この記事は2024年3月15日にSBI証券で公開された「 【3月末権利確定】株主優待+好配当で人気の「日株戦略特選」銘柄」を一部編集し、転載したものです。
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【3月末権利確定】株主優待+好配当で人気の「日株戦略特選」銘柄
日経平均は3/4-6にかけ、史上初となる4万円台突破後、調整局面に入っています。利益確定による売りが増えたほか、AI特需を背景とした米半導体株の上昇一服や、円高ドル安の進行などが相場の重しです。現在は、翌週に控える日銀の金融政策決定会合やFOMC(米連邦公開市場委員会)の動向を見定めようとする動きが続いています。
足元の東京株式市場で上昇をけん引してきた半導体関連などのグロース株が軟調となる中、バリュー株は相対的に堅調です。2月末から3/13(水)までで、TOPIXグロース指数は▲1.4%であったのに対し、TOPIXバリュー指数は▲0.7%でした。投資先対象としての半導体関連以外に分散投資を図るためという面がありそうです。また、企業の資本政策改善期待も背景にあるとみられます。株主優待や配当の実施は、有用な改善策として挙げられます。
ちなみに、3月を期末にする企業は、3月末付(一部15日や20日)で配当や株主優待の贈呈対象となる株主を確定することになります。SBI証券の株主優待検索を基準とした時、株主優待実施を予定している銘柄は792銘柄(3/14)とダントツでトップです。
なお、権利付最終日に優待実施銘柄を買い、権利落ち日に売ることで、効率良く株主優待の権利獲得を考える投資家の方もいらっしゃいます。ここで注意すべき点は、買い付ける時の株価が予想外に高くなったり、売る時の株価が予想外に安くなったりなど、相当額の売却損がでてしまうケースです。配当取りも同様で、権利落ち日には配当実施分だけ株価が下がることが多くなっています。ノーコスト・ノーリスクで株主優待や配当を享受することは難しいでしょう。
それでも、コストやリスクを軽減して、株主優待の権利を確保する方法はあります。ひとつは、複数銘柄に投資をし、リスク分散を図る方法です。
さて今回、「3月末株主優待銘柄」として、ご紹介したい銘柄は、以下の条件により抽出された銘柄です。
(1)東証上場銘柄
(2)3月に株主優待の権利確定を予定する銘柄で、閲覧回数ランキング上位100銘柄(時点)以内
(3)3/13(水)までの20営業日で、1営業日当たりの平均出来高が2万株以上
(4)予想配当利回りがプライム市場の有配会社平均利回り2.06%(24/2)を上回る
(5)株主優待の権利確保に必要な最短保有期間の条件がない
(6)今期会社予想純利益が黒字転換または、増益
(7)3/27(水)を権利付最終日として、株主優待、および3月末に配当の権利を確定
(8)信用取引上の規制銘柄、注意喚起、日々公表銘柄に該当しない(3/13時点)
(9)証券商品先物取引業は除く
図表の銘柄は、(1)~(9)の条件をすべて満たしています。
また、これらはSBI証券の「株主優待検索ページ」にて、閲覧回数の多い順番(3/13時点)で並べられています。
株主優待の一部をご紹介
ひろぎんホールディングス(7337)
広島銀行を中核とし、会社20社及び関連会社2社で構成されるグループ会社です。足元では業績の伸長や、株主還元の強化が好感され、株価は堅調に推移しています。配当性向の目安は40%程度で、4期連続で増配実施予定です。
3月末を基準として、以下の株主優待を株数に応じて実施予定。カタログギフトか定期預金から選択するコースまたはギフトカード贈呈に加え、広島3大プロ観戦・鑑賞チケットの抽選権付与とひろしま美術館招待券がもらえます。
広島3大プロ観戦・鑑賞チケットは、「広島東洋カープ」、「サンフレッチェ広島」、「広島交響楽団」の中から応募先を選択可能です。
ひろしま美術館は、広島銀行が創業100周年を迎えた記念事業として設立されました。市の中心部に位置しています。印象派を中心としたフランス近代美術や、日本洋画などを中心に約1,000点が所蔵されています。
TOKAIホールディングス(3167)
当社はグループで、LPガス販売や情報通信サービスなど数多くの事業を手掛けています。売上高構成比(23.3期)は、エネルギー45%、建築設備不動産12%、CATV15%、情報通信23%、アクア3%他となっています。エネルギー事業では、LPガス小売事業が国内大手です。また、電力小売事業では東京電力HDと業務提携しています。
3月末を基準として、100株保有の株主に対し、以下の株主優待が実施される予定です(いずれか1つ)。
(1)天然水(500ml入)12本
(2)天然水宅配サービス(12l入)1本
(3)クオカード500円相当
(4)自社グループ食事券1,000円相当
(5)自社グループ会員サービスポイント1,000ポイント付与
(6)自社モバイルデータ通信サービス利用料割引(350円割引×6ヵ月分)
これらは、300株以上の保有、または5,000株以上の保有でさらに高額の贈呈になる予定です。 なお、100株以上を保有する投資家に対しては上記に追加で、自社グループ結婚式場婚礼10%割引券と、自社グループ食事20%割引券12枚も贈呈される計画です。
エディオン(2730)~西日本を中心とする家電量販。株主還元は魅力的もPBRは1倍割れ
家電量販店大手。関東地方から九州・沖縄は「エディオン」、北海道・東北等は「100満ボルト」のブランドで、全国に計1,211店舗(23.12末)を展開しています。
24.3期3Q累計の売上高は5,376億円(前年同期比0.2%減)、営業利益122億円(同13%減)。暖冬で利益率の高いエアコンやストーブが不調でした。24.3期通期営業利益は前期比1.6%増が会社計画ですが、達成は要努力かもしれません。ただ、2/2(金)の3Q決算発表後株価は下げており、業績悪は一度織り込まれた形です。
配当政策は、配当性向30%がメドで、今期の1株配当は上期22円、下期22円(予定)、通期44円の見込みとなっております。3/27(水)時点で100株以上保有の株主に対し、自社店舗、またはECサイトで使えるギフトカード(下図参照)が贈呈されます。
オリックス(8591)~リース事業から隣接分野へ拡大。株主優待は「ラストチャンス」
1964年にリース事業をスタートし、隣接分野に進出しながら事業を拡大してきました。現在は、法人営業・メンテナンスリース、銀行・クレッジット(カードローン含む)、不動産、米国事業等の利益が相対的に大きめとなっています。3/6(水)に個人向けローン・信用保証等に展開する「オリックス・クレジット」をNTTドコモに売却(全体の66%)すると発表しています。
24.3期3Q累計の純利益は前年同期比3%増でした。訪日客の増加が不動産事業や、空港運営事業、航空機リーズ事業の追い風になりました。24.3期通期の純利益は20%増の見込みです。予想1株配当は94円(上期実績42.8円、下期予想51.2円)が会社計画です。
オリックスの株主優待については、24.3末の株主に対してが最後となり、制度そのものが廃止になります。したがって、今回が同社の株主優待を贈呈される「ラストチャンス」となります。
株主優待は以下の2本立てになっています。
(1)ふるさと優待・・・3/27(水)時点で100株以上を保有する株主が対象
オリックスグループの全国各地の取引先が取り扱う商品を厳選し、オリジナルカタログギフトに仕立て、対象株主に、好きな商品1点を選んでもらう優待制度です。100株以上を3年以上継続保有している株主には、ワンランク上のカタログギフトが贈呈されます。ただし、「ワンランク上」は、24.3時点で3年以上保有している株主が対象です。
(2)株主カード・・・3/27(水)時点で1株以上を保有する株主が対象
株主カードの提示により、オリックスグループが提供する各種サービスを割引価格で利用できます。レジャーやビジネスなど、さまざまなシーンで有効期限内に何度でも利用できます。
▽当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。東証プライム市場を中心に好業績が期待される銘柄・株主優待特集など、気になる話題についてわかりやすくお伝えします。