同じように増えるとは限らず、生活がままならなくなるリスクがあります。

このリスクを回避するために、物価が上昇すると資産価値が上がる可能性が高い外貨や株式、不動産を保有するのです。

では次に老後に安定した生活を送るために必要なものは何でしょうか。それは安定したインカムゲイン(定期収入)です。

年金に加えて、定期的な収入があれば、より安定した生活を送ることができるでしょう。そのために不動産を保有し家賃収入を得る、債券を保有して利息収入を得るわけです。

いかがでしょうか。人生の目標を達成するために資産運用が必要ということがお分かりいただけたかと思います。

これが「子どもたちを世界で活躍できる人材に育てたい」という人生目標だとすると、収入がそこまで高くない方なら、その授業料や留学費を生み出すためにキャピタルゲイン(値上がり益)を得る株式などに投資するわけです。

実際には人生の目標ということを考えずに資産運用自体が目的となっている人もいます。しかし、それ自体を目的としてしまうと、その投資は「投機」となることが多いのです。投機になると少し価格が上がったから売ったり、ちょっと下がったから買うという本質的でない取引をしてしまいがちです。

本当に大事なのは、人生の目標を達成することなので、資産運用を始めたい人はまずは自分の人生の目標がいったい何なのかをしっかりと考えてから運用を検討しましょう。

私たちがお客様とお話しをするときも、お客様自身の人生の目標が何なのかを確認したり、もしくは言語化できなければ一緒に考えたりすることにもっとも多くの時間を割いています。意外と自分では気づかなかったり、なんとなくあるけれど、言語化できないという人が多いのではないでしょうか。

まずは家族や友人、親しい人と自分の人生について話すことで整理をして、しっかりと自分の人生の目標が何かを見つめ直してみましょう。資産運用を考えるのはそれからです。

投資は人生の目標を達成するための手段。投資自体が「目的」にならないように目標を明確に決めよう。

貯金ができない私でも、1億円貯まる方法を教えてください
世古口俊介(せこぐち・しゅんすけ)
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイス銀行(クレディ・スイス証券)のプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。
2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。2017年8月に内藤忍氏と共同で資産デザインソリューションズを設立し、代表に就任。
500人以上の富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や日本経済新聞、週刊東洋経済、ZUU onlineなどメディアへの寄稿を通じて日本人の資産形成に貢献。

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