この記事は2024年7月5日にSBI証券で公開された「NISAにも!高配当・好業績期待の割安銘柄9選」を一部編集し、転載したものです。

NISAにも!高配当・好業績期待の割安銘柄9選
(画像=SBI証券)

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目次

  1. NISAにも!高配当・好業績期待の割安銘柄9選
  2. 掲載銘柄を解説!
    1. タチエス(7239)
    2. 日本精工(6471)
    3. ワキタ(8125)
    4. オートバックスセブン (9832)
    5. 東洋紡 (3101)
    6. 日本化薬 (4272)
    7. 山陰合同銀行 (8381)
    8. 生化学工業 (4548)
    9. 山口フィナンシャルグループ (8418)

NISAにも!高配当・好業績期待の割安銘柄9選

東京株式市場が上昇基調です。日経平均株価は7/4(木)に5営業日続伸し、終値が40,913円となり、過去最高値である40,888円(3/22終値)を上回りました。TOPIXも過去最高値である2,884ポイント(89/12/18)を上回りました。

おおよそ5~6月は強弱感が対立し、もみ合い相場が続いていましたが、7月に入りそこから上放れてきた形です。上放れる過程で、金融政策の方向感が明確になった訳でも、内外の政治情勢が好転した訳でもなく、日本株の地合いの強さを印象付ける動きとなっています。

現在の上昇相場の背景には、中国やロシア等での投資リスクが高まり、国際的にサプライチェーンが見直される中、円安もあり、日本が投資の対象として見直されているという面もありそうです。その意味では、欧州での極右台頭や米大統領選挙をめぐる不透明感が逆に日本の投資対象としての相対的魅力を高めている可能性が想定されます。

日本株については、バフェット氏による商社株評価や、東証による資本政策重視の要請、そして新NISA(少額投資非課税制度)スタートと、投資魅力を高める動きが続きました。企業業績も総じて堅調であり、株価は最高値更新を続ける可能性も考えられます。

ちなみに新NISA(少額投資非課税制度)導入後は、「配当金」を意識した買いが増え、高配当利回り銘柄の多くが人気化しました。新NISAの「成長投資枠」では、投資金額で年間240万円までの株式投資等について、その譲渡益や配当金が非課税になります。ここで「譲渡益」については、投資家の運用成績次第で利益が出ることも、損失計上となることもあり、計算しにくい面があります。しかし、「配当」については、配当政策が大きく変更されない限り、譲渡益に比べると計算しやすい面があります。こうした背景もあり、年初来、高配当利回り銘柄等が人気化しました。

「新NISA」では、「配当」を意識した投資家の動きは今後も継続しそうです。

そこで、今回の「日本株投資戦略」では改めて高配当利回り銘柄にスポットを当てました。高配当利回り銘柄でも、株価変動リスクを回避することは困難です。そこで高配当利回りを期待できるのみならず、業績が良好かつ割安感も強く、単元株を20万円未満で買える銘柄に絞り、ご紹介することにしました。

スクリーニング条件は以下の通りです。

①東証上場企業
②7/2(火)まで25営業日の1日当たり平均売買高が10万株以上
③今期予想配当利回りが3.2%超(会社予想ベース)
④株価2,000円未満
⑤今期会社予想1株利益伸び率が5%以上(黒字転換は除く)
⑥PBRが1倍未満

図表の銘柄は上記の全条件を満たしています。東証プライム市場の予想配当利回りは2.2%(7/2時点)であり、掲載銘柄はそれを1%以上も上回る配当利回りが期待できるため、ここでは「高配当利回り」と表現させていただいています。

NISAにも!高配当・好業績期待の割安銘柄9選 NISAにも!高配当・好業績期待の割安銘柄9選
(画像=SBI証券)

掲載銘柄を解説!

タチエス(7239)

独立系の自動車用シートメーカーです。日産、トヨタ(日野含む)、ホンダ、三菱自動車の他、EVメーカーが取引先にあります。独立系である強みを生かし、多種多様なニーズに対応しています。「コロナ」直後の21.3期を底に改善傾向で、24.3期は営業利益が72億円と前期比427%増となり、4期連続の損益改善となりました。25.3期の売上高は2,870億円と、日本や北米の販売減が見込まれ、前期比2%減の会社計画です。ただ、事業構造改革の効果刈り取りにより営業利益は73億円と微増の見通しです。

22.3期~25.3期はDOE(株主資本配当率)3~4%を維持し、ROE8%を目標にしています。その中で25.3期はDOE4%を目標に設定し、1株当たり年間配当金103.8円(前期は92.8円)を会社計画としています。

日本精工(6471)

ジェイテクト(6473)、NTN(6472)と並び、日本の大手ベアリングメーカー3社の一角を占めています。ベアリングは機械の中の軸を滑らかに動かす部品で、「軸」の回転を「受」け支えることから「軸受」とも言われます。自動車、電車、航空機、発電機他、多くの機器に用いられています。当社は「自動車事業」において、自動車及び自動車部品メーカー向けにベアリング等を製造販売するほか、「産業機械」では、一般産業向けのベアリング等を製造販売しています。

25.3期は売上高8,200億円(前期比3.9%増)、営業利益360億円(同31.4%増)が会社予想です。前期業績が悪化した「産業機械」について年度後半から設備投資需要の回復を見込んでいます。円安はプラス要因とみられますが、前提為替レートは1ドル145円、1ユーロ155円と保守的な印象です。今期から配当性向を30~50%とする目安に加え、DOE2.5%を下限とする配当方針を採用します。1株当たり年間配当金は前期比4円増配の34円の計画です。

ワキタ(8125)

「建機事業」では、土木・建設機械、荷役運搬機械等の販売・賃貸(レンタル)を行っており、営業利益(24.2期)の55%を占める主力事業です。ホテル事業やオフォス・マンション賃貸等の「不動産事業」は同利益の37%、カラオケ機器や介護機器を賃貸する「商事事業」が残りを占めています。

24.2期は建機事業での仕入価格高騰もあり、営業利益が前期比で4%近く減少しました。25.2期はレンタル価格への価格転嫁等により、営業利益は4%増の58億円を見込んでいます。配当性向100%の方針で、25.2期の1株当たり年間配当金70円(前期は62円)を会社計画としています。2月末に100株以上保有の株主に対し、「ホテルコルディア大阪」または「ホテルコルディア大阪本町」の利用券10,000円相当(300株以上で30,000円相当)が贈呈される株主優待が実施されています。

オートバックスセブン (9832)

オートバックスグループ店舗のフランチャイズ本部。カー用品の卸売、小売、車検・整備等を行っています。ASEANを中心に店舗出店などを行う海外事業や、ディーラー・BtoB事業・ネット事業なども展開しています。

前期(24.3期)は暖冬による冬季用品の売上低迷や、パッケージ変更に伴う店舗在庫の価格低減措置などの影響で、減収及び営業利益は31%の大幅減益となりました。今期(25.3期)は、確認可能な15.3期以降で各利益項目が最高となる見通しです。

20.3期-24.3期の中計では、5カ年累計の総還元性向100%とする方針を掲げています。配当金は、前期(24.3期)の記念配当分を除くと1株あたり60円で、今期(25.3期)も維持される計画です。

東洋紡 (3101)

1882年、紡績会社として創業。現在は、独自技術を活かした「高機能製品メーカー」です。フィルムや機能樹脂を主軸に、進出分野は多岐に亘ります。

前期(24.3期)は増収であったものの、営業利益は前期比10%超の減益でした。販管費の増加のほか、包装用フィルムの原材料価格高騰と在庫調整のタイミングが重なり、価格転嫁が遅れたこと等を要因として挙げています。今期(25.3期)は、増収かつ各利益項目で増益と、業績回復の見通し。また、今期は食品包装フィルムの値上げも進んでいるもようです。EV用樹脂の生産能力も2025年に現在の2倍になる計画を報じられています。

安定的な配当の継続を基本方針とし、総還元性向の目安は30%です。18.3期から今期計画まで、1株当たりの配当金は40円で一貫しています。コロナ特需の反動などで業績と株価が沈み、配当利回り水準が上昇。ただ、市場予想では今期以降回復基調を見込んでおり、好機到来ともいえるでしょう。

日本化薬 (4272)

1916年、産業用火薬メーカーとして創業。現在は、半導体向けのエポキシ樹脂等の機能化学品のほか、国内最大の抗がん薬ラインナップの医薬品事業や染料事業など多分野に展開。『世界的すきま発想』を掲げ、得意領域で世界No.1製品の開発を目指しています。

前期(24.3期)は、原材料価格の高騰が痛手となりました。今期(25.3期)目標の営業利益は125億円と前期比70%増となる見通しですが、中計目標の265億円には満たず、株価は沈んでいます。

配当性向の目標は40%以上とし、今期計画では1株あたり45円の配当を実施予定です。自社株買いも機動的に実施しており、現在も9月まで約30億円分を実施中です。

山陰合同銀行 (8381)

山陰地方を地盤とする地方銀行。松江銀行(島根)と米子銀行(鳥取)の合併により、設立されました。島根県を本拠地とする地方銀行として、貸出金残高はトップを誇ります(24.3期)。

前期(24.3期)は貸出金残高の増加などを背景に、収益性の悪化した外債の売却を行いながら、3期連続となる過去最高の純利益を達成。今期(25.3期)も、過去最高の収益・純利益を更新予定です。また、計画数値には織り込まれていませんが、日本の政策金利が0.25%まで上昇した場合、今期は単体で19億円の増収となるとシミュレーションを提示しています。好調な業績を背景に、株価も堅調に推移していますが、PBRは0.6倍台と割安水準です。

配当性向の目安は40%で、累進的な配当実施を掲げ、原則減配を行わないとしています。今期は4期連続の増配となる1株当たり48円の配当を実施予定です。

生化学工業 (4548)

糖質化学に特化した医薬品・医療機器メーカー。医師による処方が必要な、「ヒアルロン酸」を主成分とした医薬品がメイン製品です。また、医薬品や衣料品の製造過程において、品質管理を目的として使用される測定用試薬の製造・販売も行っています(LAL事業)。営業利益でみると、医薬品事業はブレが大きい傾向がありますが、LAL事業は安定的に利益を確保しています。海外売上高比率は約4割で、円安が追い風です(25.3期の期中平均予想為替レートは1ドル145円)。

前期(24.3期)は売上高が前期比8%の増収となりましたが、設備メンテナンスなどの費用がかさみ、各利益項目が減益でした。今期(25.3期)は、増収や研究開発費の減少などにより、各利益項目が前期比で大幅増益となる見通しです。純利益も税金費用の増加があるものの、前期比57%の増益を予想しています。

配当方針は、1株当たり年間26円を基本としています。今期は業績回復に伴い、1株当たり年間30円が会社計画です。

山口フィナンシャルグループ (8418)

山口銀行(山口)、もみじ銀行(広島)、北九州銀行(福岡)の3銀行と、保険や、人材コンサル、地域商社など、20以上の専門会社を有する広域金融グループです。前期(24.3期)は、貸出金収益の増加などを背景に、増収増益となりました。今期(25.3期)も、過去最高の純利益となる見通しを示しています。

配当性向の目標は40%。今期は14期連続増配と、3年連続となる100億円の自社株買い計画を発表。1株あたりの配当金は60円で、前期の43円から大幅増額されるもようです。

▽当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。東証プライム市場を中心に好業績が期待される銘柄・株主優待特集など、気になる話題についてわかりやすくお伝えします。

鈴木 英之
鈴木 英之
SBI証券 投資情報部長
・出身:東京(下町)生まれ埼玉育ち
・趣味:ハロプロの応援と旅行(乗り鉄)
・特技:どこでもいつでも寝れます
・好きな食べ物:サイゼリヤのごはん
・好きな場所:秋葉原(末広町)
ラジオNIKKEI(月曜日)、中部経済新聞(水曜日)、ストックボイス(木曜日)、ダイヤモンドZAIなど、定期的な寄稿も多数