主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年5月15日8時20分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼14日(火)の為替相場
(1):英雇用市場は減速
(2):ピル英MPC委員、夏に利下げを検討する可能性があると考えるのは「不合理ではない」
(3):独ZEW景気期待指数2年3カ月ぶりの高水準
(4):米PPIは前月分が下方修正
(5):FRB議長、「次の行動が利上げになる可能性は低い」
▼14日(火)の株・債券・商品市場
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14日(火)の為替相場
期間:14日(火)午前6時10分~15日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):英雇用市場は減速
英1-3月失業率(国際労働機関=ILO基準)は4.3%と予想通りに12-2月(4.2%)から上昇。英1-3月週平均賃金(除賞与)は前年比+6.0%と市場予想(5.9%)を上回った。また、英4月失業率は前月と同じ4.1%、同失業保険申請件数は0.89万人増(前回0.24万人減)だった。
(2):ピル英MPC委員、夏に利下げを検討する可能性があると考えるのは「不合理ではない」
英中銀(BOE)のチーフエコノミストであり金融政策委員会(MPC)メンバーのピル氏は、この日発表された賃金統計について「1-3月期の一段の小幅な鈍化と整合性が取れる追加の統計が今朝発表された」と指摘。その上でBOEが夏に利下げを検討する可能性があると考えるのは「不合理ではない」との認識を示した。
(3):独ZEW景気期待指数2年3カ月ぶりの高水準
独5月ZEW景気期待指数は47.1と市場予想(46.4)を上回り、前月(42.9)から上昇。2022年2月以来2年3カ月ぶりの高水準となった。ZEW(欧州経済研究センター)は「景気回復の兆しはユーロ圏全体と主要輸出先である中国に対する見通し改善によって強まっている」とコメントした。
(4):米PPIは前月分が下方修正
米4月生産者物価指数(PPI)は前年比+2.2%と予想通りで、食品とエネルギーを除いたコアPPIは前年比+2.4%と市場予想(+2.3%)を上回った。ただ、前回3月分はいずれも大幅に下方修正された(総合+2.1%から+1.8%へ、コア+2.4%から+2.1%へ)。
(5):FRB議長、次の行動が利上げになる可能性は低い
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長はオランダ中銀主催のイベントで講演。「次の行動が利上げになる可能性は低い」としたものの、利下げについては「インフレが継続的に鈍化している証拠を待つ必要がある」との見解をあらためて示した。オランダ中銀のクノット総裁は「インフレ率が目標に戻るとの確信がますます高まっている」とした上で「6月は初回利下げの好機かもしれない」と述べた。