本記事は、塚本亮氏の著書『「すぐやる人」と「やれない人」の習慣』(明日香出版社)の中から一部を抜粋・編集しています。

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(画像= tatomm/stock.adobe.com)

すぐやる人は頭の中を空っぽにし、やれない人は頭の中で処理しようとする。

スマホやタブレットなどのデジタルデバイスの普及により、作業効率が劇的に向上しました。ましてや様々なアプリなどのツールを効果的に使えば使うほど、なんでもできてしまうような気分になれます。

しかし、「すぐやる人」は、なんでもデジタルツールを使って、こなそうとは考えません。アナログツールとデジタルツールを上手に使い分けます。

思いついたことやアイデアをいきなりパソコンなどに落とし込むのではなく、ペンと紙を積極的に活用して、キーボードではなくペンを走らせます。

特に、今のように情報があふれ、次から次へとやらなきゃいけないことが降って湧いてくるような時代では、効果的です。

たとえば、「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」という状況だと、脳のパフォーマンスが落ちます。次はあれだこれだ、と頭の中をよぎった瞬間、集中力を欠いてしまいませんか?

これは、脳内のワーキングメモリに負荷がかかりすぎて、ダウンしている状態と言ってもいいでしょう。

パソコンやスマホでも同じです。たくさんのアプリを同時に開いたりしていたら、負荷がかかりすぎてダウンしてしまったり、処理速度が低下してしまったりします。この状態だと、やらなきゃいけないことを進めるだけの余裕がありません。

「すぐやる人」は、頭の中を空っぽにすることで、脳への負荷を減らしています。

そうすることで本来すべきことにエネルギーを集中させるだけの余裕が持てるようになるからです。

特に集中して取り組まないといけないようなことの場合は、それだけの余裕=スペースを脳内に生み出す必要があります。

では、どうすれば、頭の中を空っぽにできるのでしょうか?

頭の中にあることを紙に書き出すことで、それが可能になります。書き出しておけば、ひとつのタスクが終わった段階で、また他のタスクについて考えることができますので、ひとつのタスクに集中することができ、迷いなく行動を起こすことができるようになります。頭をよぎったら書き出す──。頭には置いておかない、ということです。

そのため、私は常にペンとメモを携帯しています。日々思ったことや感じたことをどんどん書き出していきます。

何かアイデアを出したいけれどスムーズにいかない場合など、ありませんか。そのときはオフィス近くのカフェで、紙とペンだけを持ち込んで考えます。

思いつくままにペンを走らせてみると、良いアイデアが浮かんでくるものです。論理的に考えをまとめることを頭の中で完結できる人はそう多くないでしょう。

一方、「やれない人」は、頭の力を信じすぎていますので、いろんなことを頭の中だけで解決しようとします。つまり、頭の中を一度空っぽにしようとしないので、最初はうまく進んでも、いざ行き詰まったら、脳が一気にダウンしてしまうのです。簡単に言えば、挫折するリスクが高まると言っていいでしょう。

紙に書き出すことは、時間がかかることのように感じます。

しかし、書き出すことで頭の中を空っぽにすることができ、物事が整理できますので、思いのほか時間はかかりません。

まずは頭に浮かぶことをどんどん書き出しましょう。落書きをするイメージです。きれいな文章や図などを書こうとせず、頭に浮かんだことをまずどんどん書き出してみるのです。それだけで、脳内はすっきりと整理されていきます。

感じたことや考えていることをどんどん書き出すことで、自分の頭の中を客観視することができますので、もやもやとしたものを整理することができるのです。


すぐやる人は、書き出すことで頭の中を整理している!
「すぐやる人」と「やれない人」の習慣
塚本亮
ケンブリッジ大学大学院修士課程修了(専攻は心理学)。
同志社大学経済学部を卒業後、ケンブリッジで心理学を学び、帰国後、京都で英会話スクール、ジーエルアカデミア設立。
心理学の知見と自身の学習経験を生かした指導法が注目され、国内外から指導依頼が殺到。
学生から社会人までのべ100人以上の日本人をケンブリッジ大学、ロンドン大学をはじめとする海外のトップ大学・大学院に合格させている。

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