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日経平均は7年ぶりの高値水準、大幅続伸で今年最大の上げ幅

2014年10月31日の東京株式市場は活況でした。日経平均は2007年11月以来となる7年ぶりの高値水準、大幅続伸で今年最大の上げ幅、年初来高値を更新して前日比755円高の16413円をつけました。公的年金を運用している年金積立金管理運用独立行政法人が日本株の比率を高めるとの情報から朝から買いが広がっている中、後場の時間帯に日銀が追加緩和を決定、これが市場ではさらなるポジティブサプライズとなって一時は850円を超える値上がりを見せる場面もありました。

日足、週足などで確認してもトレンドは大きな分岐点に差し掛かっています。こういった先が見えにくいこともあり、依然としてIPOは人気があります。本稿では多くある新規上場する企業の中でも期待できるCRI・ミドルウェア< 3698 >を取り上げてみたいと思います。


世界に誇る日本のエンターテイメント

日本が世界に誇るクールジャパン。その最先端を走る媒体として漫画やアニメとともにゲームがあります。家庭用ゲーム機の金字塔・ファミリーコンピュータの発売から30年を数え、日本企業は国内だけではなく世界各国に熱狂的なクールジャパン・日本ゲームのファンを生み出してきました。昨今では有名なゲームだけではなく、無名のゲームソフトも発売してほしいと世界各国のファンからの要望もあり、日本のゲーム業界はますます注目を集めています。

11月27日に上場するCRI・ミドルウェアはゲームや遊技場などのエンターテインメント分野を中心に事業展開し、こういったクールジャパンの企業を裏から支えている企業です。もとは映像や音声の研究開発を行っていた企業で、1989年には世界初のCD-ROMを標準搭載したパソコン・富士通FM-TOWNSの技術協力、1990年代には家庭用ゲーム機の「セガサターン」や「ドリームキャスト」向けにミドルウェアを提供しました。ミドルウェアとは、あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、OS、もしくはハードウェア とアプリケーションソフトウェアとの中間にあります。このミドルウェアにより、OSやハードウェアの特徴を生かしながら、その上で実行されるアプリケーションをスムーズに動かす技術のため、現代においては必要不可欠なものです。2001年には現在の「株式会社CRI・ミドルウェア」が設立されました。その後も家庭用ゲーム機の「プレイステーション2」や「任天堂ゲームキューブ」「エックスボックス」など主要なゲーム機に向けミドルウェアを提供しています。


CRI・ミドルウェアの得意分野

この企業の得意とする分野はここまで述べてきましたゲーム機の他、遊技機向けの音声関連のミドルウェアと映像関連のミドルウェアもあります。さらには昨今、エンターテイメントへの提供で培ってきた技術を駆使して営業支援ツールを開発、医療やヘルスケア企業へ提供をはじめました。ライブ中継や動画配信などのネットワーク関連においても事業展開されています。ゲーム機と遊技場向けのミドルウェアがこの企業の根幹ではありますが、こういった新規分野でも音声や映像の技術を提供し評価を上げています。


業績推移とIPO詳細

業績推移は、株式会社設立以降の売上高は右肩上がりの傾向と言っていいでしょう。ここ数年間は横ばいの傾向とも言えますが2012年を底にして回復基調にあることは間違いありません。経常利益や当期純利益は期によって幅が大きくブレが見られますが、これも相対的には堅調と言える内容でしょう。

IPOの主幹事はエイチ・エス証券です。ブックビルディング期間は11月7日から11月13日、市場は東証マザーズに上場予定です。公募株数は11万株、売出株数は16万6千株です。想定価格は2300円で、100株単位の株式なので23万円が必要になります。仮条件決定は11月5日です。上場するマザーズ市場のIPOはこのところ調子が良く、10月21日に上場したGMOリサーチ<3695>、翌10月22日にオプティム<3694>とセレス<3696>が次々とマザーズ市場で新規上場を果たしましたが、いずれも公開価格を上回る堅調な初値となっています。またCRI・ミドルウェアのIPOの規模は比較的小規模と言え、小型であればあるほど初期のリターンは高い傾向にあることも、この銘柄の特筆すべき点になります。


タブレット・スマホの普及

CRI・ミドルウェアの技術は現在、全世界において2800をも超えるゲーム・アプリで採用されています。昨今、ゲームは家庭用ゲーム機器からタブレットやスマホへと流れが変わってきています。家でしっかりと落ち着いてやるゲーム機に興味がない方、また、忙しくてなかなかそういう時間がとれないファミコン世代の方、そういった方々でも移動中などの空き時間を利用してスマホなどでゲームを手軽にできる時代となりました。また、実際にこの分野の売上げが昨今グンと伸びているのも事実です。今後も普及するであろう、タブレットやスマホとともにエンターテイメントに強いCRI・ミドルウェアの見通しは明るいと言えるでしょう。まとめると、マザーズ市場での軽量IPO、活況なクールジャパンを影で支える企業でもあることから、強気の投資スタンスで一考する価値がある企業です。

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