竹本勝紀 銚子電気鉄道社長

M&A Online

(画像=竹本勝紀銚子電気鉄道社長、手にしているのは新製品のドッグフード(同社ホームページより)、「M&A Online」より引用)

1962年生まれ。千葉県木更津市出身で、まるでパルテノン神殿のような荘厳な校舎に一目惚(ぼ)れして慶応高に入学。高校での同期には、前述の玉塚氏や河野太郎デジタル相らがいる。慶大経済学部に進学。高校・大学時代は哲学や社会思想などに強い興味を持つ。アフガニスタンから来日したゲリラの取材やポーランドの自主管理労働組合「連帯」の学生メンバーによる講演会の司会など、国際情勢関連の活動にも関わったという。

大学卒業後に税理士となり、顧問税理士として経営危機にあった銚子電鉄をサポート。「ぬれ煎餅」のネット販売を手がけ、「ぬれ煎餅を買ってください。電車の修理代を稼がなくちゃ、いけないんです」のキャッチコピーで大ヒットに。

ぬれ煎餅の売り上げで一時は1億円の営業利益をあげたものの、2011年の東日本大震災で業績は悪化。ついには会社の預金残高が50万円にまで減ってしまった。経営危機を救うべく2012年に就任した竹本新社長に、強力な「助っ人」が登場する。

2013年に立ち上がった同社存続を支援する「銚子電鉄運行維持対策協議会」だ。議長が同高出身の伊藤浩一銚子商工会議所会頭(当時)、副議長も同じく同高出身の坂本雅信銚子漁業協同組合長(同)という慶応高人脈。同協議会の働きかけで10年前から凍結されていた銚子市からの補助金が復活。これを受けて、千葉県からの補助金も出ることになった。

出身地の「木更津三田会」も銚子電鉄を支援すべく貸切列車を仕立ててくれるなど、慶応人脈による手厚い支援を受けている。竹本社長は「慶應義塾で『慶應電鉄』のネーミングライツをやってくれないだろうか」と、期待しているという。

文:M&A Online