進行を妨げるようなバンカーはなくす

-コロナ禍で若いゴルファーや女性のゴルファーが増えています。定着するのか、あるいは離れていくのか。どのような見通しをお持ちですか。

確かにコロナ禍の特需のような感じで若い人や女性が増えている。現状はコロナ禍が収まりつつあり、5月には新型コロナウイルスが2類相当から5類に変わる。そうなるとコロナ前の状態に戻ることになるわけだが、ゴルフをやり始めた人たちが、全員ゴルフを止めるということはないだろう。ゴルフ業界はこれまでずっと若者と女性が減っていると言われてきた。いろんな対策を講じたが、何をやってもうまくいかなかった。それがコロナ禍で若者と女性が増えたのは、ゴルフ業界にとっては大変な起爆剤になる。今後はこうした若い人や女性を受け入れられるような対策や対応を取っていくことなるだろう。

-女性向けの改修などが目立ちます。

ティーの増設などはそれほどコストがかからずにできるし、このほか風呂やトイレの改修なども行っていくことなる。さらに女性に来ていただけるようなイベントなども活発化するだろう。PGMは昨年、女性向けにANGEL GOLFというサイトをリニューアルし、女性向けプランの紹介などを行っている。ドリンクサービスやお土産プレゼントなど特典付きのプランもある。

-PGMのゴルフ場ではバンカーをなくすなどコースの難易度を下げるような動きが見られます。これも若者や女性が増えたことへの対応でしょうか。

ゴルファーの大半はアマチュアで、100を切るスコアーで回れる人は恐らく全体の2ー3割しかいない。7割以上の人は100超えており、これが普通のアマチュアゴルファーだ。こういう人たちに合わすようにゴルフコースはできておらず、難しくしているところがある。これが進行時間を遅らせる原因にもなる。このため進行を妨げるようなバンカーなどはなくしていくのがいいのではないかと考え、全国のPGMゴルフ場に伝えている。ただコース設計者の理論などもあり、すべてのゴルフ場がそのようになるわけではない。

-プレー費が徐々に上昇してきていますね。今後の見通しをお教え下さい。

価格は市場の原理で決まる。需要が増えれば価格は上がるし、需要が減れば価格は下がる。コロナ禍で需要が戻ってきたから現在、価格が上がっている。さらにもう一つ。物価高がある。電気代は上がっているし、食材も上がっている。これを考えれば価格が上がるのは当たり前といえる。今後また需要が減るようなことがあれば価格は下がるという繰り返しだろう。

M&A Online

(画像=田中耕太郎PGM代表取締役社長、「M&A Online」より引用)

【田中耕太郎氏】
1985年、エスティティ開発入社
2004年、パシフィックゴルフマネージメント入社
2008年、パシフィックゴルフマネージメントセールス本部長
2009年、PGMホールディングス取締役兼パシフィックゴルフマネージメント取締役
2010年 、パシフィックゴルフマネージメント代表取締役社長(現任)

文:M&A Online