ID為替レポート
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「日銀、FOMC、米雇用」

ドル円=146-151、ユーロ円=156-161、ユーロドル=1.03-1.08

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨11位(11位)、株価3位(4位)、マイナス金利解除の条件に物価は届いたが、賃金上昇が寂しい日本」
 ドル円は150円をつけて反落。週足では長い上ヒゲを残し、売り圧力を示した。日足も先週末ボリバン2σ上限から中位へ下落。150円の大きな売りオーダーをこなした後のポジション調整でもある。
さて日銀政策決定会合がある。植田総裁のマイナス金利解除の条件は「賃金の上昇を伴う形で2%の物価安定の目標を持続的・安定的に実現することを目指していく」である。物価は9月の物価の基調を示す3指標のうち「加重中央値」が前年同月比2.0%上昇、さかのぼって比較できる2001年1月以降で最高となった。加重中央値が2%台となるのは初めて、物価上昇ではマイナス金利解除の条件は整ったし、展望リポートでインフレ見通しを上方修正することに違和感はない。問題は賃金の上昇で、8月実質賃金2.5%減、17カ月連続マイナスだ。日銀は名目賃金+3%、実質賃金+1%程度を望ましい姿としているので、賃金からは違和感がある。YCCについては、より10年国債の相場を市場に近づけるため上方修正というより撤廃した方がいいだろう。日本の預金が低利回りで活用されないのはここにもある。

 金融緩和の修正方向への変化は一時的に円高を生むが、それが中長期的トレンドになるには需給面=貿易赤字の縮小がないといけない。中東紛争もあり、原油価格の乱高下で見通しは難しい。ただ世界的にこれ以上の利上げは成長に障害という流れになっているので、海外の金利据え置きや利下げも一時的な円高要因となる。
 10月は介入が実施されたという噂も流れたが、10月31日の統計公表で明らかになる。また生保の下期運用計画の海外投資は上期より投資額が増えそうだが、貿易取引と比較すれば少額なので、それほど重視する必要はない。

*米ドル「通貨4位(4位)、株価(NYダウ)13位(11位)、4Qの米国経済は減速か。これが市場金利低下に繋がるか」
 4Qの米国経済は減速か。これが市場金利低下に繋がるか。

ドルは先週は12通貨中5位、月間ではここまで3位、年間では4位と強すぎず上位で安定推移している。海外情勢の混沌もあり避難通貨として、リスク回避のリパトリでもドルは買われている。先週の株価は弱かった。ダウ、ナスダック、S&P、それぞれ2%を超える下落だった。4QアトランタGDPナウは2.3%増、3Q実績の4.9%増から半減する。

 FOMCの予想は政策金利据え置き予想となっている。パウエル議長は、「インフレの鈍化や労働市場のひっ迫が緩む傾向が続いている」と指摘した上で、追加の利上げなどは今後の経済指標を見極めて慎重に判断していく考えを示した。4QはGDPの鈍化、自動車業界のストでの雇用の減少も予想されるからだろう。CNNの恐怖と欲望指数は24で「かなりの恐怖」である。長期金利の上昇がFRBの利上げを軽減する可能性があるとした。
 また今週は10月米雇用統計の発表がある。自動車産業のストの影響が出るかどうか。内外情勢が混とんとする中で、米中首脳会談が開催されるかどうかも注目点。西側とロシア・パレスチナなどの対立が続く中で中国が動けば少しは歯止めがかかるかもしれない。

*ユーロ「通貨5位(5位)、株価8位(8位)DAX)、遅ればせながらECBは据え置き。今週のGDP、CPIも弱い予想」
 通貨は上位にいるが、その中では弱い。年間5位。10月2日週は12週ぶりに週足は陽線となったがその後は上昇せず。現在ボリバン中位。ただECBは長く続く景気低迷を受けて漸く政策金利を据え置いた。
今週、発表される3Q・GDP予想、10月消費者物価予想が弱いこともある。3Q・GDPでは独が0.7%減予想、前期は0.2%減で3期連続で前年比マイナス成長となる。ユーロ圏では0.2%増予想で、前期の0.5%増から縮小する。独10月消費者物価は前年比で4.0%で前月の4.5%から、ユーロ圏では3.1%予想で前月の4.3%から低下する。

 ECBの専門家予測調査によると、ユーロ圏のインフレ率は2025年に目標の2%にほぼ回帰するものの、来年の経済成長率は1%未満に低迷する見通し。24年の消費者物価上昇率予測は2.7%で、3カ月前から変わらず。ECB自体は3.2%と見込んでいる。一方、25年の予測は2.2%から2.1%に引き下げられた。24年の経済成長率見通しは1.1%から0.9%に引き下げられ、25年は1.5%に据え置かれた。

 その他経済指標も弱い。10月のユーロ圏の総合PMIは予想外に低下し、リセッションに陥る恐れがあることが示された。総合PMIは46.5と9月の47.2から低下し、2020年11月以来の低水準となった。域内全体の広範な景気低迷で需要が減少した。ユーロ圏の状況は悪化の一途をたどっている。2四半期連続でマイナス成長となり、穏やかな景気後退に陥る可能性がある。

*ポンド「通貨3位(3位)、株価12位(13位)、弱いがユーロ圏より経済指標は少し良い。政策金利は据え置きか」
 ポンドも弱いが他の通貨も対ドルで弱く、年間では3位を維持している。今週は政策金利決定がある。ECBは据え置いた。FOMCも据え置き予想が強い中での決定。英中銀も据え置きが予想されている。
9月のインフレ率は6.7%と横ばいだった。現在は過去の利上げ効果の浸透が続いている。英中銀は2カ月連続で政策金利の据え置きを決めるだろうがインフレ率は依然として高く今後数カ月でさらなる進展を見込んでおり、来年夏からある程度の段階的な利下げが可能になるようだ。

 10月総合PMIは48.6で前月の48.5から小幅改善した。悪化したユーロ圏よりは少し良い。来週、11月10日に3Q・GDPの発表がある。前期比で0.1%減、前年比で0.6%減の弱い予想だが、これも欧州よりは少し良いと言ったところだ。向こう数四半期は、明確で有意なリセッションには陥らないものの、極めて低い成長になる見込みだ。

*豪ドル「通貨8位(9位)、株価15位(16位)、消費者物価上昇もRBA総裁は利上げ正当化を検討中と発言」
 豪ドルの低迷は続く。中国経済の減速が大きい。2021年では豪の対中輸出は全体の39%、輸入は27%。日本の対中貿易は輸出が17%、輸入が24%であり、豪は対中貿易依存が高い国だ。それゆえに中国の豪産ワインへの関税の見直しで合意は朗報で、アルバニーズ首相は早速訪中(11月4日-7日)する。ワイン関税はワインに最大218%の反ダンピング関税と相殺関税を課した。この措置は、豪が新型コロナウイルス感染症の起源に関する調査を求めたことを受けて、中国が課した一連の貿易制限措置の一環だった。

 さて来週は政策金利決定がある。3Q、及び9月の消費者物価上昇を受けて、7月の0.25%利上げ予想が高まっている。ただ雇用がやや悪化、10月製造業PMIなども悪化している中で決め打ちは出来ない。

ブロックRBA総裁は、強い内容となった3Q消費者物価について、政策当局者の予想の範囲内だとし、利上げを正当化するかどうかなお検討中だと述べた。「まだ数字を分析中だ。金融政策に関するわれわれの見解を変えるに十分かどうか見極める必要がある」とした。財のインフレ率は低下しているが、サービスのインフレ率は政策当局者が心地良いと見なす水準を上回ったと述べた。
ブロック総裁は「最新のニュースを受けてわれわれの予測を検討する際には、金融政策がどうあるべきか考える上で、目標レンジ外にどの程度の期間とどまることができるか改めて判断することになる」と述べた。

*NZドル「通貨9位(9位)、株価19位(19位)、下落、利上げ確率減少」
 NZドルは円よりは強いが全体では9位と低迷している。豪ほどではないが貿易で依存度の高い中国景気の減速がある。2021年では輸出の24.2%、輸入の19.8%が中国だ。さて 11月29日の政策金利決定ではの利上げ確率が指標発表前の33%から20%に低下した。3Q消費者物価は2年ぶりの水準に低下したからだ。前年比伸び率は5.6%と、2Qの6.0%から鈍化した。予想の5.9%も下回った。
 また今週発表の3Q失業率も前期の3.6%から3.9%へ悪化する予想で、複合してNZドルは安い。

10月の消費者信頼感指数は88.1で、前月の86.4から上昇した。 ただ、楽観と悲観の分岐点となる100を引き続き下回っている。
高額品購入には不適切な時期だとの回答は差し引き38%で前月から6ポイント悪化した。数字は極めて低水準にとどまっており、1人当たりの小売り支出の低迷と一致している。住宅ローンを支払っている人々は支払っていない人に比べて支出に慎重だ。

さらに、深刻な課題に直面する農家農業セクターは、乳製品、肉、林業の価格の低下、運営費の高騰、債務返済コストの増加により、厳しい経済状況に直面している。銀行の農業向け融資ポートフォリオのデフォルト率は現在低いが、今後増加すると予想されており、高コストと低価格の期間が長引けば、そのデフォルト率は加速する可能性がある。

テクニカル分析

*ドル円「5日線下向く、10月26日は長い上ヒゲで27日は下落」
日足、10月26日は長い上ヒゲで27日は下落。10月24日-27日の上昇ラインがサポート。10月26日-27日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向く。20日線上向き。
週足、10月2日週は5週ぶり陰線も長い下ヒゲで、その後は2週連続陽線。先週は逆に長い上ヒゲ。10月16日週-23日週の上昇ラインがサポート。22年10月17日週-23年10月23日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線上向き。
月足、一時、介入騒ぎで147前半まで突っ込むも戻して10月はここまでほぼ寄り引き同時。8月-9月の上昇ラインがサポート。22年10月-23年10月の下降ラインが上値抵抗。5か月線、20か月線は上向き。
年足、2023年はここまで大陽線。2022年の長い上ヒゲを駆け上る。21年-22年、12年-21年の上昇ラインがサポート。

*ユーロドル「10月2日週は12週ぶり週足陽線も、その後は低迷」
日足、ボリバン2σ上限越から下落。ボリバン中位。10月26日-27日の上昇ラインがサポート。10月24日-27日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線下向き。
週足、10月2日週は12週ぶり週足陽線も、その後は低迷。雲中。5週線、20週線下向き。10月2日週-23日週の上昇ラインがサポート。8月28日週-10月23日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、8月から2か月連続陰線も今月はここまで寄り引き同時。ボリバン中位割る。23年6月-7月の上昇ラインを下抜く。22年10月-23年9月の上昇ラインがサポートも下抜く。8月-9月の下降ラインが上値抵抗。5か月線、20か月線下向き。
年足、陰転。2022年は2年連続陰線もボリバン2σ下限到達し今年は反発していたが陰転。22年の下ヒゲが長く反発力あり上昇したが元に戻る。02年-22年の上昇ラインがサポート。21年‐22年の下降ラインを上抜くも元に戻る。

*ユーロ円「10月23日週は上ヒゲが長い」
日足、ボリバン2σ上限上抜きから中位へ下落。かろうじて雲の上。10月17日-27日の上昇ラインがサポート。10月24日-27日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向く、20日線上向き。
週足、ボリバン上位で高原上に推移。10月9日週-16日週の上昇ラインがサポート。23日週は上ヒゲが長い。5週線上向き、20週線上向き。
月足、スピード緩めるも年初来高値圏にあり。7月-10月の上昇ラインがサポート。2008年8月-2023年10月の下降ラインが上値抵抗。5か月、20か月線は上向き
年足、3年連続陽線。今年はさらに大陽線。20年-22年の上昇ラインがサポート。08年-22年の下降ラインを上抜く。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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