総括
FX「内外情勢混沌も人民元円は21円台で安定、習主席はG20で積極外交」人民元見通し
(通貨4位、株価9位)
予想レンジ 人民元/円 21.2-21.7
(ポイント)
*トランプ政権の保護主義に対し、習国家主席はG20で積極外交
*内外情勢混沌も人民元円は21円台で安定推移、11月
*トランプ関税引き上げ前の駆け込み輸入、一時的に米貿易赤字拡大、中国は黒字拡大
*LPRは据え置き
*第一次トランプ政権下での関税引き上げと人民元は
*北京と上海が住宅購入の促進に向けて減税
*10月鉱工業生産、予想下回る 消費は好調
*若年失業率、10月は17.1%に低下
*対中強硬派のルビオ上院議員を米国務長官に指名
*ルビオ氏は中国から制裁を受けている
*ルビオ氏は親日、親台湾
*10月消費者物価伸びず
*ゴールドマン・サックスなどが成長見通し引き上げ
(内外情勢混沌も人民元円は21円台で安定推移、11月)
11月はここまで対円で0.42%高、対ドルで1.71%安、12通貨中7位で推移している。
トランプトレードでドル高元安も、日本円ほど安くはない。10年国債利回りは2.09%で安定推移。上海総合指数は月間で2.69%高、ハンセン指数は3.01%安。年間ではそれぞれ
13.21%高、15.59%高。年初来ではマイナス圏にも陥っていた株価指数だが、9月の一連の経済対策で急騰したが、10月後半からは伸び悩んでいる。
(トランプ関税引き上げ前の駆け込み輸入、一時的に米貿易赤字拡大、中国は黒字拡大)
米国で最も忙しい海事貿易センターでの輸入量は、企業が10月に入っても引き続き過去最高値に近づいた。関税が引き上げられる前に商品の輸入を急ぐと同時に、東海岸などの代替港での労働力に伴う操業の混乱を避けるためでもある。 10月、ロサンゼルス港は20フィートの標準コンテナ46万2,740個を輸入した。港湾データによると、同港は10月に12万2,716個の輸出コンテナと31万9,570個の空コンテナを処理した。近くのロングビーチ港では10月に100万個近い輸出入コンテナと空コンテナを取り扱い、2カ月前に樹立した記録を更新した。
(LPRは据え置き)
今週は主要な指標がない。LPRは予想通り据え置きとなった。
人民銀行は11月20日、銀行貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)を据え置いた。
1年物は3.1%に、5年物は3.6%。
中国当局は9月下旬以降、金融緩和から財政措置、不動産市場支援に至る一連の景気刺激策を発表してきた。ただトランプ次期米大統領の経済政策や対中関税引き上げ懸念に伴う元安によって、中国の金融緩和は当面制限される可能性がある。
(第一次トランプ政権下での関税引き上げと人民元)
第一次トランプ政権下の2018年、米国の対中関税第一弾で元は対ドルで約5%下落、貿易摩擦がエスカレートした1年後にはさらに1.5%下落した。 今月5日の米大統領選以降、元は対ドルで1.71%下落している。
(北京と上海が住宅購入の促進に向けて減税)
政府は11月13日、住宅や土地の取引に対する税優遇措置を発表した。購入から2
年以上経過した不動産を売却する場合は増値税が免除される。譲渡税の課税基準も従来の90平方メートルから140平方メートル超に引き上げた。
(10月鉱工業生産、予想下回る 消費は好調)
10月の鉱工業生産は伸びが前月から鈍化し、予想を下回った。小売売上高は大型連休やインターネット通販セールの押し上げ効果で予想から上振れたが、不動産部門の低迷が続いた。
鉱工業生産は前年比5.3%増加と、9月の5.4%から鈍化し、予想の5.6%増を下回った。
小売売上高は4.8%増と、9月の3.2%増から加速。予想の3.8%増も上回った。
財政出動の加速が今後数カ月にわたり経済活動の循環的な回復を支えるが、米大統領選でのトランプ氏の勝利がそれ以降の見通しに影を落としている。
(若年失業率、10月は17.1%に低下)
16-24歳の10月の失業率(就学生を除く)は17.1%で9月の17.6%から低下した。25-29歳の失業率(同)は6.8%で9月の6.7%からわずかに上昇した。