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(画像=木村情報技術株式会社)
木村 隆夫(きむら たかお)
木村情報技術株式会社  代表取締役
星薬科大学を卒業後、山之内製薬株式会社(現・アステラス製薬株式会社)にて勤務。 大学病院の専属担当者として、約15年間の経験を持ち、講演会やセミナーなどを200回以上企画、コーディネート。 さらに、新規研究会の立ち上げ、大学と関連病院連携のコーディネートや新薬臨床開発研究にも携わる。 2005年3月、会社の合併時に自ら早期退職を希望し、縁のある佐賀の地に移り起業。同年7月29日に「木村情報技術株式会社」を設立し、代表取締役に就任。
木村情報技術株式会社
木村情報技術株式会社は、2005年に佐賀の地で創業したIT企業です。“always new idea.”をモットーに、常に世の中に喜ばれるITソリューションを提供し、現在は佐賀本社のほか札幌、東京、大阪、名古屋、福岡に5つの支店と11の自社スタジオを構えています。
主力事業のWeb講演会運営・配信サービスや人工知能(AI)サービスの研究・開発のほか、eスポーツやメタバース、ChatGPTを活用した新しい技術に着目・事業化し、サービス展開しています。

これまでの事業変遷と組織拡大への沿革

私は製薬企業でのMR(医療情報担当者)としてのキャリアを経て、早期退職後、新たな挑戦へと舵を取りました。その挑戦とは、当時まだ一般にはあまり知られていなかった「IT」という分野への進出でした。私の医療分野での経験とITを掛け合わせることで、画期的なビジネスモデルを生み出せると考え、当時、私の右腕であった橋爪氏と起業しました。

私は薬剤師としての専門知識を活かし、製薬企業でのリアルな講演会の企画運営の経験から、ITを活用したオンラインセミナーの企画運営を実現しました。当初はこのようなオンライン形式でのセミナーが珍しかったことから製薬企業から大きな注目を集めました。

ライブ配信サービスのオンラインセミナーとe-ラーニングシステムの開発は、当社の主軸事業として確立しました。特に製薬業界におけるライブ配信サービスは、市場をリードする存在となり、当社事業の中核を形成しています。

最近の事業拡張では、eスポーツやメタバースといった新たな分野への取り組みが加わったことにより、従来の事業と融合することで、企業の発展に新たな次元をもたらしています。

そして、ChatGPTのような最新のAI技術を事業に取り入れることで、企業の潜在能力をさらに引き出し、ビジネスモデルを進化させています。

私たちの企業は、製薬業界を始めとし、ITの分野で革新を遂げるという劇的な転身を遂げたことで常に変化する市場のニーズに応え、新しい技術とアイデアで新たな道を切り開き、未来を形成しようと考えています。

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これまでぶつかってきた組織課題について

当社は2016年に人工知能のビジネスに加え、ライブ配信サービスの事業拡大により劇的な成長を遂げ、今では400人を超える社員を擁するまでに拡大しました。この急速な拡大は、組織として多くの挑戦をもたらしました。中途採用が多いことから、企業理念の共有や組織の調和を取ることが一つの課題となりました。

この問題に対処するため、私たちは人事制度の見直しを実施しました。その中心にあったのは、社員の考え方を共有し、評価体制を統一することでした。また、従業員とマネージャー間のコミュニケーションを強化するために、研修や教育プログラムの充実を図りました。

私たちは、データを活用して評価を行うと同時に、データでは捉えきれない従業員の考え方や認識の一致を目指しています。このバランスを取ることが、今後の事業拡大においての重要な焦点です。

そして、日本における従業員のエンゲージメントの低さや、成長に必要な教育の重要性を踏まえ、私たちは社内エンゲージメントの調査を行い、問題点を明らかにしました。

その結果として、若手社員が成長できる環境や部門ごとの業務内容に合わせた評価方法などの改善案があがってきました。評価制度の適正化を実施し、従業員一人ひとりが成長できる職場環境を作ることが大切と考え、社としてその具現化に取り組むことにしました。

今の時代に必要な従業員との向き合い方

当社では、現代の変化するビジネス環境の中で、従業員との関わり方を重視しています。部署ごとや全社的にエンゲージメント調査を行い、従業員の声に耳を傾けることを大切にしています。具体的には、全社員が参加する年末会議を開催し、部署ごとの課題や個人的な問題点を共有し、部門長や社長自らが、従業員から挙げられた課題に対して具体的な解決策を見い出し改善しています。

このような取り組みは、8年前から継続しており、従業員からの意見は時間とともに前向きな提案へと変化していきました。当初は従業員からの批判や愚痴が多かったものの、従業員自身が前向きな改善提案の重要性に気づき、問題点の内容が変わっていきました。

この継続した取り組みにより、従業員はただ不満を言うのではなく、具体的な改善策を提案するようになり、会社への愛着が高まっています。ただし、エンゲージメントの数値にはまだ改善しなければいけないことを認識しており、従業員が最も関心を寄せている福利厚生や報酬評価の改善が必要であると感じており、改善に向けてより努力していくことが重要だと考えています。

従業員の価値(人的資本)向上に向けて取り組んでいることやこれから取り組もうと思っていること

私たちの会社では、従業員の価値、すなわち人的資本の向上に重点を置いています。現代の労働環境においては、働きがいやエンゲージメントの向上、多様性の受容が重要な要素です。この流れを受け、私たちは外国人やLGBTQの方々を含め、多様な背景を持つ人材を積極的に受け入れています。これにより、障害者や外国人の雇用機会も拡大しています。

その一つである当社独自の新しい取り組みとして、メタバース空間での勤務形態を取り入れています。現在、当社ではメタバース事業を推進しており、遠隔勤務の新しい働き方として、メタバース勤務を実現しています。

さらに、新型コロナウイルスの影響によりリモートワークが増加し、オンラインミーティングが一般化しました。この変化は、メタバースにおける働き方への興味と可能性をさらに高めています。今後も時代の変化に合わせた新しい働き方に取り組んでまいります。

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今後の展望と従業員への期待について

私たちは、従業員一人一人が自立して考え、行動し、自己実現できる環境を目指しています。これを実現するためには、タスク管理やコミュニケーション能力の向上が欠かせません。そのため、必要なリソースは会社が提供し、従業員の成長と自立をサポートする方針です。

ビジネス面では、コロナ禍でウェブ講演会やライブ配信サービスが急成長しましたが、Zoomなどの新たな競合の出現により、売上に影響が出ています。これは単に業績の問題ではなく、市場変化の反映だと捉えています。また、最近のChatGPTの登場により、AIビジネスにおける新たな挑戦が必要になります。そのため、生き残り策を練る必要があります。

AIの進化に伴い、従来の業務が自動化される中、私たちは新しいサービスを日々模索していかなければなりません。既存のビジネスモデルではなく、持続可能なビジネスモデルに変革していく必要があります。特にその中でも、メタバースやeスポーツ分野への挑戦を推進して、既存事業の枠を超え、メタバースとeスポーツの融合による新たなビジネスモデルの創出を行うと共に、教育ビジネスに重点的に取り組み、Z世代、α世代のこれからの日本を作っていく若者の人材育成ビジネスを推進していきます。

他にも、IT以外の事業も模索し、いままで培ってきたスキルやノウハウをその新しい事業に融合して新しいビジネスモデルを構築していく構想を進めています。人材の成長を促し、やりがいのある業務内容と働きやすい仕事環境作り、ITにとらわれない新事業構築をこれからも進めてまいります。新しい分野への挑戦は、困難なこともあると思いますが、これらの挑戦を通じて木村情報技術株式会社の組織全体が成長していくことを実現してまいります。

氏名
木村 隆夫(きむら たかお)
会社名
木村情報技術株式会社
役職
代表取締役