英を舞台に、外食で久々に大型買収

外食で久々に大型のM&Aが登場した。2020年に、コロワイドが定食チェーンの大戸屋ホールディングスを敵対的TOB(株式公開買い付け)を通じて子会社化(約62億円)して以来となる。

うどん専門店「丸亀製麺」などを運営するトリドールホールディングスは投資ファンドの英キャプデシア・グループと共同で、ロンドン証券取引所上場でレストラン事業のフルハムショアを買収することを決めた。151億円で全株式を9月までに取得する。フルハムショアは英国を拠点にピザ料理、ギリシャ料理の2業態で直営97店舗を持つ。

トリドールは国内外食市場の縮小を見据え、海外進出を重点課題に掲げる。現在、「丸亀製麺」を軸にアジアを中心に世界約30カ国で約700店舗を展開するが、2028年3月期までに4000店舗に増やす計画。1000億円のM&A予算枠を設定しており、その第一弾が今回のフルハムショア買収。今後、欧米、東南アジアで買収のアクセルを踏み込む構えだ。


イオン、いなげやを子会社化

国内案件では、イオンによるいなげやの買収がハイライトとなった。11月をめどに、出資比率を現在の17.01%から51%に引き上げて、いなげやを子会社化する。そのうえで、1年後の2024年11月にイオン傘下で「マルエツ」など3つの食品スーパーを持つユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(USMH)といなげやを統合し、「関東における1兆円のスーパーマーケット構想」の実現につなげる。

いなげやは首都圏の一都三県でスーパー「いなげや」約130店舗、ドラッグストア「ウェルパーク」約140店舗を運営する。一方、USMHはマルエツ、カスミ、マックスバリュ関東の3社で設立した持ち株会社で、いなげやが加わることで売上規模はおよそ9500億円となり、1兆円に迫る。

M&A Online
(画像=イオンは11月をめどに、いなげやを子会社化する、「M&A Online」より引用)

イオンのライバル、セブン&アイ・ホールディングスでも新たな動きがあった。セブン&アイは高級衣料品・雑貨店「バーニーズニューヨーク」を運営するバーニーズジャパン(東京都千代田区)の全株式を、ラオックスホールディングスに売却することを発表(金額非公表)。免税店大手のラオックスは自社のインバウンド(訪日客)事業のノウハウと、バーニーズニューヨークの高いブランド力を活用し、国内外の富裕層の消費ニーズを取り込むという。

バーニーズジャパンは1989年に伊勢丹(現三越伊勢丹ホールディングス)が米バーニーズニューヨークとの提携により設立。セブン&アイは2015年に同社を完全子会社化したが、業績低迷から脱せず、近年は赤字が常態化していた。

◎4月M&A:金額上位(10億円以上)

M&A Online
(画像=「M&A Online」より引用)

文:M&A Online