新婚カップルが一緒に暮らす新居を探す際、賃貸と購入のどちらを選ぶべきかという問題は、ネット上でもよく話題になる永遠の難問の一つです。
この記事では、新婚の夫婦が賃貸と購入のどちらを選ぶべきか判断する基準やそれぞれのメリットとデメリットなどを解説します。
新婚カップルが「賃貸と購入のどちらがよいか」を判断する基準
新婚のご夫婦が「新居は賃貸にするか購入するか」を判断する際の基準はいくつかあります。例えば以下のような基準です。
転勤や異動の可能性
支社や営業所のある会社にお勤めで、転勤や異動によって勤務地が変わる可能性があるなら、賃貸を選ぶ方が無難かもしれません。賃貸なら住む場所が変わっても引っ越しがしやすいので単身赴任をしなくて済む可能性が高いでしょう。
転職の可能性
夫婦のどちらかが近い将来、転職して職場の場所が変わる可能性がある場合も、転勤や異動と同じ理由で賃貸を選ぶ方がよいかもしれません。
ただし、夫婦が共働きでどちらかが転職する可能性がある場合、家を早めに購入しておく方がよいという考え方もあります。なぜなら、住宅ローンの審査では転職直後は勤続年数が短いために不利になる可能性があるからです。
貯金の額
一般的に、ローンで家を購入する場合は百万円単位の頭金、現金で家を購入する場合は千万円単位のお金が必要になります。加えて、税金や手数料などの諸費用も支払わなければなりません。これらを出しても手元にある程度のお金が残るぐらいの貯金がなければ、家を購入するのは難しいでしょう。
一般的に、家を購入する際の頭金の目安は「住宅価格の20%程度」といわれています。仮に5,000万円の家を購入するなら1,000万円程度が必要ということになります。また、諸費用の目安は、住宅価格の5%程度といわれます。
家族計画
「子供をつくるのか」「つくるとしたら何人か」などの家族計画は、新婚夫婦が家を購入するか否かを決める際の重要な基準になります。
住宅ローン専門金融機関ARUHIが実施した「既婚・子供あり」の方々を対象にした調査では、「住宅購入時に子どもの年齢はいくつでしたか」の問いに対し、妊娠中・乳幼児と回答した割合は全体の半数以上でした。子供の誕生が家の購入のきっかけになることが多いことがわかります。
- 妊娠中:23%
- 乳幼児:33%
- 幼稚園・年少:6%
- 幼稚園・年中:5%
- 幼稚園・年長:7%
- 小学校・低学年:10%
- 小学校・高学年:7%
- 中学校以上:9%
引用元:ARUHIマガジン「“住宅購入のタイミング”を調査!そのときの「子どもの年齢」はいくつだった?
新婚カップルが賃貸を選ぶメリットとデメリット
新婚のご夫婦が「賃貸」を選んだ場合のメリットとデメリットを確認しましょう。
メリット
今後のライフプランに合わせて家を選べる
20代から30代の若い世代の新婚カップルは、将来子供を何人つくるのか、転職や独立をするのかなど、人生を大きく左右する事項が決まっていないことが多いです。
そのため、新婚の時期は夫婦二人で住むのに適した賃貸住宅に住んで様子を見るというのも選択肢の一つです。
住宅設備の交換や修理のコストを負担しなくていい
若い世代の新婚カップルは、十分な貯金ができていないことも多いでしょう。
賃貸住宅なら、住宅設備の交換や修理を大家さんに負担してもらえるため、住宅設備が故障しても大きな出費を強いられることがないという点もメリットといえます。
デメリット
理想の住まいにしにくい
新婚の頃は「こんな間取りやデザインの家で生活したい」などという夢や希望を描くことも多いでしょう。しかし、賃貸住宅は自分たちの所有物ではないので、ほとんどの場合、自由にリフォームやカスタマイズをすることができません。
防音性が低いことがある
一般的に賃貸住宅は、分譲住宅と比較して防音性が低いことが多いので、プライバシーを重視したい夫婦にとってはストレスになる可能性があります。特に築年数が経っている賃貸住宅は要注意です。
新婚カップルが家を購入するメリットとデメリット
新婚のご夫婦が「家の購入」を選んだ場合のメリットとデメリットを確認しましょう。
メリット
毎月のローン返済額を抑えやすい
若い世代であれば、新婚の頃に住宅ローンを組むことで返済期間を長く設定することができます。これにより、毎月の返済額を抑えることができるため、賃貸よりも毎月の住居費の負担が軽いということも少なくありません。
早めにローンを完済できる
若い世代の新婚カップルが住宅ローンを組んで家を購入すれば、早めにローンを完済できます。例えば、返済開始時の年齢が30歳で35年ローンを組んだ場合、65歳で完済できます。
理想の間取りやデザインを実現できる
賃貸のデメリットで挙げたように、新婚のご夫婦が賃貸住宅を選ぶと理想の間取りやデザインにするには難しい面があります。これに対して家を購入した場合はプランニングやカスタマイズなどが自由にできます。
デメリット
子供の人数が確定していない
新婚の夫婦であれば、将来子供を何人ぐらいつくりたいという話をされていることが多いと思います。ただし、希望している子供の人数がそのまま現実になるわけではありません。
「子供の人数が予定していたよりも多くなった」、逆に「子供をたくさん欲しいと思っていたけれど、できなかった」といったケースも考えられます。その結果、家が手狭になったり使わないスペースができたりすることもあります。
転勤や異動の際に柔軟に引っ越しできない
家を購入すると、転勤や異動で勤務地が変わった際に柔軟に引っ越しができないというデメリットがあります。勤務先の会社が全国や海外で事業を展開している場合や、ほかのエリアに支店や営業所がある場合は、転勤の可能性があるでしょう。
ただし、転勤や異動で勤務地が変わった場合でも以下のような方法で対応することもできます。
- 賃貸物件に転用する
- 知り合いに貸す
- 単身赴任を選択する
- 売却する
実際、転勤の可能性があっても家を購入する夫婦は少なくありません。
近所付き合いをしなければならないことが多い
近所付き合いや町内会・自治体への参加がどれくらいあるかは、住むエリアにもよって異なりますが、一般的に賃貸住宅よりも地域コミュニティへの参加を求められることが多いです。近所の人たちとの付き合いや交流が面倒だと感じる場合は、デメリットといえるでしょう。
家は賃貸と購入どちらを選ぶべき?
ここまでお伝えしてきたように、「賃貸」と「家の購入」にはそれぞれメリットとデメリットがあります。これらを踏まえてそれぞれを選んだ方がよいケースを整理してみました。
賃貸を選んだ方がよいケース
- 家を購入する資金が足りない(貯金が十分ではない)
- 数年ごとなど頻繁な転勤がある
- 近所付き合いをしたくない
家の購入を選んだ方がよいケース
- 早めに住宅ローンを完済したい
- 毎月の住居費を抑えたい
- 自分たちの理想の家を手に入れたい
まとめ
新婚の夫婦が賃貸と購入のどちらを選ぶべきか判断する基準やそれぞれのメリットとデメリットなどを解説しました。
ブライダル総研が実施した「新婚生活実態調査2020」では、結婚のタイミングで新居を購入した割合は約2割でした。結婚のタイミングで新居を購入するのは少数派ということになりますが、賃貸と購入のどちらを選ぶとよいかは、夫婦の事情や考え方などによって異なります。
いずれにしても夫婦で納得できるまで話し合い、後悔のない選択をすることが大切です。「若いうちに住宅ローンを組んでおけばよかった」という後悔が老後の生活に大きな影響を与えることもあるので注意しましょう。
若いうちにマイホームを購入したいけれど住宅ローンの支払いが心配だという場合、賃貸併用住宅という選択肢も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
賃貸併用住宅とは、マイホームと賃貸住宅がミックスされた住宅のことです。毎月の家賃収入を住宅ローンの返済に充てられるため、住宅ローンの負担が大幅に軽減されます。また、マイホーム購入と同時に資産形成を始められるというメリットもあります。
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(提供:賢いくらし研究所)