◉LINEの収益モデル①〜コンテンツへの課金モデル〜


LINEの収益モデルは大きく分けて2つあるといわれています。

まず、1つ目が課金モデルであり、主にLINE上でのコンテンツ販売料などがこれに当たります。
例えば、LINEの無料メール内にはスタンプと呼ばれる機能があります。これは感情表現を伝える事ができる一種のキャラクターであり、無料スタンプも多いのですが、一部のキャラクタースタンプは有料です。
(1シリーズにつき170円程度ですが、ディズニーやドラゴンボール、アンパンマンなど多様なスタンプが入手可能です。)

なお、5月9日に発表された事業業績によりますと、2013年1-3月期(1Q)のLINE事業の売上額は58.2億円(前四半期比約92%増)となりました。その内スタンプ課金は約30%を占め、1ヶ月あたり約6億円の売り上げが出ている計算になります。

ただし、ARPU(ユーザー1人あたりの平均売り上げ)は約4円であり、GREEやモバゲーの一人当たり数百円と言われるARPUに比べると遥かに少ないといわざるを得ません。
今後のプラットフォーム化進展に合わせて、LINEで展開している「LINE GAME」に関しても同様に課金モデルが進む可能性が高いと思われます。

◉LINEの収益モデル②〜LINE@による広告モデル〜


2つ目の収益モデルは、法人向けメッセンジャーアプリ「LINE@」の提供による広告収益です。これは、ユーザー側は企業アカウントと友達になる事によって、キャンペーンやクーポンを受け取れ、企業側は告知ができるというサービスです。
このアプリでは、法人はまず公式アカウントと非公式アカウントに分類されます。公式アカウントは初期費用200万円、月額料金150万円で提供されているのに対し、非公式アカウントは廉価版では初期費用・月額料金ともに5250円で提供されています。

ただし、非公式アカウントに関しては、友だちが1万人を超えた段階で月額料金プランが変更される設定となっていますので利用企業は注意が必要です(2013年6月30日までは初期費用無料のキャンペーン中。契約開始日を含む月を1ヶ月目とし最大3ヶ月間の月額費用も無料。)

この「LINE@」は、O2O(Online to Offine)サービスの急先鋒として位置づけられています。それといいますのも、LINEの広告配信はFacebookと比べて、プッシュ力が非常に強いといわれているのです。
例えばHISなどは、Facebook上では20万人のフォロファーを持つだけですが、LINE上では344万人の友達を持ちその数は17倍にもなります。

また、LINE@は、企業からクーポンなどがメッセージとして配信されるため、従来のバナー広告などと比較して利用者にもストレスになりにくく、広告価値も高いという特徴があります。
実際の利用事例では、ローソンが公式アカウントを通じ、1投稿で10万人の来店などの効果を見せています。

◉株式上場の噂


ビジネスモデルの優位性やその成長速度によって注目を集めるLINE株式会社ですが、分社化が発表されてから株式上場の噂が絶えません。

以前株式会社ミクシィが株式上場した際に、株式会社イー・マーキュリーから社名変更を行い上場に進みました。ミクシィは社名変更する事により事業展開の柱をミクシィとし、またユーザー認知度の向上を目指したと言われています。
今回のLINE分社化と社名変更も、株式上場を視野に入れた会社自体の認知度向上や、収益体制の明確化を狙っているのではないかとの憶測が飛び交っています。

しかし、LINEは基本的に事業計画もあまり作らないと言われており、実際今後の上場計画なども発表されていない為、今後の株式上場は定かではありません。

なお、最後にLINE株式会社の収益状況ですが、2013年1-3月期(1Q)のLINE事業の売上額は58.2億円(前四半期比約92%増)となりました。売上は、ゲーム課金(売上構成比:約50%)、スタンプ課金(同:約30%)、公式アカウント・スポンサードスタンプ等が含まれます。また、地域別売上は、日本が約80%を占めています。
ただ、残念ながら営業損益はまだ赤字(四半期で7億円程)のようです。理由としては、LINEの成長に伴い人員増員やサーバー代のコストなど、先行投資をした事が要因と見られます。

以上LINE株式会社上場説に関して、その背景となるようなLINE株式会社の状況をお伝えしました。
次回の記事では少し趣向を変えて、LINEとfacebookやlinkedinとの比較や、LINE利用者の中心世代である大学生の意見なども交えて記事をお届けしたいと思います。

【後編】
市場を賑わすLINE(ライン)上場説とその影響【後編】~ソーシャル王者達との比較と関連銘柄のまとめ~

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BY R.K

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