南アランド見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「少し明かりが灯りだした」南アランド見通し

「通貨10位、株価17位」
「予想レンジ 南アランド円7.7-8.2」

(ポイント)
*電力問題改善
*対米関係改善、アゴア法から除外されない見通し
*中国景気回復の兆し
*問題は財政赤字
*政策金利は8.25%で据え置き
*8月消費者物価の予想は4.9%
*円を抜いて年初来10位へ浮上
*OECDが成長見通し上方修正
*中国による電力支援進展
*南アの最大貿易相手国は輸出入ともに中国

(少し明かりが灯りだした)
南アに少し明かりが灯りだした。通貨安を争ってきた11位の円をやや引き離し10位を維持している。7円割れも危惧された6月に欧米インベストメントバンクの割安感が出ていた南ア国債の買い推奨から始まった。

(電力問題、対米関係改善)
 製造業生産,いや南ア経済に打撃となる電力問題も徐々に改善されている。既存原発の再稼働、海外の支援も受けて原子力や太陽光発電の開発にも乗り出してきた。
ロシアへの武器供与疑惑で、対米関係が悪化し貿易での免税特権も剥奪される恐れもあったが、なんとか解決しそうだ。南アはサハラ以南アフリカ諸国と米国との通商会議を11月2-4日にヨハネスブルクで開催する。アフリカ成長機会法(AGOA)の将来の取り扱いについて協議する。AGOAは条件を満たす国からの輸入に対し、無関税の特恵待遇を与えている。

(政策金利は据え置き、インフレターゲット内」
 中銀は、政策金利を8.25%に据え置いた。消費者物価が7月の4.7%から8月には4.8%に若干上昇したことを受けたものだ。物価は目標の3-6%内にとどまったが、インフレ見通しに対するリスクは上向きに評価されているとクガニャゴ総裁は述べた。金利据え置きの決定は全会一致ではなく、MPCのメンバー2名が利上げに賛成票を投じた。11月の会合で金利を引き上げる可能性はまだある。 総裁は、国内の食料価格のインフレは依然として高水準にあり、来年食料インフレが再び加速するリスクが高いと述べた。
他国と比べればインフレはコントロールしている。またOECDは南アの2023年の成長見通しを6月の0.3%から0.6%へ上方修正した。

(財政赤字は残る難題)
 難題は少しずつ改善しているが、残るのは財政赤字の問題だ。南アは現在ジャンク債格付けであり、財政の改善が急務だ。ただ来年選挙を控えており、1994年の政権発足以来初めて与党ANCが過半数を失う危機にあることを世論調査が示していることを考慮すると、支出の抑制はANCにとって難しい課題となるだろう。既にANCの支持団体は予算削減を拒否している。

(中国要因は)
南アの最大貿易相手国の中国の8月小売売上や鉱工業生産が改善したが今週は9月製造業PMIでチェックする。

テクニカル分析(ランド/円)

なんとなく明るくなった

 日足、雲の上維持。ボリバン上限へ。9月18日-22日の上昇ラインがサポート。8月29日-9月22日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線上向く。
週足、ボリバン中位で切り返す。雲中へ。9月11日週-18日週の上昇ラインがサポート。8月28日週-9月18日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線上向き。
 月足、8月は陰線。9月はここまで陽線。7月-8月の上昇ラインがサポート。7月-8月の下降ラインが上値抵抗。5か月線、20か月線は上向き。
年足、今年は円とデッドヒートを繰り返す、9月はまたもや陽転。20年-22年の上昇ラインがサポート。08年-22年の下降ラインが上値抵抗。

南アランド見通し
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喜望峰

南アの電力制限のグレード

一時は8まで負荷制限がありましたが、最近は悪化して6、現在は1-2レベル

南アランド見通し
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情報提供元:FX湘南投資グループ
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