この記事は2024年6月28日に「The Finance」で公開された「【便利なタッチ決済】特徴とメリットを解説!~カード別に簡単比較~」を一部編集し、転載したものです。


本記事では、タッチ決済について詳しく解説し、普及の背景やメリット・デメリット、ポイント還元の観点からおすすめのカードについても触れていきます。

目次

  1. タッチ決済の定義と基本的な方法
    1. 非接触決済が普及する背景
  2. タッチ決済の種類
    1. 国際ブランドのタッチ決済
    2. 交通系電子マネー
    3. プリペイド型電子マネー
  3. タッチ決済のメリット・デメリット
    1. タッチ決済のメリット
    2. タッチ決済のデメリット
  4. クレジットカードとタッチ決済
    1. クレジットカードでのタッチ決済の方法
  5. タッチ決済×クレジットカードで貯まるポイント例
    1. 三井住友カード
    2. JCBカード
    3. Viewカード
    4. 楽天カード
    5. リクルートカード
  6. タッチ決済×スマートフォン
    1. Apple Pay
    2. Google Pay
    3. 楽天Pay
  7. まとめ:タッチ決済の選び方

タッチ決済の定義と基本的な方法

【便利なタッチ決済】特徴とメリットを解説!~カード別に簡単比較~
(画像=Rossi0917/stock.adobe.com)

タッチ決済とは、クレジットカードやスマートフォン、ICカードなどを読み取り器にかざすだけで支払いが完了する非接触型の決済方法を指します。その名の通り、物理的にタッチすることなく、デバイスをリーダーに近づけるだけで決済が可能なのが特徴です。
基本的な流れとしては、以下の通りです。

  1. 非接触決済に対応したカードやスマートフォン、ウェアラブルデバイスを用意する
  2. 用意したデバイスを決済端末にかざす
  3. 情報が読み取られ、決済が行われる

決済が行われる際に、NFC(Near Field Communication)という技術が活用されています。NFCは10cm以内の近距離で高速通信を行う短距離無線通信技術で、パスワードや署名が不要で、スピーディな決済が可能となります。

非接触決済が普及する背景

非接触決済、特にタッチ決済の普及には、社会的、技術的要因が影響しています。

  • 社会的要因
    現金を持ち歩かなくてもスムーズに決済が行える便利さ、新型コロナウイルスの影響で非接触を好む傾向
  • 技術的要因
    スマートフォンやクレジットカードに非接触決済機能の搭載、店舗側のインフラの整備、セキュリティ面の向上

また、ビジネスの観点から見ても、非接触決済の導入は店舗側にとってもメリットがあります。顧客の流動性を向上させ、レジでの混雑を緩和することが可能になり、結果的に売上向上に寄与します。
こういった要因が組み合わさり、現在ではタッチ決済の利用頻度も増加しています。

タッチ決済の種類

一般的には、クレジットカードやデビットカード、プリペイドカードなどが対応しており、近年ではスマートフォンによる決済も一般的になってきています。

国際ブランドのタッチ決済

タッチ決済には主にVisaの「Visa touch」、Mastercardの「Mastercard contactless」、そしてJCBの「QUICPay」があります。これらの決済方法は、クレジットカード情報を端末に読み取らせることで、サインや暗証番号を入力することなくスピーディに決済が可能です。

交通系電子マネー

交通系電子マネーとは、SuicaやPASMOなどのプリペイド型の電子マネーです。主に公共交通機関の運賃支払いに使われますが、コンビニエンスストアや自動販売機など、日常生活の中で幅広く利用することができます。

プリペイド型電子マネー

プリペイド型電子マネーとは、事前にチャージ(入金)を行うことで利用できる電子マネーです。nanacoやWAONなどが該当します。チャージ方法は、クレジットカードやデビットカード、現金など複数あり、店舗での買い物やオンラインショッピングなどに利用することができます。

タッチ決済のメリット・デメリット

タッチ決済のメリット

タッチ決済のメリットは多岐にわたります。

メリット 説明
手間の削減

現金を手間なく管理し、レジでの待ち時間を省略。

決済時にスワイプやサイン・暗証番号入力などの手間が省ける。

安全性の向上 現金を持ち歩かないため、盗難リスクを軽減。
ポイント還元 タッチ決済でポイントが貯まり、特定の店舗でのポイント倍増キャンペーンも。
衛生面 現金を使わないことによる、衛生面の安心感。

以上のように、タッチ決済は現金を持ち歩くことなく、スムーズで便利な決済が可能であり、ポイント還元や環境負荷軽減など、さまざまなメリットがあります。

タッチ決済のデメリット

タッチ決済は便利である一方で、注意すべきデメリットも存在します。

デメリット 説明
過度な使用による支出の増大 タッチ決済は現金を手にとって支払うことなく、つい使い過ぎてしまう傾向がある。
システム障害や通信障害のリスク タッチ決済は電子データのやり取りに依存しており、障害が起きると利用できなくなる可能性がある。
紛失時の不正利用リスク タッチ決済カードやスマートフォンを紛失した場合、不正利用されるリスクがある。
紛失時の補償制度の不備 一部のサービスでは紛失時の補償制度が整っていないため、自己責任での管理が必要。
店舗の対応状況
全ての店舗がタッチ決済に対応しているわけではなく、利用時には店舗の対応状況を確認する必要がある。

これらのデメリットを理解した上で、自分のライフスタイルに合った使い方を考えることが重要です。

クレジットカードとタッチ決済

クレジットカードでのタッチ決済の方法

クレジットカードとタッチ決済を組み合わせて、便利さと効率性を一度に享受する方法を解説します。
まず、クレジットカードがタッチ決済に対応しているかを確認することが重要です。多くのクレジットカードは、ICチップを内蔵しており、タッチ決済機能が備わっています。
次に、タッチ決済機能を有効にするために必要な手続きを行います。これには、オンラインバンキングや専用アプリ、カード発行会社の窓口での手続きなどが考えられます。
また、スマートフォンやスマートウォッチにクレジットカード情報を登録することで、デバイス自体をクレジットカードとして使用することも可能です。Apple PayやGoogle Pay、Samsung Payなどの決済サービスにクレジットカードを登録し、タッチ決済を行います。
注意点としては、クレジットカードのタッチ決済を利用する際には、利用限度額やセキュリティ対策についても理解しておく必要があります。一部のカードでは、一度のタッチ決済で利用できる金額に上限が設定されている場合があります。また、カードが紛失や盗難に遭った場合でも、パスワードや生体認証により安全性を確保することができます。

タッチ決済×クレジットカードで貯まるポイント例

三井住友カード

三井住友カード(NL)/ 三井住友カード ゴールド(NL)/三井住友カード(CL)は身近なコンビニ使いなどでおすすめ!
対象のコンビニ・飲食店で、Visaのタッチ決済・Mastercardタッチ決済で支払うと、5%ポイント還元に加え、 スマホのVisaのタッチ決済・Mastercardタッチ決済で支払うと、最大7%ポイント還元となります。
また、三井住友カード ゴールド(NL)/三井住友カード(CL)にはさらなるポイント還元が含まれます。 
<対象店舗>
セイコーマート、セブン-イレブン、ポプラ、ミニストップ、ローソン、マクドナルド、モスバーガー、サイゼリヤ、ガスト、バーミヤン、しゃぶ葉、ジョナサン、夢庵、その他すかいらーくグループ飲食店、すき家、はま寿司、ココス、ドトールコーヒーショップ、エクセルシオール カフェ、かっぱ寿司

参照:三井住友カード

JCBカード

JCBカード Wは、普段使いの1枚におすすめ!
ポイント還元率は1.00%で、「JCB ORIGINAL SERIESパートナー」の加盟店でポイントアップします。セブンイレブンやAmazonなど日常的に使いやすい店でも2.00%還元でポイントが貯められます。
クレジットカードの利用で貯められるOki Dokiポイントは、ポイントを店舗での支払いにそのまま使えないものの、クレジットカードの支払いに充てられたり、Amazonなどのネットショッピングで使えたりと使い道が豊富なのもメリットのひとつです。
ただし、18~39歳入会限定となる点には注意しましょう。

参照:JCBカード

Viewカード

Viewカードは東日本が発行していることもあり、モバイルSuicaとの相性が抜群!
通常のポイント還元率は「0.5%」と標準的ですが、Suicaへのオートチャージで「1.5%」、「えきねっと」でのきっぷの購入で「3%」、モバイルSuicaでのグリーン券や定期券購入などで「3%」など、JR東日本のサービスで利用するとおトク感が大きく上がるカードとなっております。
定期券や新幹線などを多く利用される方におすすめです。

参照:Viewカード

楽天カード

楽天ユーザーにおすすめ!
通常のポイント還元率は1.00%です。楽天市場以外での買い物でもポイントを貯めやすいのが魅力です。しかし、公共料金でのポイント還元率が0.20%に下がるので要注意。公共料金支払いには不向きなクレジットカードです。
貯まったポイントはクレジットカードの料金支払いに使えたり、楽天ペイにチャージすることも可能で、楽天カードから楽天ペイにチャージして楽天ペイで支払えば、楽天ペイとのポイントの二重取り可能で実質1.50%還元になります。

参照:楽天カード

リクルートカード

ポイント還元率が高く、公共料金支払いにもおすすめ!
年会費無料でどこでも1.20%還元のため、公共料金支払いにもおすすめです。年会費無料のクレジットカードのなかで、ポイント還元率が1.00%を超えたのはリクルートカードだけです。どこでも高水準でポイントが貯まるので、オールマイティなクレジットカードといえます。

参照:リクルートカード

以上、一例ではありますが簡単な還元率の比較です。

タッチ決済×スマートフォン

スマートフォン決済は、専用アプリをダウンロードし、クレジットカード情報を登録することで、店舗の専用端末にスマートフォンをかざすだけで支払いが可能なシステムです。大手企業が提供しているものから、個々の銀行やクレジットカード会社が独自に開発したものまで、様々な種類があります。

Apple Pay

iPhoneやApple Watchを使ったタッチ決済サービスです。
以下手順のようにスマートフォンのNFC機能とクレジットカードを連携させることで、簡単に決済することが可能となります。

  1. Apple Walletに自分のクレジットカード情報を登録する。
  2. 店頭のNFC対応端末にiPhoneやApple Watchをかざして決済を完了する。
  3. オンラインショッピングでApple Payに対応しているECサイトで商品を選び、Apple Payを選択する。
  4. Face IDやTouch IDによる認証を行い、セキュリティを確保しながら支払いを完了する。

こういった特徴により、Apple Payはスマートフォン決済の中でも特に便利性と安全性を兼ね備えており、多くのユーザーに支持されています。

Google Pay

スマートフォンのNFC機能を使ったタッチ決済サービスです。
Androidスマートフォンを使用しているユーザー向けのサービスで、Googleウォレットにクレジットカード情報を登録することで利用することができます。
Google Payもまた、店頭のNFC対応端末にスマートフォンをかざすだけで決済が可能となり、オンラインショッピングでも使用できます。
Google Payは、端末のロック画面から直接支払いを行うことができるため、非常にスムーズな決済体験を提供します。さらに、利用履歴を自動的に管理することができ、レシートを紛失する心配がありません。

楽天Pay

楽天Payもスマートフォンを使ったタッチ決済の一つです。楽天Payは、楽天のサービスと連携しており、楽天ポイントを貯めることができます。楽天ポイントは、楽天市場での買い物や、楽天カードでのクレジットカード決済など、楽天の各種サービスで利用可能です。楽天Payは、店頭のNFC対応端末だけでなく、バーコードを読み取ることでも決済が可能なので、さまざまなシーンで利用できます。

以上のように、Apple Pay、Google Pay、楽天Payといったスマートフォンを使ったタッチ決済は、それぞれに特徴と利点があります。自分のライフスタイルや利用シーンに合わせて、最適なタッチ決済を選ぶことが重要です。また、タッチ決済は現金を持ち歩かなくても済むため、セキュリティ面でも優れています。これからも、さまざまなタッチ決済の進化に注目していきましょう。

まとめ:タッチ決済の選び方

タッチ決済の種類やクレジットカードとの関連性について詳しく説明してきました。これらの情報をもとに、自分に最適なタッチ決済を選ぶためのポイントは以下3点です。

  1. 日常生活での使用頻度
  2. 利便性とセキュリティのバランス
  3. ポイント還元率やキャンペーンなどの特典内容

これらを踏まえ、自分のライフスタイルやニーズに合ったタッチ決済を選ぶことで、より快適なキャッシュレス生活を送ることができるでしょう。


[寄稿]TheFinance編集部
株式会社セミナーインフォ