大手住宅メーカーの富裕層戦略…高価格の戸建て住宅で開拓を狙う


消費税率引き上げの影響を受ける不動産業界

2014年4月に引き上げられた消費税。特に高額商品である住宅を扱う不動産業界では、消費税増税の前に起きた駆け込み需要の影響がボディーブローのように効いている。競争環境が一層激しさを増す住宅市場において、大手住宅メーカーが高価格帯の戸建て住宅のラインナップ拡充を進めている。


高価格帯住宅の商品展開を進める企業が増えている

住友林業 <1911> は10月、高価格帯とされる6,000万円以上の注文住宅「邸宅設計プロジェクト」事業を本格的に開始すると発表した。社内でも高級住宅のデザインを担当する80名のデザイナーたちが、「都市に建てる日本の風情」をイメージし、静寂と日本の四季を感じられる空間を表現した住宅を供給していく。

同社は経営者や医師といった富裕層の購入意欲が消費税率引き上げ後も堅調で、将来的に人口減少が予想される今後も需要があると踏んでおり、年間500棟の受注を目指している。同社の平均単価は1坪当たり80万円であるが、邸宅設計プロジェクトでは100万円以上になると見込んでいる。昨年度は高価格帯が占める割合は2.8%だったものが、今年は3.1%を超えてきており、高価格帯住宅の販売を加速させる。

大和ハウス工業 <1925> では、最上位商品と位置づけている戸建て住宅「ジーヴォシグマ」が非常に好調で、目標100棟を上回る110棟の受注となっている。太陽光発電システムを付加する顧客も多い。これを受けて、岡山工場での生産能力を月産100棟から月産150棟に引き上げるほか、栃木県にも新たに製造ラインを構築し、2015年には350棟と、3.5倍に増やす計画だ。

好調な高価格帯住宅の販売を受け、建材・住宅設備機器大手LIXILも高級ホテルのバスルームやスパリゾート施設のような「打たせ湯」や、寝湯に近い「リクライニング浴槽」などの新システムバスルームを8月から開始しており、富裕層向け戸建て住宅に対する利用を見込んでいる。