外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。

作成日時 :2023年7月13日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼12日(水)の為替相場
(1):日銀の緩和修正期待で円買い
(2):ロウRBA総裁「インフレ先行きに大きな不透明感」
(3):ベイリーBOE総裁「データには興味深い証拠がいくつかある」
(4):米6月消費者物価指数 前月から大きく低下

▼12日(水)の株・債券・商品市場

▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:138円台を維持できるかが焦点/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント

12日(水)の為替相場

外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

期間:12日(水)午前6時10分~13日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム

(1):日銀の緩和修正期待で円買い

日銀の緩和修正観測を背景に世界の長期金利と逆行する形で日本の10年債利回りが0.47%台に上昇。円買いが強まりドル/円やクロス円は下落した。ただ、豪ドル/円は中国人民銀行(PBOC)による通貨高誘導で人民元相場が上昇した影響から下げ渋った。なお、これより前に発表された日本6月企業物価指数は前年比+4.1%と市場予想(+4.4%)を下回り5月(+5.1%)から鈍化したが、日銀の緩和修正観測後退には繋がらなかった。

(2):RBA総裁「インフレ先行きに大きな不透明感」

豪中銀(RBA)のロウ総裁は「インフレは複雑な様相を呈しており、先行きに大きな不透明感がある」として「追加引き締め必要か現時点で不明だ」と述べた。総裁はまた、2024年から理事会をこれまでの年11回ではなく8回の開催とし、理事会後に総裁が記者会見を開くことを明らかにした。

(3):BOE総裁「データには興味深い証拠がいくつかある」

英中銀(BOE)のベイリー総裁は、この日公表した金融安定報告書に沿って「利上げによって金融システムにストレスが生じている」「利上げの完全な影響が表れるまでには時間がかかる」との認識を示した。また、英労働市場について「(データには)興味深い証拠がいくつかあると思う。たとえば求人の指標は労働市場が減速している兆しを示している」と指摘した。

(4):米6月消費者物価指数 前月から大きく低下

米6月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.2%と予想(+0.3%)を下回り、前年比でも+3.0%に鈍化して2021年3月以来の低い伸びとなった(予想+3.1%、前回+4.0%)。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIも前年比+4.8%と予想(+5.0%)を下回り前回の+5.3%から伸びが鈍化した。これを受けて、米利上げはあと1回で終了との見方が広がるとドル売りが加速。ドル/円は139円台を割り込んで続落した。なお、米リッチモンド連銀のバーキン総裁は6月CPIの発表直後に「インフレ率は高すぎる。我々の目標は2%だ」として「手を引くのが早すぎればインフレが再び高まり、そうなれば当局はさらなる行動が必要になる」と述べて利上げを続ける考えを強調した。ただ、ドル/円の下落は止まらなかった。