為替相場は介入と貿易収支の赤字縮小の動向に左右される展開【外為マーケットビュー】
動画配信期間:2024/5/1~2024/5/15
外為市場に長年携わってきたコメンテータが、その日の相場見通しや今後のマーケット展望を解説します。
目次
00:00 相場振り返り
01:10 為替介入の背景・効果・注目点
07:17 足元の注目材料 FOMCが焦点
09:31 日本・円の動向 介入どうなる
13:55 米国・ドルの動向 FOMCに注目
14:47 欧州・ユーロの動向
15:22 英国・ポンドの動向
16:49 豪州・NZの動向
17:44 【CFD】日本株・米株の動向
18:55 【CFD】金(ゴールド)・原油の動向
20:01 南アフリカ・ランドの動向
22:07 メキシコ・ペソの動向
24:34 まとめ
24:54 【PR】口座開設特別キャンペーン
要約
最近の為替相場と日本の介入
最近、為替相場が活気を呈してきたが、これは日本の介入によるもの。介入がなければ、取引量は毎日ほとんど変わらず、1日のブローカー経由の取引は約40億ドル。主な取引は貿易輸出と輸入を中心としており、これによってできたドル高相場は、ファンダメンタルズが作り出したものである。しかし、当局は相場を「投機的」と批判し、円買い為替介入に踏み切った。
為替介入の効果と限界
一昨年、日本は約20兆円の貿易赤字の半分を埋めるために、約9兆円の介入を行った。去年は貿易赤字が縮小したため、介入は行われなかった。今年も貿易赤字は一昨年や去年よりも縮小しているにもかかわらず、介入が行われたことに疑問が残る。元財務官は物価上昇を懸念しているが、日銀総裁は物価目標の2%に達していないと主張している。
介入は一定の効果を上げているが、円高にはあまり影響していない。唯一円より強い通貨はトルコリラのみである。介入によってドルを下げさせるという目的は、まだ十分に達成されていないと言える。
日本の為替介入の方法と推定額
日銀がEBSという電子ブロッキングシステムを通じて直接介入している可能性が指摘されている。もしそうであれば、日銀の名前で取引が行われるため、相手方にすぐにばれてしまう。しかし、そのような情報は出ていないため、これは憶測に過ぎない。
日銀の当座預金の上限から、今回の介入額は約5兆円と推定されている。これは今年の貿易赤字額の2兆円に対して、やや大きすぎるのではないかと思われる。
為替市場の今後の展望
今後は貿易統計の数字と、追加介入の有無を注視していく必要がある。為替に関する議論がテレビや新聞で盛んに行われるようになったが、必ずしも正しいとは限らない。利益を上げるためには、テクニックとスキルが重要である。
東京市場での介入はまだ一度も行われておらず、今回もニューヨーク市場での介入はなかった。イエレン財務長官のコメントが注目されるが、介入は稀な時だけしかできないと言っていたため、その発言に対する対応が注目される。
まとめ
為替相場は、介入と貿易収支の赤字縮小の動向に左右されると考えられる。金利差だけで為替レートが決まるわけではなく、貿易収支が重要な要因である。米ドルは、FOMCでのパウエル議長のコメントや、経済指標の弱含みによって、今後の動向が注目される。大統領選挙が近づくにつれ、政治的な争いが相場に影響を与える可能性もある。日本の介入が続けば、ドル円は下がるが、それがどれだけ続けられるかは、イエレン財務長官次第である。
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