総括
FX「金融緩和実施、ただ2Qの成長率は強い見通し」人民元見通し
(通貨8位、株価12位)
予想レンジ 人民元/円19.2-19.7
(ポイント)
*本日、鉱工業生産など発表
*景気減速、物価低下で金融緩和実施
*ただ2Q・GDPは高い伸びを予想=人民銀
*ブリンケン国務長官は18日に訪中
*米中対立は貿易縮小に繋がる
*5月輸出は減少
*5月PMIは政府版が悪化、財新は改善
*景気の弱さは、通貨バスケット制を採用しているので、人民元の弱さには繋がらない
*G7サミットでは中国を名指しで批判、中国は猛反発
*国債利回り6カ月ぶり低水準
*対米、対独の2022年の貿易額は過去最高
(本日、鉱工業生産など発表)
本日は5月の鉱工業生産、小売売上高、固定資産投資などが発表される。景気減速の勢いを確認する内容となり、景気刺激策への期待が高まる公算が大きいと予想されている
(金融緩和実施)
人民銀行は6月13日、期間7日のリバースレポ金利を0.1%引き下げて1.9%としたほか、市中銀行への資金供給手段である常設貸出ファシリティー(SLF)の金利を0.1%引き下げるとも発表した。
6月15日には1年物の中期貸出制度(MLF)金利を0.1%引き下げることが予想されている。また20日に銀行貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(LPR)を引き下げる可能性も十分にあると予想されている。
中国が金利の引き下げなど、少なくとも十数の景気刺激措置を検討している。不動産、内需といった分野を支援する。5月の中国の信用の伸びは大幅に鈍化。新規銀行融資も予想を下回った。景気減速の兆しが示された。デフレリスクの高まり、製造業の活動縮小、輸出減少が示されていた。
(低い伸び 消費者物価)
5月の生産者物価は前年比4.6%下落し、予想の4.3%下落を上回る落ち込みになった。
5月の消費者物価は前年比0.2%上昇した。前月は0.1%上昇だった。予想は0.3%上昇だった。
(人民民銀行声明=2Qの成長率は「比較的高い」伸びになる)
中国景気減速論も出てきたようだが、中国側の予想ではそうではないようだ。人民銀行の易綱総裁は2Qの成長率について、ベース効果などにより前年同期比で「比較的高い」伸びになるとの見方を示した。消費者物価の上昇率は12月までに1%を超えると予想した。人民銀の声明によると、中国経済は現在新型コロナウイルスの影響からの回復途上で、企業のバランスシートは修復されつつあると述べた。
「2Qの前年比伸び率は(主にベース効果により)比較的高くなる見込みだ」とし「CPIは下半期に徐々に持ち直し、12月までには前年比1%を超えると予想される」と述べた。
輸出の急速な悪化や高い若年失業率、不動産市場の低迷、内需の不振など、中国経済はさまざまな課題に直面している。しかし易総裁は、中国は今年の成長目標を達成する自信と能力があると述べた。
人民銀の声明は、引き続き穏健な金融政策を維持しながらカウンターシクリカルな調整を強化、実体経済を支援し、金融の安定を守るとしている。
易総裁はまた国境を越えた貿易や投資で企業が人民元を使うことをより容易にすると