この記事は2024年12月12日に「テレ東BIZ」で公開された「コロナから復活! 旅行会社じゃない!? JTBの大進化:読んで分かる「カンブリア宮殿」」を一部編集し、転載したものです。
目次
感動&便利な旅が続々~これまでにない京都の楽しみ方
学問の神様が祀られる京都市の「北野天満宮」。まだ人の気配のない朝の境内に続々と人が集まってくる。現れたのは朝日に輝く美しい紅葉の空間だ。300本を超えるモミジの絶景で知られる北野天満宮の「もみじ苑」(12月15日まで公開)。日中は大行列の人気スポットに早朝、貸し切りで入ることができるというJTBの限定ツアーだ(※すでに終了しています)。
JTBが仕掛ける時間外の紅葉ツアーは朝だけではない。紫式部に縁がある「三井寺」。夜6時前、拝観時間が終わった境内で、ツアー客をライトアップの演出が出迎えた。貸し切りなので記念写真に待ち時間もない。
JTBが次々と仕掛ける拝観時間外の紅葉ツアーには狙いがある。
「オーバーツーリズムが観光の課題になっているので、少しでも分散をして、ゆっくりと落ち着いて見ていただければと、時間の分散に取り組んでいます」(京都仕入販売センター・米澤華純)
コロナが収束し、多くの海外からの旅行客で観光地がパンクするオーバーツーリズム。地下鉄路線が少ない京都では今、バスが日常の足となっている市民は悲鳴を上げていた。
JTBの挑戦1~京都を救う? 9分で行けるパワースポット
京都の大混雑を解消するためJTBが挑んでいるのは時間の分散だけではない。
滋賀支店・宮川一朗と京都仕入販売センター・岡村充明がやってきたのは琵琶湖を臨む滋賀県の大津港。地元で船を運航している「琵琶湖汽船」が、JTBと一緒に新たな遊覧船のツアーを準備しているというのだ。狙いは海外からのインバウンドだ。
「大津は京都から2駅で9分。京都の一極集中から新しい人流を作るのに少しでも貢献できたら」(岡村)
電車を使えば京都駅からわずか9分と、大津は京都から近い。琵琶湖を走る観光船で魅力的なツアーを組めば、京都の観光客を琵琶湖エリアに分散させられると考えているのだ。
実際、古くから湖上交通が栄えていた琵琶湖には魅力的な観光資源が豊富にある。例えば琵琶湖の北部にはパワースポットとして知られる「竹生島」。小さな島内には歴史的に価値のある建造物も多く、霊験あらたかな場所として密かに人気を呼んでいる。
▽琵琶湖の北部にはパワースポットとして知られる「竹生島」
JTBは琵琶湖を新たな観光コンテンツとすることで京都の混雑解消を狙っているのだ。「京都の周りにもたくさんいいところがありますが、あまり知られていない。深く知ってもらうために琵琶湖を盛り上げたい」(岡村)
常識を超える挑戦で新たな旅~コロナ禍から復活の立役者
JTBの挑戦2~観光客の数はそのまま、混雑が消えた謎の滝
熊本支店の中村亮介が案内してくれたのは熊本・阿蘇山のほど近くにある小国町の絶景スポット「鍋ヶ滝」。豊富な水量は神々しく、滝の裏側まで散策できる、あらゆるところから大自然を感じられる場所だ。ところが、あまりの人気のため問題が起きていた。
「コロナ前で年間20万人以上。地形の問題で大型バスが接近できないので渋滞がひどく、自分が住民だったらたまらない。『観光客、来ないで』と思ってしまうでしょう」(中村)
大混雑の状態だった「鍋ヶ滝」。それを解消した立役者が、JTBが開発した混雑を緩和できる予約システム「チケットHUB」だ。混雑する週末などは、「チケットHUB」で事前に予約し、発行されたバーコードをかざさなければ入場できない仕組みだ。これにより客が集中していた時間を分散化。全体の観光客数は減らさずに混雑を防ぐことに成功したという。
▽JTBが開発した混雑を緩和できる予約システム「チケットHUB」
「渋滞しなくても、お金も地域にどんどんもたらされています」(中村)
住民の悩みを解決できた小国町も「課題として町が抱えていたオーバーツーリズムが解消され、JTBさんに大変ありがたく思っています」(小国町役場商工観光係・新家龍太郎さん)と感謝している。
今までにないさまざまな取り組みで観光地を活性化しているJTBを率いるのは、4年前、かつてない厳しい状況で社長を任された山北栄二郎(61)だ。
「コロナの間は今までにない状況だったので、しっかり立て直すのがメインでした」
2020年、コロナが世界中を襲い、旅行に関するビジネスが一瞬で消滅。人の移動がなくなるという最悪のタイミングで社長に就任。赤字から這い上がり、売り上げ1兆円台に回復させることに成功した。
JTBの挑戦3~島に人を呼び込むハイテクサービス
瀬戸内海に浮かぶ小豆島はオリーブの生産量日本一、島内には魅力的なスポットがいくつもある。
そこに今年オープンしたのは、オリーブオイルのアロマを使い、瀬戸内海の絶景を見ながら癒しの滞在ができる施設「千年オリーブテラスfor your wellness The STAY」。敷地内にあるのは樹齢1,000年のオリーブの木。その貴重な実から抽出したオリーブオイル「ジ・オリーヴオイル ミレニアム」(11万円)という商品も売っているが、「まだ知ってもらえてない、もっと来てほしいです」(「小豆島ヘルシーランド」柳生敏宏社長)と言う。
2023年度の観光客数は91.6万人(コロナ前の9割)で、宿泊者はコロナ前の6割。
そんな小豆島を最新技術でブレイクさせようというのがエリアソリューション事業部の高島達朗。JTBはAIを手がけるベンチャー「エイトノット」と組んで、交通が不便な小豆島を便利に回れるよう自動運転船を整備しようとしているのだ。
「目的地をタブレットから選択するだけでAIが自動的に安全なルートをひいてくれます」(「エイトノット」堂谷香菜子さん)
「今まで陸上だと1時間かかっていたところを、海上だと15分。いままでの陸上交通のストレスを解消したいと思います」(高島)
試乗のために訪れていた小豆島町の大江正彦町長は「JTBさんが乗り出してくれて大歓迎。うれしかったです」と言う。
続いて高島がやってきたのは小豆島が誇る絶景スポット「寒霞渓」。準備しているのがドローンだ。ドローンのベンチャーと組んで観光地にあったサービスを開発している。
「自動でドローンを離発着させて、『寒霞渓』のすばらしい景色と自分を動画に収めて感動を味わってもらいたい」(「fly」船津宏樹CEO)
観光客のためにドローンが自動で撮影。スマホに絶景映像を転送してくれるサービスだ。
便利な欧州ぶらり旅に密着~名所巡りから穴場探検まで
今、ヨーロッパを満喫できるJTBのユニークなツアーが人気を呼んでいる。旅慣れていない人でも気軽に楽しめる、今までにないバスツアー「ランドクルーズ」だ。
さまざまな都市をつなぐコースが最短4日のものから100以上用意されていて、それを組み合わせることで自分に合わせたバスツアーを組むことができる。
「ヨーロッパのいろいろなところにツアーがあって、出発する街も選べます。例えば『チェコ・プラハで開始してドイツを回り、オーストリア・ウィーンで終了』のように自由に組み合わせることができます」(ランドクルーズ日本語現地添乗係員・田邉葵)
例えばオーストリアのウィーンからハンガリーのブダペストへ行くコース。朝、出発したバスは、ウィーンを離れて1時間ほど走るとハンガリーとの国境に。国境を越えながらヨーロッパを感じられるのもバス旅ならではの魅力だ。
バスはこの日最初の目的地ショプロンに到着。中世の面影を残す街並みの、オスマン帝国の攻撃を逃れた数少ない町で、普通のツアーではなかなか立ち寄れない。
▽「ランドクルーズ」はガイドが同行する一方、自由行動の時間が多く食事も好みのものを食べられる
「ランドクルーズ」は、ガイドが同行する一方、自由行動の時間が多く、食事も好みのものを食べられる。ツアーの安心さと気ままな旅のいいとこ取りなのだ。同じバスに複数のツアーの参加者が乗っているため、途中で他のコースへ分かれていく参加者も少なくない。
実は「ランドクルーズ」の開発を手がけたのはヨーロッパ駐在時代の山北だ。
「ヨーロッパは地続きで、いろいろな形で地上を移動していくことで、田舎や、自分で手配していくには大変な場所に、バスで安全に訪れていただく。かつ、自由に旅行をしたい時、2日間だけ乗って乗り換えて違うところに行くとか、自由度の高いツアーです」(山北)
山北は40代から50代にかけてヨーロッパに赴任。JTBの海外事業拡大を強力に推し進めてきた。「ランドクルーズ」は、現地で買収したバスツアー会社のサービスを日本人向けにカスタマイズしたものだ。
ツアーのバスは夕方4時、ハンガリーの首都ブダペスト市内へ。ドナウ川のほとりで世界遺産の街が輝きを放っていた。
顧客のニーズに寄り添い旅を進化させ続けるのがJTBの強さの神髄だ。
いまや旅行会社ではない?~交流創造事業&様変わり修学旅行
奈良・天川村の秘境「みたらい渓谷」でJTBが企画した催しに、続々と参加者が到着する。その1人1人に巨大なカメラを渡し始める。
プロによる撮影講座が始まった。これは「富士フイルム」が行う最新モデルの体験会。フルセットで100万円近くするカメラを実際に触ることができる。
▽フルセットで100万円近くするカメラを実際に触ることができる
イベント自体を企画し、取り仕切っているのがJTBだ。旅行中心だったJTBは、企業と組んで人を集めるビジネスにも挑んでいる。
「JTBは旅行だけでなく、人を集める。今回もユーザーを集めた企画で、人を集めることによって企業もお客様もウィンウィンに。人と交流を創造する交流創造事業に力を入れています」(ビジネスソリューション事業部・若園賢吾)
今、JTBがこだわるのが交流を生み出す事業。山北は、旅行業の枠組みを捨て、交流創造事業こそがJTBの新たな事業目標だと打ち出している。
「事業を交流と捉え、旅行業から交流創造事業へ。そもそも事業自体を大きく交流の場と捉え直して、新しいビジネスを作っていくことを考えています」(山北)
JTBが交流を生み出し、実際にビジネスにつなげている現場を取材した。
グローバルビジネス推進課・岡﨑宏昭が訪ねたのは、宮城・塩竃市の「直江商店」。「おとうふかまぼこ」という小麦や卵を一切使用しないかまぼこが人気のメーカーだ。
岡崎は1週間前、オーストラリアのシドニーへ赴き、水産加工品の商談会を開催。「直江商店」など22社の商品を現地のバイヤーへ直接売り込み、その報告をしにきたのだ。この商談会はJTBが行う輸出を促進するイベント。三陸などの水産加工品メーカーと海外のバイヤーとの間に交流を生み出すことで、新たなビジネスを作り出していく。
「JTBさんは旅行のイメージだったので、商談会と聞いて意外な組み合わせと感じたのですが、しっかりサポートしていただき、頼りがいのある企業だと思いました」(「直江商店」商品企画チーフ・渡邊未妃さん)
福島・相馬市のメーカー「マルリフーズ」はJTBの輸出促進イベントに何度も参加してきた。あおさを使ってさまざまな商品を開発。JTBのサポートで、すでに海外とのビジネスが始まっているという。
「マレーシアとオーストラリアにここ数年、複数回の注文をいただいているお客さんがいる。十分、効果が出ています」(営業部部長・阿部純也さん)
旅行業から交流創造事業へ。JTBのビジネスは一気に拡大している。
JTBの変化はかつてのドル箱、修学旅行でも起きている。札幌教育旅行センター・大串真一がやってきたのは札幌市の札幌新陽高校。修学旅行を控えた生徒たちに「修学旅行の学びを効果測定」するためだ。
▽JTBが修学旅行に導入している学習効果を測定できるサービス「J’s GROW」
JTBが修学旅行に導入している学習効果を測定できるサービス「J’s GROW」。生徒たちは、修学旅行のさまざまな活動についてどんな思いを持っているかなど、事前アンケートに回答。このデータが、修学旅行から戻った後に検証されるという。
「生徒の意識にどんな変化が起きたのか、それぞれの活動について測れる。『学びにつながらなかった』『期待通りでなかった』となると、『コンテンツを入れ替えたほうがいい』などと改善につながります」(大串)
「J’s GROW」を実施することで修学旅行を通して、論理的思考力や課題設定力など具体的な成長を測定することができるという。すでに全国約40の学校で導入されている。
「『行って終わり』ではなく、『この経験はこうだった』と振り返りができることは大事。それを助けてくれるツールだと期待しています」(赤司展子校長)
創業時は外国人客向け事業~穴場の富士山、驚きの新施設
京都市内にある創業206年を数える旅館「柊家」。川端康成の定宿として知られ、あのチャップリンも宿泊したという京都を代表する宿だ。
6代目の女将・西村明美さんが見せてくれたのは「日本の文化を紹介する本」。80年前のものだという、英語で日本を紹介する冊子だ。当時は珍しかった外国人をもてなすために
▽80年前のもので英語で日本を紹介する冊子「日本の文化を紹介する本」
「客室係が細かくご説明できないので、この本を海外からのお客様に渡して日本文化への理解を深めていただいたいのだと思います」(西村さん)
当時、この冊子を全国の旅館に配っていたのが「ジャパン・ツーリスト・ビューロー」。JTBの前身だ。実はJTBは創業時、日本へ来る外国人客向けの事業を行っていた。日本の良さを海外へ発信することが最大の使命だったのだ。
そんなスタートから112年。海外からの観光客が多く訪れる富士山観光の玄関口、河口湖駅。駅前からちょうど見えるビルの窓に、英語が流れる電光掲示板が。入り口から次々と外国人が吸い込まれていく。JTBが2023年に作った自社で運営する観光案内所、「ツーリストベース河口湖」だ。
館内では、ほうとうが食べられたり、鎧兜の体験コーナーがあったり、駄菓子まで並んでいる(30分、1,500円)。
「河口湖に外国の方がいらっしゃって、オーバーツーリズムの観点から、ここから山梨県内のさまざまなところに観光客が分散する仕組みを作るため、2023年にオープンしました」(観光開発プロデューサー・代永政人)
同じ場所に客が殺到している富士山観光。ここでは穴場スポットを教えて、連れて行ってくれる。9コースあるというバスの周遊ツアーについていくと、気持ちのいい山に到着。突然、富士山の絶景が姿を現した。笛吹市の「FUJIYAMAツインテラス」だ。
▽笛吹市の「FUJIYAMAツインテラス」富士山の絶景が姿を現す
近くには絶景を見ながら楽しめるカフェ「リリーベル ヒュッテ」も。ここもJTBが運営する。(※4月下旬~11月下旬営業予定)
JTBは山梨県内にいくつもの観光拠点を整備、「カイフジヤマロード」と名付け、富士山エリアの新たな魅力を伝えようと取り組んでいる。
「山梨にはまだまだ魅力的な観光コンテンツがたくさんある。山梨県内を回遊させる仕組みが『カイフジヤマロード構想』です」(代永)
現在、JTBは、甲府駅から近いにもかかわらず客足が少ない湯村温泉を、新たな宿泊の受け皿として、地元とタッグを組み、整備しようとしている。せっかく訪れてくれた海外の観光客に少しでも日本を楽しんでもらいたい。創業から変わらぬJTBの信念だ。
和歌山県にある世界遺産「熊野古道」。決してアクセスがいいとは言えない場所だが、今、スペイン人の間で「熊野古道」のツアーが「神聖」「自然が豊か」と人気を呼んでいる。JTBはわざわざスペイン語ガイド付きツアーをつくり、熊野エリアを売り込んで来た。
▽和歌山県にある世界遺産「熊野古道」ツアーが「神聖」「自然が豊か」と人気を呼んでいる
日本の魅力を海外に発信し続けて112年。旅は今後、どう進化していくのだろうか。
便利なJTBの使い方~驚きのクルーズ船&宇宙旅行に挑戦
客が「ゴールデンウィークにいいところある?」などと旅の相談をしているのは、パソコンの向こうにいるJTBの「リモートコンシェルジュ」(無料)。応対しているのは、JTBでも35人しかいない、あらゆる旅に詳しい「ロイヤルスタッフ」の高澤美紗だ。
「自分も旅行が好きなので、好きなところにお客様が行ってくれるのは楽しいです。お客様のワクワク感を引き立てたい」(高澤)
コロナ禍に立ち上げたサービスだが、忙しい顧客向けに利用が増え、この半年だけでも4,000件の旅行がこれで成約している。
横浜の埠頭にやってきたJTBクルーズの中島秀二。停泊しているのは12月1日に就航したばかりのクルーズ船、「三井オーシャンフジ」だ。
▽12月1日に就航したばかりのクルーズ船「三井オーシャンフジ」
船に乗り込んだ中島はスイートルームを入念にチェックする。
「91日間という長旅になるので、こちらがお客様のご自宅になる。くつろぐ空間になりますから、疑問点を極力払拭してご乗船をいただきたいなと」(中島)
船は全室スイートという日本初のプレミアムなクルーズ船。「JTB南米ワールドクルーズ」(90泊91日、1人630万円~)は太平洋の島々を巡り、3カ月かけて南米大陸を一周するツアー。イースター島やペンギンが生息するフォークランド諸島も回るという。
「世界中の客船の中では小型の部類の客船ですが、小さいからこそできる」(中島)
大型クルーズ船に比べ、乗船客は10分の1以下という小型船だが、施設はゴージャスだ。甲板のプールやジェットバスはもちろん、さまざまなショーが行われるステージにラグジュアリーなスパ。あの三國清三シェフが監修している料理も提供される。
こだわりが詰まったJTBのツアーに、運行する「商船三井クルーズ」は、「どのように船内でおもてなしをするか、そのノウハウはJTBさんがたくさんお持ちですので、それを私どもとすり合わせながら取り組んでまいりたいと思っています」(ホテルゼネラルマネージャー・川野惠一郎さん)と言う。
一方、山北が見せてくれたのは、球体の中に人が乗る謎のマシン。
▽「成層圏へ気球で上がっていく新しいかたちの宇宙旅行です」と語る山北さん
「成層圏へ気球で上がっていく。地球を宇宙から見ているような景色を楽しんでいただく新しいかたちの宇宙旅行です」(山北)
北海道の宇宙ベンチャー「岩谷技研」と挑むプロジェクト。早ければ2025年の春以降に実現するという。価格は1人2,400万円だ。
常識を超えて旅を進化させるJTBはこんな壮大な挑戦にも参加している。
※価格は放送時の金額です。
~村上龍の編集後記~
山北さんは、コロナ禍で社長就任をした。大変だったと思う。やったのは「分散」だ。JTBが苦手なことだった。得意だったのは「集中」だ。企業研修を集中させる。場所と時間、人気のあるスポットに集中させる。それを止めた。分散は、多様化を意味する。
熊野古道にスペイン人を呼ぶ、それだけでも恐ろしく手間がかかる。分散には手間がかかる。「ランドクルーズ」という周遊バス商品がある。119のコースがあり、出発日と現地での自由さ、添乗員がいるという快適さを両立させている。「交流を創造する」よく理解できる。