ご自身の人生設計のためにライフプランを立てたいと考える方は多いでしょう。ライフプランは、ポイントさえ押さえれば自分で作成できます。この記事では、ライフプランの具体的な立て方を解説し、シミュレーションで家計収支のマイナスを回避する方法をお伝えします。ライフプランで人生にかかるお金の全体像を把握できれば、悔いのない選択をして思い描いた通りの人生を歩めるでしょう。

目次

  1. ライフプランは理想の人生を歩むための設計図
  2. ライフプランを立てる3つのステップ
  3. ライフプランの資金不足を回避する方法
  4. まとめ

ライフプランは理想の人生を歩むための設計図

ライフプランの立て方は?シミュレーションと家計収支のマイナス回避策も紹介
(画像=takasu/stock.adobe.com)

ライフプランとは、必要なお金にフォーカスして作る人生計画書のことです。ライフプランを直訳すると「人生計画」ですが、日本語では「人生設計」「生涯生活設計」と呼ばれることもあります。

結婚や出産、マイホーム購入などのライフイベントにはお金がかかります。また、老後などライフステージが変わることで必要になるお金もあります。さらに、独立開業や起業、FIRE(早期リタイア)、世界一周旅行など、キャリアや趣味に関連して人生で叶えたいこともあるでしょう。

ライフプランを立てることで「いくらのマイホームなら買っても後悔しない?」「教育費は毎月いくら貯めればいい?」などという疑問が解消され、納得感をもってお金を使ったり蓄えたりできるようになります。

長期的な視点で必要なお金を把握すれば、漠然とした将来の不安が消えて適切な選択ができるようになります。ライフプランは、希望通りの人生を歩むための設計図なのです。

ライフプランを立てる3つのステップ

ライフプランの立て方を3つのステップに分けて具体的に解説します。結婚している方は、ぜひ夫婦で一緒に話し合ってみてください。

1.夢やライフイベントを書き出す

まず、夢やライフイベントなど「人生で実現したいこと」を書き出していきましょう。例えば以下のような内容です。

  • 〇歳までに結婚したい
  • 子どもは〇人ほしい
  • 一戸建てのマイホームがほしい
  • マイカーがほしい
  • 〇歳までに転職したい
  • 専門学校に通って資格を取得したい
  • 年に一度海外旅行をしたい

叶えたいことがたくさんある場合は、全て書き出してから優先順位をつけましょう。

書き出すときのポイントは、時期や費用を意識することです。例えば、結婚式の費用は規模や人数などによって変わりますし、子どもの教育費は進学先によって異なります。住んでいる地域によって地価も違います。どの程度の費用がかかるのかインターネットで調べて、費用の目安も記載しておくとよいでしょう。

2.キャッシュフロー表を作る

次にエクセルでキャッシュフロー表を作成します。キャッシュフローとは「お金の流れ」のことで、キャッシュフロー表は「入っていくお金」「出ていくお金」「貯まるお金」を時系列で一覧にしたものです。

横軸には西暦、縦軸には年齢やライフイベント、収入、支出、貯蓄の項目を作ります。

西暦
太郎年齢
花子年齢
ライフイベント 出産
転職
太郎収入
花子収入
その他収入
収入合計
住居費
その他生活費
特別費
教育費
支出合計
年間収支
貯蓄残高

上記は一例なので、項目は必要に応じて追加しましょう。

収入合計や支出合計、年間収支には計算式を入れてください。貯蓄残高は、最初の年は「現在の貯蓄+年間収支」、翌年以降は「前年の貯蓄+年間収支」の計算式を入れましょう。最後に、右下にカーソルを合わせてオートフィルという機能を使えば、計算式を全ての行に簡単にコピーできます。

表が完成したら、現在の収入や支出、貯蓄などベースとなる数字を入力していきましょう。

3.シミュレーションをする

キャッシュフロー表が完成したら、さまざまな想定でシミュレーションしてみてください。

「〇円のマイホームを購入したら?」「子どもが医学部を目指したら?」などという想定ごとに、エクセルのタブをコピーして比較してもよいでしょう。

ライフプランの資金不足を回避する方法

キャッシュフロー表をもとにシミュレーションしていると収支がマイナスになることが多々あります。収支のマイナスはもちろん回避しなければなりませんが、収支バランスを改善するために希望を諦める必要はありません。

希望を叶えると収支バランスが悪化してしまう場合は、以下のような選択肢も検討してみてください。

副業や転職で収入を増やす

年間収入が変われば、ライフプランの数字は劇的に変化します。一年単位では小さな変化に見えても、何十年と積み重なることで、貯蓄に大きなインパクトを与えます。

収入を増やすには、副業や転職などさまざまな方法があります。

最近では、インターネットで手軽にできる副業も増えてきました。プログラミングやイラスト制作などのスキルがあるなら、クラウドソーシングやSNSなどで仕事を探してみるのもよいでしょう。

また、昇給の見込みを踏まえてもキャッシュフローがマイナスになるなら、思い切って転職を考えるのも選択肢の一つです。ただし、転職することで逆に年収が下がってしまう可能性もあるため、転職先は慎重に見極めてください。

無駄を省いて支出をスリム化する

収入が同じでも、支出を減らすことにより貯蓄を増やすことは可能です。しかし、無理をして節約生活を送っても長続きしません。大切なのは、無駄な支出を探し出してスリム化することです。

まずは日々のお金の使い方や生活費の中身を見直してみましょう。「気乗りしない飲み会」「あまり利用していないサブスク」「付き合いで入った保険」などは見直しの余地があります。飲み会に参加する頻度を決める、保険のプランを見直すなどの対策により支出を減らせるかもしれません。

また、格安SIMに乗り換える、昼食をお弁当にする、マイボトルを持ち歩いてドリンク代を節約するなど、手軽にできる工夫を取り入れてみてください。

マイホームの建て方を検討する

「マイホームを購入したいけれど住宅ローンの返済が難しい」という場合は、マイホームの建て方について検討してもよいでしょう。

最近、新しいマイホームの建て方として注目されているのが賃貸併用住宅です。

賃貸併用住宅とは、マイホームと賃貸住宅をミックスした新しいスタイルの住宅のことです。例えば、1階部分は賃貸住宅にして第三者に貸し出し、2階部分をマイホームにして家族で暮らすことができます。

通常なら給与収入から住宅ローンを返済しますが、賃貸併用住宅なら受け取った家賃収入を住宅ローンの返済に充てられます。金融機関に賃貸部分の収益性を評価してもらえる場合もあります。その場合は年収の10倍程度の住宅ローンを組める可能性もあり、マイホームの選択肢がぐっと広がります。

通常では手の届きにくい首都圏の人気エリアにマイホームを購入することも夢ではありません。人気エリアなら入居者が見つかりやすく空室リスクが低いというメリットもあります。

賃貸併用住宅では、将来的に家賃収入が返済額を上回り、収支がプラスになる可能性もあります。住宅費の負担が軽減された分を教育費や老後の生活費に充てることもできます。

まとめ

ライフプランの具体的な立て方や収支バランスを改善する方法について説明しました。

収支バランスの改善策には、さまざまな選択肢があります。どのような人生を送りたいかをよく考え、柔軟に選択肢を検討してみてください。

また、叶えたい夢や希望は長い人生の中で自然と変化していくものです。ライフプランは一度作って終わりにせず、ライフステージの変化にあわせて定期的に見直しましょう。

年に1回、お正月休みなどに定期的にライフプランを見直せば、ご自身の人生についてじっくり考えたり話し合ったりするいい機会になるかもしれません。