この記事は2024年8月2日にSBI証券で公開された「NISA活用も!20万円未満で買える8月株主優待銘柄」を一部編集し、転載したものです。

NISA活用も!20万円未満で買える8月株主優待銘柄
(画像=SBI証券)

目次

  1. NISA活用も!20万円未満で買える8月株主優待銘柄
  2. 一部掲載銘柄を解説!
    1. セブン&アイHD(3382)~今年(24年)のみ、8月末も優待実施予定!
    2. DDグループ (3073)
    3. TSIホールディングス(3608)
    4. ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(3222)

NISA活用も!20万円未満で買える8月株主優待銘柄

日経平均は調整色の強い展開が続いています。円安・ドル高を背景に、7/11(木)に42,224円の過去最高値を更新。その後は、日銀の為替介入とみられる動きや、日米金利差縮小が意識され、為替相場は円高・ドル安基調へと転じた格好です。為替相場の流れの変化が、海外売上高比率の高い、自動車や半導体関連株等を中心に下落圧力となりました。

そして7/31(水)、同日に開催された日米の金融政策を決定する会合が、一段と急激な円高・ドル安の呼び水になったもようです。日銀の金融政策決定会合では、追加利上げ及び長期国債買い入れ額の減額計画が決定されました。対する米国では、FOMC後のFRB議長会見で、9月利下げ開始可能性が示唆されました。金融引締めを行う日本と、金融緩和を目指す米国で対照的な結果が示された格好です。その後、一時1ドル149円台をつけるなど約3カ月ぶりの円高水準をつける場面もありました。

為替相場での円高加速が、企業の業績見通しにも影を落としています。8/1(木)の取引時間中に決算発表を行ったトヨタ(7203)の同日株価騰落率は、8%超の大幅安。通期計画の上方修正がなかった他、円高反転により業績への不透明感が強まったとみられます。同社の通期の想定為替レートは、1ドル145円で、実勢レートが近づいてきたことが嫌気されました。日経平均が最高値をつけてから、8/1(木)までの下落率は、わずか3週間にもかかわらず、10%超にのぼった格好です。

東京株式市場が波乱相場となる中で、本稿では「8月に権利が確定する株主優待銘柄」を紹介します。8月優待銘柄の数は3月程多くはないですが、小売・外食といった私たちの生活に密着した企業が多い点が特徴です。そのため製造業よりも、円高進行による業績悪化の影響は受けづらいと想定されます。

ご紹介する銘柄のスクリーニング条件は以下の通りです。

(1)東証上場銘柄
(2)8月に株主優待の権利確定を予定する銘柄
(3)7/31(水)までの20営業日で、1日当たり平均出来高が10万株超
(4)株主優待の権利を獲得するために最低限必要な投資金額が20万円未満
(5)今期会社予想営業損益が増益または、黒字転換
(6)継続企業の前提に疑義が生じていない
(7)取引所または日証金による信用規制・注意喚起銘柄を除く

すべての条件を満たす銘柄をSBI証券株主優待検索ページで、8/1(木)時点で閲覧回数の多い順に並べたものが下の図表です。

図表の銘柄は、全銘柄が8/28(水)を権利付最終日としています。この場合、8/29(木)の権利落ち日以降に買い付けができても、配当および株主優待の権利を確保することはできませんので、ご注意ください。

また、権利付最終日に優待実施銘柄を買い、権利落ち日に売ることで、効率良く株主優待の権利獲得を考える投資家の方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここで注意すべき点は、買い付ける時の株価が予想外に高くなったり、売る時の株価が予想外に安くなったりなど、相当額の売却損がでてしまうケースです。配当取りも同様で、権利落ち日には配当実施分だけ株価が下がることが多くなっています。ノーコスト・ノーリスクで株主優待や配当を享受することは難しいでしょう。

それでも、コストやリスクを軽減して、株主優待の権利を確保する方法はあります。ひとつは、複数銘柄に投資をし、リスク分散を図る方法です。今回は、株主優待の権利確定に必要な最低金額を20万円としましたので、資金100万円でも、最低5銘柄以上投資可能ですから、ある程度の分散投資ができる計算です。

もうひとつは「つなぎ売り」を活用した取引です。「つなぎ売り」で株主優待をお得に活用する方法については、SBI証券のWebページでご紹介していますので、ご参考ください。ただ、「つなぎ売り」をした場合、信用取引の「売り」により、配当調整金を支払う必要が出て、実質的に配当を受け取れなくなるなど、重要な注意点*(下記脚注の詳細参照)もあります。メリットとデメリットを十分理解した上でのご利用をお願い申し上げます。

*重要な注意点 ~つなぎ売りを利用した場合の「配当金(現物と信用)受け払いの差額」~

※権利付き最終日の大引け時点でつなぎ売りをしている場合、現物については税金が差し引かれた配当金(配当金の約80%)を受取り、一般信用売り建玉については配当落ち調整(配当金の100%)金をお支払いいただきます。したがいまして、配当金の約20%の差額をお客さまにご負担いただくことになります。

※現物株式の配当金は、源泉税(20.315%)が差し引かれた金額で支払われます。 ※一般信用売り取引の場合は、配当落ち調整金として配当金の100%をお支払いいただきます。

※権利付き最終売買日と権利落ち日をまたいで信用売建玉がある場合、権利落ち日に予想配当金相当額(予定配当調整金)をあらかじめ委託保証金現金から拘束させていただき、配当金が確定後に拘束金から支払いを行います。信用売建玉に対する支払予定配当金相当額合計(予定配当調整金合計)は、「口座管理」>「信用建余力」>「建余力・追加保証金」の「増担保・配当調整金」に表示させていただいております。

NISA活用も!20万円未満で買える8月株主優待銘柄 NISA活用も!20万円未満で買える8月株主優待銘柄
(画像=SBI証券)

一部掲載銘柄を解説!

セブン&アイHD(3382)~今年(24年)のみ、8月末も優待実施予定!

国内外でのコンビニエンスストア事業や、イトーヨーカドーなどのスーパーストア事業、金融関連事業等を展開する日本を代表する小売企業です。

個人株主の獲得を目指すためか、24年4月に株主優待制度の新設を発表。通常は2月末に権利確定となるようですが、初回の24年のみ8月末も実施される予定です。優待内容は保有株数や年数に応じた「セブン&アイ共通商品券」、または「国連WFPへの寄付」のどちらかを選択となります。

セブン&アイ共通商品券の金額は以下の通りです。セブン・イレブンはもちろん、イトーヨーカドーやデニーズなどのグループ各店で使用できます。

【100株~399株】 2,000円分 (継続保有期間3年以上は2,500円分)
【400株~699株】 2,500円分 (同3,000円分)
【700株以上】    3,000円分 (同3,500円分)

確認できる限り、07年度以降非減配で、安定した配当金を得たい方という方にもオススメです。利益向上に見合った利益還元を行うことを基本方針に掲げています。足元の配当性向は3~40%台で推移しています。    

DDグループ (3073)

飲食・アミューズメント・ホテル・不動産など多事業を展開。116ブランドで約320店舗を運営しています(8/1時点)。カジュアルダイニングから、テーマレストラン、紹介制高級業態、ビリヤード・ダーツバー等、ジャンルは非常に多岐にわたります。コロナ禍で一時は、業績が大きく落ち込みましたが、前期(24.2期)はコロナ禍前を上回る規模で業績を回復させています。

従来は2月末日基準のみ株主優待を実施していましたが、今年度(25.2期)から8月末日基準を新設。保有株式数や保有年数に応じて、電子株主ご優待チケットもしくは社会貢献団体への同額寄付が選択できます。

電子株主優待チケットの金額は以下の通りです。

【100株以上】  3,000円相当
【200株以上】  4,500円相当
【400株以上】  7,500円相当
【600株以上】  10,000円相当
【1,000株以上】 12,500円相当
【3,000株以上】 20,000円相当
【6,000株以上】 30,000円相当
【9,000株以上】 37,500円相当

200株以上を1年以上保有した場合は、上記金額に追加があります。

また、600株以上で選択可能となる「お米(魚沼産コシヒカリ)」は、今8月末日をもって、廃止となる予定ですのでご注意ください。

TSIホールディングス(3608)

東京スタイルとサンエーインターナショナルが共同で当社を設立(2011年6月)し、両社が当社の完全子会社になる形で事業をスタートしました。アパレル関連事業を中心に展開し、非百貨店(ファッションビル、駅ビル、アウトレッド等)を中心に、EC、百貨店等を国内販売チャネルとしています。

7/12(金)に2025.2期1Q決算を発表。営業利益は10億円となり、前年同期比45%減益となりました。原材料高騰、在庫評価損、人件費増加に加え構造改革費用計上があり減益となりましたが、ほぼ計画通りの進捗(会社側)とのことです。

8/28時点で100株以上保有する株主に対し、優待割引クーポン1冊(1冊7枚綴り)が贈呈されます。500株以上保有で2冊、1,000株以上で3冊贈呈されます。3年以上保有の株主はおのおの1冊ずつ追加されます。優待クーポンは自社運営インターネットショッピングサイトにて20%割引(一部は1,000円割引)が利用可能(利用限度額あり)で、「JILL STUART」や「MHL」、「NATURAL BEAUTY BASIC」等が対象ブランドです。

ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(3222)

食品スーパーであるマルエツ(首都圏)、カスミ(北関東)、マックスバリュ関東(東京・千葉中心)の共同持株会社でイオン(8267)の連結子会社です。関東地方に531店舗(7/26時点)展開しています。25.2期1Q決算では売上高1,756億円と前年同期比微増を維持したものの、営業利益は0.5億円と同95%減りました。人件費や物流費の増大や、セルフレジや総菜センターへの投資が負担になりました。

8/28時点で100株以上保有する株主に対し、買物優待券(1枚で100円割引)またはご優待品(食品)が贈呈されます。店舗が関東地方のみなので、前者を選択する株主は、店舗の位置を確認したいところです。

贈呈される買物優待券の枚数は、100株以上保有で30枚、500株以上で60枚、1,000株以上で100枚、2,000株以上で150枚、3,000株以上で180枚、5,000株以上で300枚です。同優待券は1,000円以上の買物に、1,000円ごとに1枚利用できます。また、ご優待品は100株以上保有の場合、新潟産こしひかり(2㎏)、横須賀海軍カレー(200g×5袋)、繁盛店ラーメン(8食分)、はちみつ梅干「塩分約6%」(300g)、そうめん 瀬戸の恵(800g)からひとつを選べます。1,000株以上保有の場合、新潟産こしひかり(5㎏)、横須賀海軍カレー(200g×12袋)、繁盛店ラーメン(20食分)、はちみつ梅干「塩分約6%」(900g)、そうめん 瀬戸の恵(2.4g)からひとつを選べます。

当社は2月末付でも、同内容の株主優待を実施しています。買物優待券はクーポンとの併用も可能なようですが、一部使用できない店舗がある点にはご注意ください。

※株主優待の内容、権利確定月、権利付最終日等は随時変更される可能性がありますので、最新の情報は必ず当該企業のホームページ等をご確認ください

▽当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。東証プライム市場を中心に好業績が期待される銘柄・株主優待特集など、気になる話題についてわかりやすくお伝えします。

鈴木 英之
鈴木 英之
SBI証券 投資情報部長
・出身:東京(下町)生まれ埼玉育ち
・趣味:ハロプロの応援と旅行(乗り鉄)
・特技:どこでもいつでも寝れます
・好きな食べ物:サイゼリヤのごはん
・好きな場所:秋葉原(末広町)
ラジオNIKKEI(月曜日)、中部経済新聞(水曜日)、ストックボイス(木曜日)、ダイヤモンドZAIなど、定期的な寄稿も多数