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(画像=株式会社ソラスト)
依田 武志(よだ たけし)
株式会社ソラスト  執行役員 人事総務本部長
1999年にソラスト入社。教育事業部を経て、2006年より人事部門へ異動。主に人事企画領域を担当し、ダイバーシティ推進の為のルールの企画・導入を担当。2018年より HRビジネスパートナーとして事業課題の解決に従事した後、 2023年より現職。また、2019年からはグループの特例子会社の代表に就任し、障がい特性に応じた雇用機会の拡大や定着を担当。
株式会社ソラスト
当社は、30,000 人以上の従業員を擁し、全国の医療機関から医療事務を受託する「医療関連受託事業」(取引先医療機関数:約 1,500)や在宅系サービスや施設系サービスをトータルに提供する「介護事業」(事業所数:727ヶ所)、認可保育所などを運営する「こども事業」 (保育所数:68ヶ所)、「スマートホスピタル事業」、「教育事業」を展開しています。

企業理念: 私たちは、人とテクノロジーの融合により、「安心して暮らせる地域社会」 を支え続けます。

ダイバーシティ経営に対する取り組み

弊社は、「人」を中心に据えたビジネスモデルを展開しており、医療、介護、保育業界において多様性を重視しています。従来の採用枠を超え、幅広い年齢層と多様な背景を持つ人材を積極的に採用し、特に女性社員の活躍を促進しています。この取り組みは、組織文化の核心部分として長年にわたり根付いています。

介護の分野では、高齢の社員がお客様とのコミュニケーションや安心感の提供に重要な役割を果たしています。経験豊富な高齢者の活躍は、サービスの質を向上させ、顧客満足度の高い結果をもたらしています。

創業時からダイバーシティ経営の推進は弊社の戦略的な選択であり、多様な働き方を尊重する組織文化を築いてきました。現在では、女性や高齢者だけでなく、一定数の外国籍社員も働いており、多様なバックグラウンドを持つ社員が協力してダイバーシティの推進に取り組んでいます。

また、社員の定年再雇用制度については、年齢制限や条件を設けず、60歳以上の方でも働ける環境を提供しており、女性社員が多いことから、子育てや両立支援のための時短勤務制度やウェルネス休暇制度を設けています。これらの制度を活用してもらうことで社員は自身のライフスタイルに合わせて、柔軟に働くことが可能となっています。

さらに、弊社では社員一人一人のライフスタイルの変化に合わせた働き方を提案することで、社員が持続的に働けるような勤務体系を構築しています。会社として、社員が長期的にキャリアを築くことを支援し、働きやすい環境作りに貢献しています。

弊社のダイバーシティ経営は、社員の多様性を重視し、それぞれの個性や能力を最大限発揮することで、より効果的なビジネスモデルを実現しています。この取り組みは、社員の満足度向上だけでなく、顧客満足度の向上にも直結しており、継続的なビジネス成長の基盤となっています。

兼松株式会社
(画像=株式会社ソラスト_ダイバーシティの推進)

ダイバーシティ経営の取り組みで苦労した点と、乗り越えるための施策

ダイバーシティ経営における取り組みは、多くの挑戦を伴いました。特に、特定の配慮が必要な人に対するセーフティーネットや特別支援の際、支援を受けていない他の社員からの反感を招くことがあり、制度導入の初期段階においては職場全体の理解を得ることに苦労しました。

この課題に対し、弊社では自身のライフスタイルやキャリアに対して積極的に制度を活用する社員の存在が非常に重要でした。なぜなら、彼らの勇気ある行動が職場における理解と受容の文化を育むことに役立っているからです。

弊社はこれからも、社員一人一人が抱える様々な事情を克服し、乗り越えて働き続けられるような環境作りを目指しています。これは今に至った考え方ではなく、従来からの信念であり、企業文化の柔軟な発想によって実現されています。社員の要望に応え、それを会社が支援することで、職場の理解と受容を促進しています。

弊社として、単に制度や施策の導入を実施することだけがダイバーシティ経営では無く、社員一人一人の自主性と企業文化の柔軟性がダイバーシティ経営を実現させていくにあたり、重要だと考えています。

取り組みを行う前後の変化や取り組み後の反響

以前、弊社では社員が育児休暇の取得やその後の職場復帰について悩みを抱えていました。特に、復帰後の仕事環境に不安を感じ、他の職場に転職するケースも少なくありませんでした。

この問題を対処するため、育児休暇制度の見直しと職場環境の改善をおこなったところ、社員にとって育児休暇の取得が当然の権利として認識されるようになりました。さらに育児休暇制度の見直しや職場環境の改善だけでなく、社員が自身のライフスタイルやキャリアを考えながら休暇に関する希望や意見を自由に表明できる環境を作りました。

この取り組みの結果、社員の育児休暇取得に対する心理的障壁が大きく低減したことで現在では、育児休暇の取得と職場復帰がスムーズに行われるようになり、社員がキャリアと家庭生活の両立ができるようになりました。これらの取り組みが社内のカルチャーとして浸透し、組織のダイバーシティ推進に大きく貢献することで社内のダイバーシティと包容力の強化に向けた重要な一歩となっています。

従業員の価値(人的資本)向上に向けて取り組んでいることやこれから取り組もうと思っていること

昨年から弊社は、社員のキャリア開発に特に注力しており、特に女性管理職候補の方を対象に、彼女たちのさらなるキャリアの発展をサポートするワークショップを展開しています。このワークショップの目的は、彼女たちが自己のキャリアを深く理解し、将来の目標設定とそれを実現するためのスキルを磨くことです。

また、このワークショップは、一年間にわたって継続的に行われ、参加者には自身のキャリアパスを深く探求し、実践的な管理スキルを学ぶ機会提供などを行っております。具体的な内容としてはグループセッション、個別のメンタリング、実務経験の共有など、多角的なアプローチを取り入れています。

これらの取り組みの結果、女性管理職への昇格者数が着実に増加しており、ワークショップを通じて、参加者は自らの潜在能力を発見し、自信を持ってリーダーシップの役割を担う準備を行っています。また、この成功事例が他の社員にとっても刺激となり、キャリア開発への関心を高めています。

弊社は、今後も社員のキャリア支援に力を入れ、それぞれが自分の可能性を最大限に発揮できるようサポートすることに注力します。特に、女性社員のキャリア発展を促進することで、組織全体のダイバーシティとイノベーションの強化を目指します。

そして、このキャリア開発ワークショップは、社員が自己実現を果たし、組織全体の成長に寄与するための重要なステップだと考えていますので、弊社は、すべての社員が自らのキャリアを形成し、それぞれの夢を実現できる環境を提供することに尽力していきます。

兼松株式会社

(画像=株式会社ソラスト_5つのダイバーシティ)

今後の展望と従業員への期待について

私たちの会社は、2030年に向けて新たな成長戦略を描いています。この目標に到達するために、新規事業領域の拡大に力を入れています。この変革は、社員が新しいアイデアや挑戦に積極的に取り組む柔軟な組織構造の構築から始まります。

私たちの目指す組織は、プロジェクトベースでの事業推進を重視しています。このアプローチは、社員により主体的な参加を促し、既存の枠を超えた取り組みを奨励します。社員一人一人が自らの手で新しい可能性を切り開き、会社の未来を形作る重要な役割を果たすことを期待しています。

また、弊社は、ダイバーシティ経営を持続可能な成長戦略の中心に置いており、一時的なトレンドではなく、企業文化の根幹をなすものだという考えの基で推進してきました。社員の多様性を尊重し、一人一人が自己実現を図りながら、その能力を最大限に発揮できる環境を提供することが私たちの目標です。

そして、弊社は社員の自己実現の達成は、企業全体の発展に直接的に結びつくと信じていますので私たちは、社員が自らの夢や目標に向かって進む過程で、会社としても成長し続けることができると考えています。この相乗効果は、2030年に向けた私たちの大きな展望の一部です。

最後に、弊社は今後とも様々な変革に適応し、新しい時代の要請に応えることができる柔軟で活動的な組織を作り上げていく事を目指しており、多様な価値観と能力を持った社員と組織が、共に成長していくことで、2030年の目標を実現することができると確信しています。

氏名
依田 武志(よだ たけし)
会社名
株式会社ソラスト
役職
執行役員 人事総務本部長