トルコリラ今後の見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

買いどき?指数はトルコリラの上昇・下落のパワーを視覚化したものです。ミニマム(MIN)はポジション保有は慎重に、マックス(MAX)はポジション保有の好機、を表しています。現況のマーケットを俯瞰しての分析であり、投資の判断はご自身でおこなっていただけます様、お願いいたします。

高金利通貨であるトルコリラについて、中長期にわたり買いポジションを保有する場合に知っておきたい情報、投資を行う視点で、現在の市場を分析します。

執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
X:@gaitamesk_naka

トルコリラ/円 上昇・下落のパワーバランス

トルコリラ/円をトレードするうえで重要となる経済指標やイベントを個別に点検します。

トルコ中銀は3月に政策金利を50.0%へ引き上げた後、3会合連続で金利を据え置いている。次回会合は7月23日。トルコ中銀のカラハン総裁は「中銀は物価高騰と戦う決意で、根気よく引き締め政策を維持していく」との見解を示している。

7月3日に発表されたトルコ6月消費者物価指数は前年比+71.60%となり、前月の+75.45%と比べ減速を示した。トルコ中銀の四半期報告では、2024年末のインフレ率を+38%と予測している。

マネーロンダリングやテロ資金対策を監視する国際的である金融活動作業部会(FATF:Financial Action Task Force)は、6月28日にトルコを「グレーリスト(監視強化対象国・地域)」からの除外を発表。ユルマズ・トルコ副大統領は「トルコの金融システムに対する海外投資家の信頼が一段と高まった」との見解を示した。

トルコの憲法裁判所は6月4日に中央銀行総裁を任期中に解任する大統領権限を無効とする判断を下した。エルドアン大統領が2018年の政令で中央銀行の総裁と副総裁の任命・解任権限を大統領に付与していた。

パワーバランス まとめ

トルコのインフレは前月から鈍化を示しているが依然として前年比+70%を超えている。こうした状況で中銀総裁が引き締め政策の維持を表明していることはポジティブ材料。またFATFのグレーリストから除外されたことで、海外からの投資が国内に入ってき易くなったこともよい兆候だ。中銀総裁を次々と更迭したエルドアン大統領の大統領権限が無効化されたこともポジティブに捉えられる。

トルコリラ/円、いまが買いどき?

トルコリラ今後の見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

トルコ中銀は3月に利上げを実施し政策金利は50.00%。インフレが鈍化の兆しを見せているが、インフレ率は70%超で依然として高い。そのため中銀総裁は引き締め政策を維持する方針を示している。エルドアン大統領の中銀人事権が限定されたことはポジティブ要因だが、中銀の独立性を低下させ、高インフレ、リラ安を招いただけに市場の信頼は完全には取り戻していない。様子を見ながら少額を積み増すことがおススメか。

買いどき?指数はトルコリラの上昇・下落のパワーを視覚化したものです。ミニマム(MIN)はポジション保有は慎重に、マックス(MAX)はポジション保有の好機、を表しています。現況のマーケットを俯瞰しての分析であり、投資の判断はご自身でおこなっていただけます様、お願いいたします。