15~24歳のいわゆるZ世代におけるトレンドワード「界隈消費」をご存じだろうか。ビジネスパーソンのなかには、「聞いたことはあるけど意味がわからない」「そもそも聞いたこともない」といった人もいるかもしれない。近年は、若者の価値観や消費行動を理解することがマーケティング、ビジネスにおいて重要となる。Z世代に関心の高い界隈消費についても知っておきたい。

目次

  1. 界隈消費の意味とは?
  2. 界隈消費の事例
  3. そもそもZ世代とは?注目すべき理由とは?簡単に説明
  4. 界隈消費の意味やZ世代における今後の消費のあり方を押さえておこう
界隈消費とは? 意味や事例などZ世代のトレンドワードを簡単に解説
(画像=Theimg/stock.adobe.com)

界隈消費の意味とは?

「界隈消費」とは、近年Z世代の間でトレンドとなっている消費スタイル。具体的には、万人受けするものではなく特定の界隈で強烈に支持されるものに価値を見出し消費することを指す。ここでいう界隈とは「共通の関心事やカルチャー、好きな世界観を持つ者同士で構成されるゆるいコミュニティ」のことだ。

「界隈消費」という言葉は、株式会社SHIBUYA109エンタテイメントが運営するSHIBUYA109 lab.による「SHIBUYA109 lab.トレンド大賞2022」でランクインした。Z世代の女子の間でトレンドになったものとして押さえておきたいキーワードとされている。

ちなみに「SHIBUYA109 lab.トレンド大賞」とは、SHIBUYA109 lab.が毎年15~24歳のZ世代女子を対象に、その年に話題になったもの(トレンド)を調査・発表しているものだ。2022年にランクインしたもののトレンドは、これまでのコロナ禍でのクローズドな環境で楽しまれる消費から、「行動範囲は広がったものの、深く狭いコミュニティを重視する」傾向だ。

これにより「界隈」というワードがポイントになったと考えられる。

界隈消費の事例

界隈消費という言葉自体に明確な定義があるわけではない。一つひとつの「界隈」にもそれぞれに違ったトレンドがあるため「界隈消費=#### #### 」と適切に明示するのは難しい。なかには「○○の界隈で流行っている」「○○界隈で圧倒的な人気がある」など、ある界隈で熱量が高い価値を見いだすものもある。

例えば自分たちしか行けない(できない)特別感を得られる「住所非公開カフェ」や「会員制カフェ」は界隈消費の一つの例だ。実際に、ある界隈でトレンドになったものが他の界隈に伝播(でんぱ)し、大きなムーブメントを起こしている事例もある。前述「SHIBUYA109 lab.トレンド大賞2022」のファッション部門で1位になったアームカバーの例だ。

そもそもアームカバーは「Y2Kスタイル(Year 2000=2000年ごろのファッションスタイル)」としてストリート界隈で欠かせないアイテムとして取り入れられていたものである。また2022年夏ごろからは、Z世代のガーリーなファッションテイストにも取り入れやすいレース素材やメッシュ素材、カラフルな色使いのアイテムとして登場。

アームカバーを付けることで手元にボリューム感が出て華奢に見えることも魅力として、「ストリート界隈で圧倒的に支持されていたアイテム」に価値が見いだされた結果といえる。