中小企業も応用できるマクドナルドのマーケティング手法を簡単に解説

続いて、マクドナルドの成功につながった3つのマーケティング手法について解説する。

テストマーケティング

テストマーケティングとは、店舗や期間を限定し、試験的に商品提供やシステムの導入を行って有効性を判断する手法だ。テストマーケティングなら、失敗を最小限に抑えつつ、さまざまな新しい取り組みにチャレンジできる。

マクドナルドは、マックカフェや夜マック、モバイルオーダーなどのさまざまな取り組みを、一部店舗で期間限定のテストを行ってから全国展開している。

キャンペーンやコラボレーション

マクドナルドは、キャンペーンやコラボに力を入れ、消費者を飽きさせない工夫を取り入れている。

自分の「推しバーガー」を選ぶ「マクドナルド総選挙」や、トッピングで味変を楽しむ「マックの裏メニュー」など、思わず興味をそそられるキャンペーンが実施されている。また、ポケモンやミニオンズなどさまざまなキャラクターとのコラボにも注力しており、ハンバーガー以外の要素で消費者を惹きつける工夫を行っている。

話題性のあるキャンペーンやコラボはSNSでも拡散され、ブランド力の向上につながるというメリットがある。

SNS活用

マクドナルドはSNSを効果的に活用している企業でもある。

2016年には新メニューの名前を募集し、Twitterでは「#名前募集バーガー」が話題になった。2020年には公式Twitterで「あぁー、、、お米たべたい」と突然ツイートし、その後ごはんバーガーの発売を告知し、匂わせと複線回収が面白おかしく受け入れられた。

そのほかにも、商品の写真を載せて「これ全部でいくらでしょう?」と尋ねるなど、見た人が思わず反応したくなるツイートが行われている。

なぜマクドナルドが世界的な成功を収めたのか?紆余曲折

マクドナルドの始まりは、マクドナルド兄弟が始めたハンバーガーショップだ。1954年にセールスマンのレイ・クロックが店舗を訪れ、ハンバーガーを素早く提供する体制に感動し、フランチャイズ展開で事業を成長させる話を持ち掛ける。その後、クロックの手によってマクドナルドは急成長し、世界100ヵ国に店舗を展開する巨大外食チェーンとなった。

マクドナルドが世界的な成功を収めた理由として、まずはマクドナルド兄弟の「商品の種類を絞り込み、短時間でスピーディに提供する」という尖った戦略があるだろう。そこに、レイ・クロックの「たった1つのハンバーガーショップに将来性を見出し、全世界に広める熱意」が加わり、マクドナルドは大成功を収めた。

しかし、成功には光と影がつきものだ。マクドナルド兄弟はフランチャイズ展開に消極的だったこともあり、レイ・クロックとは度々衝突している。最終的に、マクドナルド兄弟はレイ・クロックによって自分たちが立ち上げたハンバーガーショップすら失うことになった。