本記事は、塚本亮氏の著書『「すぐやる人」と「やれない人」の習慣』(明日香出版社)の中から一部を抜粋・編集しています。

睡眠,起床
(画像=oatawa/stock.adobe.com)

すぐやる人は戦略的に睡眠を活用し、やれない人はなんとなく睡眠をとる。

「すぐやる人」は朝の時間をフル活用していることをお話ししました。ただ、朝の時間をフル活用するためのカギを握っているものがあります。それは睡眠です。

あなたは自分の睡眠のパターンを理解していますか。次の日にスッキリ脳がフル回転できる状態で1日を迎えるための睡眠の勝ちパターンを知っていますか?

「日曜日の夜についつい飲みに出かけてしまって帰りが遅くなってしまった。月曜日は朝から頭がぼーっとして無気力感にさいなまされる。身体もだるい。何もやりたくないし、何も考えられない──」

こうなってしまっては、まさに「やれない人」の習慣にとりつかれてしまいます。

長時間眠らないと脳が回復しないロングスリーパーや、逆に3、4時間の睡眠でも次の日をスッキリと迎えられるショートスリーパーを除いて、通常は6時間以上の睡眠は確保したいところですが、睡眠の長さは人によって大きく異なります。自分にとっての最適な長さを探すことがベストだと言えます。

意志力は睡眠をとると回復しますが、一般的に6時間未満の睡眠は意志力の回復を妨げ、誘惑に負けてしまう可能性が高くなります。あなたにとって最適な睡眠を確保することさえできれば、誘惑に負けないように前頭前野がうまくコントロールしてくれるようになるのです。

そして、それ以上に重要なことは、早起きするためには早寝をする必要があるということです。

俳優の哀川翔さんは、

「みんな朝早くに起きられないって言うけど、答えは簡単だよ。早く寝ないからでしょう。で、早く寝られないっていうのは、早く起きてないからだよね。『早寝早起き』っていう言葉は間違い。『早起き早寝』が正解でしょ」

と仰っていますが、まさにその通りで、とにかく早起きすることを徹底することから始めてみましょう。そうすれば自然と夜は眠くなる時間が早くなっていきます。

私の場合は23時頃ベッドに入り、朝5時に起床すると、脳がスッキリとした状態で1日に臨むことができます。良い睡眠ができたときは、起きた瞬間から頭がフル回転しています。起きた瞬間から仕事や原稿のアイデアがどんどん湧き出てきます。たいてい9時くらいまでは脳が活発に機能していることを感じるので、この間に大きな課題をどんどん進めていきます。

そうすると自分で、今日という1日をコントロールできている瑞々しい感覚が湧いてきて、さらなるエネルギーに繋がります。

朝起きるときは、なるべく目覚まし時計は使用しないほうがいいでしょう。目覚ましは脳に良くないのです。

もちろん最初は目覚まし時計に頼ってもいいでしょう。ただそのときに注意したいのが、朝日がちゃんと差し込むようにすることです。太陽の光には体内時計を活性化させる働きがあるので、身体に日光の感覚を覚えこませるためにカーテンは閉めきらず、ある程度の日光が入るようにしておきましょう。

そして、「すぐやる人」たちは週末も同じ時間帯に起きます。週末の朝、起きる時間を遅くしまうと、体内のリズムが狂ってしまって、月曜日の朝がつらくなってしまうからです。それでは、1週間のスタートダッシュがうまくいかなくなってしまいます。

睡眠はリズムであり、習慣でもあるので、その場その場のなりゆきに任せていてはなかなか自分自身をコントロールすることは難しいのです。

睡眠とは1日の終わりではなく、次の日の始まりだと捉えてはどうでしょうか。

睡眠は明日の命運を握っているのだというくらいの意識が、明日をより良いものにするための第一歩です。


すぐやる人は、週末も同じ時間に起き、体のリズムを整えている!
「すぐやる人」と「やれない人」の習慣
塚本亮
ケンブリッジ大学大学院修士課程修了(専攻は心理学)。
同志社大学経済学部を卒業後、ケンブリッジで心理学を学び、帰国後、京都で英会話スクール、ジーエルアカデミア設立。
心理学の知見と自身の学習経験を生かした指導法が注目され、国内外から指導依頼が殺到。
学生から社会人までのべ100人以上の日本人をケンブリッジ大学、ロンドン大学をはじめとする海外のトップ大学・大学院に合格させている。

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