本記事は、桑原晃弥氏の著書『ドナルド・トランプの名言』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

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(画像=JenkoAtaman / stock.adobe.com)

声に出して『なんてすてきな1日だろう』と言ってみよう

―― 「トランプ 最強の人生戦略」

今日という1日を「いつもと変わらない昨日の延長」と見るのか、「新しい1日の始まり」と見るかでは、人の気持は大きく変わることになります。

「日本の資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一によると、中国のいん王朝の創始者・湯王とうおうは洗面器に「1日を新たな気持ちで、日々を新たな気持ちで、また1日を新たな気持ちで」と刻み込んでいたといいます。たしかに朝起きて、「あーあ、また昨日と同じことの繰り返しか」と思うと、途端にやる気が失せて、渋沢が言うところの「精神が先細り」していくことになります。反対に「今日も新しい1日の始まりだ」と前向きに捉えれば、何か新しいことに挑戦しようという気持ちになれるものです。

トランプは、「成功は態度から始まる」と考えていました。トランプはマンハッタンに進出した頃から既に「成功した起業家」のように振る舞っていましたが、そうやって「自分は成功するに決まっている」と信じて、成功者のように振る舞い、考えることができれば、実際に成功できると信じていたからです。

とはいえ、たいていの人は「今の自分」を見て、「とても成功者とは言えないよな」と嘆き、まだ何ものでもない者のように行動してしまいます。しかし、これでは永久に成功がやってくることはありません。

トランプによると、勝利者らしい、自信に満ちた態度を心がけていれば、成功は向こうからやってくるのです。そのためには意識改革が必要になります。決して難しいことではありません。トランプは言います。

「声に出して『なんてすてきな1日だろう』と言ってみよう」

朝、目が覚めたら、ベッドから起き上がる前に、1日の始まりを喜びと共に迎えるひとときを過ごします。今日という1日が自分の将来のために、とても大切な、特別な日であると考え、そして「なんてすてきな1日だろう」と声に出すのです。

こうすることでアイデアが湧き、ポジティブなエネルギーが生まれ、顔に微笑さえ浮かびます。

すると、体中に活力がみなぎり、「今日もがんばろう」という元気が出てくるのです。こう言うと、「それくらいで元気になれるなら苦労しないよ」という声が聞こえてきそうですが、大切なのはまず自分自身が「すばらしい1日」であることを信じ、「きっと成功する」と自信を持つことなのです。

まずは意識を変える。自分で自分を信じる。それが成功へのスタートラインに立つことなのです。

ワンポイント
成功したいのならまず意識改革を。朝は「なんてすてきな1日だろう」と声に出す。

美しさに触れると、生活の他の部分も美しくしたくなる。
そのようにして、より高いレベルに到達できるのだ

―― 「トランプ 最強の人生戦略」

トランプの「美しい女性好き」はよく知られています。美女好きが高じて、1996年にはミス・ユニバース機構を買収していますし、1999年にはモデルのマネジメント会社「トランプ・モデル・マネジメント」という会社も設立しています。

「美しい女性と美しい服は最高の組み合わせだ」(「金のつくり方」)と話し、ミス・ユニバースの権利を買った理由をこう話しています。

「私は美しい女性が好きで、事業家でもあるので、いい考えだと思った。そしてやってみたら実際、うまくいったのだ。そんな単純なこともあるのだ」(「金のつくり方」)

トランプには「美しい女性」とともに「美しい建物」を好む傾向があります。こう言いきっています。

「私は早いうちから自分が美しいものに目がないことを知っていた。人の美しさにも、建物の美しさにも引かれるのだ」(「金のつくり方」)

たしかにトランプは若い頃から美しい建物を好み、情熱を注ぎ込んでもいます。女性にしろ、建物にしろ、芸術作品にしろ、トランプはなぜこれほどに美しさにかれるのでしょうか?

「トロフィーワイフ」という言い方があるように、美しい女性は成功した男性にとってトロフィーのような価値を持っています。美しく豪華なものに囲まれると、成功者として、金持ちとしての満足感を味わえるし、他人に「どうだすごいだろう」と見せびらかすこともできます。

トランプにこうした面があるのはたしかでしょうが、一方でトランプ自身は「美しさに触れると、生活の他の部分も美しくしたくなる。そのようにして、より高いレベルに到達できるのだ」と話しているように、美は成功者たちをさらなる高みに引き上げ、学びと成長の機会を与えてくれ、すべての努力に報いてくれるものだと考えていました。

どうせ手がけるのなら、美しいものを手がけた方がいい。ずば抜けたものをつくり、提供すれば、その人は高い美意識、プロ意識を持ち、いつだって最高の仕事をすると、世間に知らせることができるというのです。トランプの仕事への情熱は心の底から愛するものへの熱中から生まれています。

トランプに限らず、理想的な生き方は愛するものを見つけて情熱を注ぎ込むことです。それが自然と成功へとつながることになるのです。

ワンポイント
仕事をするなら美しいもの、最高のものを提供するようにしよう。
『ドナルド・トランプの名言』より引用
桑原晃弥(くわばら てるや)
1956年、広島県生まれ。経済・経営ジャーナリスト。慶應義塾大学卒。業界紙記者などを経てフリージャーナリストとして独立。トヨタ式の普及で有名な若松義人氏の会社の顧問として、トヨタ式の実践現場や、大野耐一氏直系のトヨタマンを幅広く取材、トヨタ式の書籍やテキストなどの制作を主導した。一方でスティーブ・ジョブズやジェフ・ベゾス、イーロン・マスクなどの起業家や、ウォーレン・バフェットなどの投資家、本田宗一郎や松下幸之助など成功した経営者の研究をライフワークとし、人材育成から成功法まで鋭い発信を続けている。
著書に『トランプ108の言葉─読むだけで人生に革命が起きる』(すばる舎)、『ドナルド・トランプ勝利への名語録─世界を揺るがす90の言葉』(PHP文庫)、『限界を打ち破る 大谷翔平の名言』『藤井聡太の名言 勝利を必ずつかむ思考法』『世界の大富豪から学ぶ、お金を増やす思考法』『自己肯定感を高める、アドラーの名言』『不可能を可能にする イーロン・マスクの名言』(以上、ぱる出版)などがある。

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