Stock market trading graph in red color economy.
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国際信用ポートフォリオマネージャー協会(IACPM)の調査によると、クレジット・ポートフォリオマネージャーの8割以上が2023年中に米経済のリセッション(景気後退)を予想しているとのことです。信用市場のストレスの高まりで、借り手企業のデフォルト(債務不履行)が増え始めるのでは、としています。いま、米国経済に何が起きているのでしょうか。その影響を日本の投資家はどのように受け止めればいいのでしょうか(ZUU online編集部)。


「2023年中に米経済がリセッション(景気後退)入りする」という予想が流布された要因は米国で拡がった金融不安だ。一時期は金融不安よりも、さらにもう一歩踏み込んだ「金融危機」という表現にまで置き換えられ、2008年に起きた「リーマン・ショック」までが多くの場面で引合いに出された。日本国内でさえ、「金融危機」というキーワードでGoogle検索を行うと、いまなお(本稿執筆時点(4月17日現在))瞬時に約2万8,800件(0.30秒)のニュースが検索されるほど、広くある種の「不安感」が共有されているようだ。

ならばなぜ、その「金融不安」が米国経済のリセッション(景気後退)にまで発想が連鎖するのか。新たな与信判断に慎重になった銀行が貸し出しを渋ることによって、中小企業などの経済活動が停滞、あるいは住宅ローンなど個人信用供与が伸び悩むことで、GDPのおよそ約7割を占める個人消費に急ブレーキがかかるかもしれないという懸念が背景にあるからだ。

確かにシリコンバレーバンク(SVB)の破綻をきっかけとして拡がった「米国の金融不安説」が今なおマーケットで燻っていることは否定できない。またこれを引き金として、銀行の与信態度がより厳格になり、信用供与の不足が米国景気の先々に悪影響を与えるという想定も随所で語られていることも事実だ。実際、先日公開された3月のFOMC議事録にも「一部の銀行が融資基準を引き締める可能性が高いため、これまでの展開は信用状況の弱体化につながる可能性が高い」という一節がある。こうした考え方を元に、(沈静化し切れないインフレ動向に対して)いったん(3月はじめ頃まで)は12月会合時点よりも高まりつつあったFFレート(政策金利)のターミナルレート予測が、ほぼ変わらない水準にまで低下したとも言及されている。つまりFOMCメンバーでさえ、3月21日と22日の会合時点では、リセッションとまでは明言せずとも、ある程度の景気スローダウンの要因に一連の金融イベントがなり得ることを認めていたということだ。

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