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上場ゼネコン大手4社の決算内容…勝ち組、負け組はどこだ

鹿島建設 <1812> 、大林組 <1802> 、清水建設 <1803> 、大成建設 <1801> のゼネコン大手4社の2014年4月~9月期の連結決算が11月11日に出そろった。

清水建設は営業利益も予想を10億円上回り、前年同期の2.8倍の160億円となった。大林組は純利益を2.2倍の141億円と51億円引き上げ、連結決算の開示を始めた2000年以降で最高益を記録した。

一方で、鹿島建設は大型工事で施工計画や工程計画が想定通りに進まず、追加費用や人件費高騰の影響が生じたことで大幅な減益となった。大成建設は土木の利益が前年同期に膨らんだ反動で減り、マンション販売子会社の販売減少も響いた。

東京五輪特需を機に採算性が改善

一昔前までは建設不況と言われ続けて厳しい目を向けられていた建設業界だが、アベノミクスによる公共事業の回復、東京五輪特需などで景況感が高まっている。消費税増税前の駆け込み需要の反動もあり、マンション建設には一服感が出てきたものの、2013年9月8日に2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催が決まり、それまで滞っていた再開発や都市開発が一気に進み始めた。都心では虎ノ門ヒルズの完成や丸の内や日本橋の再開発が行われている。

そのため各社ともに、供給サイドであるゼネコンが好採算の案件を選べるようになってきている。好採算の改善が収益に寄与して、労務費や材料費の高騰をカバーすることができている。

2015年3月期の各企業の見通しは4社そろって増収増益となる見通しだ。

労務費・材料費が鍵となる

当面の見通しが明るいゼネコンだが、それでも相次ぐ建設ラッシュで、労務費や材料費が上昇し、豊島区や練馬区、中央区で公共施設の延期が決定されたケースも出てきている。そのため各建設会社も労務費などの上昇には注意を払っている。

11月12日の日本経済新聞によると、大林組の原田昇三副社長は「利益は強含みだが、労務費の動きが不透明」と語っており、また大成建設の桜井滋之取締役は「人手の奪い合いになる可能性がある」と述べているように、各社とも労務費などを気にしていることが伺える。

労務費、材料費が上昇する中では各社の「施工能力に見合った計画的な受注」残高となっているかどうかをチェックしておくことが大切だ。受注残高は各社の業績ハイライトで確認することができる。

受注高が急激に伸びているようなことがあれば、無理に工事を取りに行った可能性もある。大手ゼネコンに限らず、投資をする際には決算数値と共に将来の売上、利益に結び付く受注残高の推移にも注意したい。

(ZUU online)