毎年、新たに発売されるビジネス書は約6,000冊といわれています。いったいどの本を読めばいいのか、迷ってしまう方も多いでしょう。

このコーナーでは、読書家が集まる本の要約サービス「flier(フライヤー)」で注目されているおすすめの書籍をランキング形式でご紹介。さらにその中からアクセスの多かったトップ3の書籍について本文で詳しく見ていきます。

まずは2024年6月にビジネスパーソンから最も読まれた10冊の書籍の発表です!

1位:『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(三宅香帆/集英社)
2位:『罰ゲーム化する管理職』(小林祐児/集英社インターナショナル)
3位:『このプリン、いま食べるか? ガマンするか?』(柿内尚文/飛鳥新社)
4位:『自律神経の名医が教える集中力スイッチ』(小林弘幸/アスコム)
5位:『なぜか話しかけたくなる人、ならない人』(有川真由美/PHP研究所)
6位:『メンタル脳』(アンデシュ・ハンセン、マッツ・ヴェンブラード、久山葉子(訳)/新潮社)
7位:『まっすぐ考える』(ダリウス・フォルー、桜田直美(訳)/サンマーク出版)
8位:『サイゼリヤの法則』(正垣泰彦/KADOKAWA)
9位:『レジの行列が早く進むのは、どっち!?』(サトウマイ/総合法令出版)
10位:『ビジネス会食 完全攻略マニュアル』(yuuu(ユウ)/ダイヤモンド社)

※本の要約サービス「flier(フライヤー)」の有料会員を対象にした、2024年5月25日〜2024年6月24日の閲覧数ランキング

働いていると本が読めなくなるのは普通!?

働いていると本が読めなくなるのはなぜ? 2024年6月に読まれたビジネス書トップ3
(画像=Rawpixel.com/stock.adobe.com)

2024年6月の月間ランキング第1位は、『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』でした! 忙しい毎日の中で、ふと立ち止まってタイトルの疑問をもったことがある人は多いのではないでしょうか。筋金入りの本好きであり、大学時代に作家デビューした著者の三宅さんもその一人。大学院を卒業し働き始めると、スマホを見る時間はあるのに本が読めなくなったといいます。

近代以降の日本における働き方と読書の関係に注目しながら、この問いの答えを導き出していく本書。そこからは、読書によって得られる「知識」にはノイズ(=自分と関係がない情報)が含まれること、そして2000年代のIT革命から、インターネットによるノイズを排除した「情報」が台頭したことがわかります。そして現代、忙しいビジネスパーソンにとって、自分とは遠く離れたノイズを多く含む「読書」は遠ざけられつつあるのは当然といえるのかもしれません。

ではその上で「どうしたら本が読めるようになるのか」との問いに、新時代の働き方・ノイズの受け入れ方を提示してくれる結末をあなたはどう考えるでしょう。ぜひ本書を読みながら探ってみてください。

なぜ働いていると本が読めなくなるのか
なぜ働いていると本が読めなくなるのか
三宅香帆
出版社:集英社
発売日:2024年04月22日
ジャンル:リベラルアーツ・トレンド

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管理職の「罰ゲーム化」をひも解く一冊

第2位は、刺激的なタイトルが目をひく『罰ゲーム化する管理職』です。

「部下のサポートに加え、自身の業務で残業の毎日」の管理職。そうした上司を見て管理職になりたがらない部下。こうした状況を「管理職の罰ゲーム化」と呼ぶのが著者の小林祐児さんです。働き方改革の裏で、激務を抱え込む管理職の実情を本書では真正面から綴っています。

とはいえ単なる感情論ではなく、著者が丁寧に集めたデータと現場の声を科学的に文章に落とし込み、「罰ゲーム化」を修正する以下の4つのアプローチが明確に提示されるのが救いとなります。

  • 管理職の部下、つまりフォロワーであるメンバー層へのトレーニングを増やす「フォロワーシップ・アプローチ」
  • 管理職の役割を変更したり共有したりすることで、全体の役割や業務量を調整していく「ワークシェアリング・アプローチ」
  • 管理職同士のネットワークを構築し、社内に相談し合える相手がいる状態をつくる「ネットワーク・アプローチ」
  • 会社の昇進構造や選抜の在り方を変更する「キャリア・アプローチ」

決して急ぐ必要はありません。アプローチの一つ一つの詳細を本書で理解し、すこしずつ取り入れてみてはいかがでしょう。


罰ゲーム化する管理職
罰ゲーム化する管理職
小林祐児
出版社:集英社インターナショナル
発売日:2024年02月07日
ジャンル:経営戦略・人事

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プリンをいま食べる? 我慢する? 後悔しない時間の使い方とは

第3位は、「時間」をテーマとした『このプリン、いま食べるか? ガマンするか?』です。

人生のあらゆる時間は「幸福の時間」「投資の時間」「役割の時間」「浪費の時間」の4つに分けられる。その上で「幸福の時間」を増やしつつ、「今ここ」にある時間の価値を上げるための考え方やノウハウを教えてくれます。

費やした時間と得られた満足度の相対性、いわゆるタイパ(時間帯効果)を優先しがちな昨今、自分に「幸福の時間」を与える重要性を提示するのが本書の面白いところ。ただし、「幸福の時間を増やす」ということは、「自分のやりたいことをひたすらやる」とイコールではありません。ポイントの1つは人のための行動ややらなくてはいけないことの時間を、自分でどう意味付けるかです。

たとえば苦手な取引先との会食であれば、仕事の手段ではなく、美味しいご飯を食べながら相手との仲を深めるための時間(幸福の時間)として決めてみると、時間の価値が変化するはずです。仕事で交渉をする場合は、ゴールを先に見ながら、交渉相手を「敵キャラ」に設定するという提案も面白い方法です。ゲームのステージをクリアするための「ハードル」だと思えば、見え方が変わりますよね。

これからの人生をどうすごしますか? 本書を読めば前向きに時間の使い方と向き合えるはずです。

このプリン、いま食べるか? ガマンするか?
このプリン、いま食べるか? ガマンするか?
柿内尚文
出版社:飛鳥新社
発売日:2024年04月19日
ジャンル:自己啓発・マインド・生産性・時間管理

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いかがでしたか?

ランキングの上位を見てみると、働き方、時間の使い方など様々な視点から興味をもっている読者の傾向がみえる結果となりました。どの書籍も決して難しい内容ではなく、明日から毎日を変えられるヒントがたくさんあるので、ぜひ試してみてください。

少しでもあなたに合いそうな1冊があればお手にとっていただければ幸いです。

来月はどういった書籍が読まれるのでしょうか。ぜひ皆様も予想してみてください。

flier編集部

本の要約サービス「flier(フライヤー)」は、「書店に並ぶ本の数が多すぎて、何を読めば良いか分からない」「立ち読みをしたり、書評を読んだりしただけでは、どんな内容の本なのか十分につかめない」というビジネスパーソンの悩みに答え、ビジネス書の新刊や話題のベストセラー、名著の要約を1冊10分で読める形で提供しているサービスです。通勤時や休憩時間といったスキマ時間を有効活用し、効率良くビジネスのヒントやスキル、教養を身につけたいビジネスパーソンに利用されているほか、社員教育の一環として法人契約する企業も増えています。

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