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(画像=株式会社南勝)
印南 和行(いんなみ かずゆき)
株式会社南勝 代表取締役
全国不動産売却安心取引協会理事長、一級建築士、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)。1972年、東京都生まれ。建築の専門学校を卒業後、建設会社で現場監督経験を積み、2011年に株式会社南勝を設立。不動産会社向けのコンサルティングを手がけ、400社以上の業績回復をサポート。 特に媒介獲得コンサルタント®️として活躍している。著書に『プロ建築士が絶対にしない家の建て方』(日本実業出版社)がある。
株式会社南勝
2011年設立。 住宅購入アドバイスチャンネル「YouTube不動産」(チャンネル登録者10万超)、不動産売却アドバイスチャンネル「不動産売却【全国おうち売却相談窓口】」や「全国おうち売却相談窓口」サイトを運営。現在は、不動産会社向けのコンサルティングを通じて、地域の不動産業者が顧客に質の高いサービスを提供できるようにサポートし、業界全体の信頼性向上に努め、不動産市場をより活発にするための活動をしている。

目次

  1. これまでの経歴や事業変遷
  2. ブレイクスルーとなった出来事について
  3. コロナ禍以降の変化
  4. PDCAを回す上で重要視していること
  5. 今後の経営・事業戦略や展望
  6. ZUU onlineのユーザーに向けて⼀⾔

これまでの経歴や事業変遷

—— まずは創業のきっかけについて、お聞かせ願えますでしょうか?

株式会社南勝 代表取締役・印南 和行氏(以下、社名・氏名略) 当社は2011年に創業しました。創業時のきっかけは、みなさんが中古住宅を買う時に、安心して決断できるように、住宅診断というものを世の中に普及させて、利活用いただきたいと思ったことでした。

私はもともと建築現場で働いていたのですが、前職の時から中古住宅の購入を検討している知人や友人から相談を受けることが多くありました。そこで、住宅購入の際に頼れる存在をサービスとして事業化できるのではと考え、独立を決断しました。

—— 独立後の事業変遷はいかがでしょうか?

印南 最初の3年はインスペクション(建物状況調査)事業に集中して取り組み、会社規模としては小さいながらも、徐々に応援してくれる方を増やしていきました。事業としての珍しさからか、宅建協会様から講師の依頼があったり、不動産会社とのお付き合いが増えていきました。

ただ、当初は不動産会社からはあまり良く思われませんでした。なぜなら、不動産会社が営業している物件を、我々が検査することによって、購入を躊躇するお客様が現れたためです。一方で、しっかり検査してお客様に示すことは大事だと考える不動産会社の方もいて、そういった会社の営業担当の方に簡易検査の方法をお伝えしたり、講師として講演する機会をいただいたりと、徐々に活動の幅を広げていきました。その後、不動産会社だけでなくリフォーム業者やシロアリ業者の方からも講演の依頼が増えました。

—— その後、現在の主事業である不動産営業のコンサルはどのような背景で開始されたのでしょうか?前職時に営業経験はありましたか?

印南 前職は現場や建築士としての活動が中心だったため、営業経験はありませんでした。しかし、当社で不動産会社やリフォーム会社に、検査結果を活かした営業のノウハウを伝授し始めたことがきっかけで、次第に同じような悩みを持つ方々から相談を受けるようになりました。そこで、不動産に関するさまざまな提案をするために、一緒に行動して立案することで成果が出始めました。それがきっかけで、研修コンサル事業として展開することを考えました。

—— 営業経験がない中で、どのようにして営業ノウハウを身につけられたのでしょうか?

印南 インスペクションを通じて、消費者の気持ちを理解することができたのが大きかったと思います。不動産会社の言動や嫌がることを顧客目線で理解し、信頼関係を築くことが重要だと感じました。お客様が不満や不安を抱えているからこそ、私を呼んでくれたのだと思います。それを聞いて、どうすれば良いかをアドバイスすることで、成功に繋がりました。

—— 社長は、お客様と不動産会社の営業をうまく繋ぐ役割を果たされてきたのですね。

印南 そうです。お客様がどのように感じているかを理解し、それを営業に伝えることで、営業の方も適切に対応できるようになります。この循環を作ることで、営業研修に繋がっていきました。

—— 営業研修を始められたのは、事業を始めてからどのくらい経ってからだったのでしょうか?

印南 研修コンサルを始めたのは、創業してから3年ほど経ってからです。最初は数社程度のサポートから始まりましたが、次第に事業として成長していきました。

印南代表
(画像=印南代表)

ブレイクスルーとなった出来事について

—— 研修コンサルを始めて10年とおっしゃっていましたが、何かブレイクスルーのきっかけや、大きく成長を感じた瞬間はありましたか?

印南 クライアントの成果がどんどん出てきて、お客様の声に協力してもらった時からですね。それで「印南先生に教えてもらい助かりました」という声が増えて、それを聞いて「受けたい」と言ってくださる方が増えました。

—— 社長の中で特に支持を受けた要因は何だったと思いますか?

印南 一生懸命クライアントと動いていたことが大きかったと思います。例えば、一緒に営業同行して、どうすればいいか一緒に考え、ツールを作ったりしました。

—— フィードバックの構築も含めて、不動産会社と二人三脚で進めてきたという感じですか?

印南 そうですね、何社の会社さんと一緒に同行させてもらいました。

—— 不動産会社の営業さんは、お客さんの考えを掴むのが得意でないこともあるかもしれませんが、その辺りはどう思われますか?

印南 例えば、売却を預かる時のサポートや、購入時のサポートをしているのですが、物件案内でお客さんと見に行った時に「中古だから壁にひび割れがあるけど大丈夫かな」と言われることがあります。中古はこういうものですよと根拠なしに説明するだけではお客様は不安になってしまいます。そこで、計測して基準値以下であることを説明すると安心できます。知識をつけることが大事だと伝えていました。

—— 不動産業界は査定の際にしっかり実施しないということはあるのでしょうか?

印南 そうですね、例えば査定の際に家を見て傾いているかどうかの検査をしないことが多いです。見ただけではわかりませんが、傾いている家とそうでない家では査定金額が変わります。計測しないで査定するのはおかしいと思います。

お客さんからしても、しっかり検査をして査定してくれる人とそうでない人なら、前者を信頼します。そのため、検査の重要性を教えています。インスペクションをやっているからこそ、価値が生まれたのです。

—— そういう意味では、営業としてのマインドセットよりも、知識面や、お客様に信頼してもらえる要素を伝えることが重要だったのでしょうか?

印南 そうですね、不動産営業研修を探すと、マインド面が重要視される傾向がありましたが、そこは良い意味で差別化できたのかもしれません。

コロナ禍以降の変化

—— その後、コロナ禍でスタイルを変えられたとお聞きしましたが、どのようなプロセスで変えていったのでしょうか。

印南 コロナになるまでは、1社1社に直接行って研修をしていました。しかし、コロナ禍以降はZoomを使ったグループ研修が可能になり、価格もリーズナブルになりました。これにより、多くの企業にアドバイスできるようになりました。また、集客も楽になりましたね。以前はセミナーを開催するために現地に行く必要がありましたが、今ではZoomでどこからでも参加できるようになり、効率が良くなりました。

—— 確かに、Zoomなら移動時間が削減され、全国のお客様へ同様の内容を届けることができますね。

印南 本当にその通りです。全く違う環境になりました。Zoomのおかげで、研修の内容も7回にわたって45分のセッションを週1回、2ヶ月間行う形にしました。研修後は10ヶ月間グループでフォローする体制にしています。

—— 受講者同士の繋がりはどのように保たれていますか。

印南 Zoomでは質問タイムを設けているので、そこでディスカッションが行われます。また、半年に1回クライアントが集まる勉強会や懇親会を開催しています。大きな会場で50社ほどが参加しています。

—— それは素晴らしいですね。また、印南社長といえばYouTubeに力を入れられていると思いますが、YouTubeを始められたきっかけは何だったのでしょうか。

印南 動画の時代が来ると思ったのがきっかけです。お客さんがホームページで査定依頼をする際に、どんな人が来るのか不安に思うはずです。動画でその様子を見せることで安心感を与えられると考えました。自分が教える立場になる前に、まず自分で学ぼうと思い、そういうセミナーや研修会に参加したり、学んだりしました。

—— YouTubeの伸びはいかがでしたか?

印南 YouTubeを始めてから10万人の登録者に達するまでに3年かかりました。1年目で5万人に達するまでが特に辛かったです。最初は全く誰にも見られず、動画をアップするたびにGoogleからマイナス評価をつけられることもありました。

—— その辛い時期をどうやって乗り越えたのですか。

印南 動画を作る際に師事した先生に「まず100本動画を上げなさい」と言われたのが心に残っていました。100本の動画を作るのは大変でしたが、その目標があったからこそ続けられました。もしその言葉がなかったら、途中で諦めていたかもしれません。

—— 先生の言葉が道しるべとなったのですね。

印南 そうです。やはり目標がないと挫折してしまいます。まずは100本の動画を作ろうと決め、それでダメだったら次の手を考えようと思っていました。

PDCAを回す上で重要視していること

—— PDCAを回すということについて何か社長の中で重視していたことがあれば教えていただけますか?

印南 そうですね、とにかく早くやるということを意識していました。やろうと思ったらすぐに行動に移すという感じです。**

**—— 成功するための要素は他にもあると思いますが、なぜそこを意識されたのですか?

印南 早くやればやるほど、疑問点や課題感も多く出てきます。それが成長を早めると考えています。まずはやってみるという姿勢が重要ですね。**

—— ありがとうございます。この辺りの話、また後半で詳しく伺いたいと思います。

 

今後の経営・事業戦略や展望

—— 今後の事業展開について、目指していることや、具体的に進めたいプロジェクトはありますか?例えばアライアンスやPR活動、人材採用の構想など、社長のビジョンをお聞かせいただければと思います。

印南 そうですね、我々は「おうち売却の達人」として、家を売りたい方と信頼できる営業担当者をマッチングするサービスを目指しています。特に、しっかりとサポートできる担当者を紹介したいと考えています。

—— そのマッチングサービスを立ち上げた背景には、どのような意図があったのでしょうか?

印南 元々、不動産企業としては非常に優秀なのに、ネームバリューがないために選ばれないクライアント様が多くいました。そういった方々は、街の不動産屋さんとしての信頼性をもっとアピールする必要があると感じていました。そのため、YouTubeで売却の注意点を説明する動画を配信したところ、多くのコメントやメッセージをいただくようになりました。これをきっかけに、もっと町の不動産屋さんでしっかりした方をたくさん紹介しようというアイデアが生まれ、これをさらに大きく展開したいと考えています。

ZUU onlineのユーザーに向けて⼀⾔

—— この記事の読者さんに向けて、何かメッセージをいただけますでしょうか。

印南 ぜひ、私たちが提供するマッチングプラットフォームをぜひご活用いただきたいと思います。アライアンスやビジネスの拡大に役立つと思いますし、一般の方々にも価値ある接点を提供できると考えています。

—— おうち売却の達人としての取り組みについて、どのような目標をお持ちですか?

印南 まずは、おうち売却の達人を1000人増やすことを目指しています。その達人たちが高品質なサービスを提供することで、不動産業界全体の活性化を図りたいと考えています。特に、街の不動産屋さんが活性化するような形を目指しています。

—— なるほど。1000人の達人を目指すというのは具体的で素晴らしいですね。それによって不動産業界全体がどのように変わることを期待していますか?

印南 達人たちが増えることで、地域の不動産業者がより多くの顧客に質の高いサービスを提供できるようになります。それが業界全体の信頼性向上につながり、結果的に不動産市場がより活発になることを期待しています。

—— 非常に興味深いお話をありがとうございました。今後の取り組みにも期待しています。

氏名
印南 和行(いんなみ かずゆき)
会社名
株式会社南勝
役職
代表取締役