メキシコペソ見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「メキシコの株が頗る強い。ペソは6位で健闘」メキシコペソ見通し

予想レンジ 7.0-7.5

(通貨6位、株価2位)

 (ポイント)
*IMFが成長見通し下方修正、シェインバウム大統領が反論
*メキシコの株が頗る強い。ペソは6位で健闘
*4月前半CPI上昇、10年国債利回りも上昇
*2月小売売上冴えず
*メキシコ安堵の面も
*来週はGDP、リセッションは?
*公的債務は6年ぶりの高水準
*フィッチが投資適格級を維持、好悪材料併記
*指標は引き続き弱くリセッション懸念もあり
*OECD、IMFの成長見通しは大幅下方修正
*S&P、フィッチがメキシコの財政運営を評価

(メキシコの株が頗る強い。ペソは6位で健闘)
 4月9日に対円で6.84円の安値をつけた。現在は7.28円、今月は対円で0.55%安、年初来で3.45%安。年初来で6位だが、「米国が中国に245%の関税を課す」などの混乱でリスク回避で買われる円やスイスフランに引き離されたが追いついてきた。
ボルサ株価指数も、年初来13.87%高と希望が持てる。世界2位。日経平均やナスダックの10%以上の下げと比べれば健闘している。株が強いということはトランプ関税のリスクが低下していると見ているのだろう。10年国債利回りは9.72%、年初の10.83%からは低下している。

(メキシコ安堵、株価好調)
 メキシコはトランプ大統領の関税による影響が他国よりも少ないようだ。今のところ全面的な打撃を回避できている。
メキシコはUSMCA協定の対象の商品は免税。さらに対象外の輸入品に25%の関税賦課だが、これも緩和する発言がトランプ政権から出ている。精査すれば米国も大きな打撃を受けることが分かってきたのだろう。それが関税賦課実施が2月、3月、4月と延期され、さらに90日延期されている。時間が立てばたつほど米国関税の不適切さが明らかになってくるだろう。
 メキシコとの交易も元の状態へ少しずつ戻っていくのだろう。それが株価の好調さに繋がっている。

(IMFが成長見通し下方修正、シェインバウム大統領が反論)
4月のIMF成長見通しでは1月の1.4%成長から、0.3%縮小と大きく下方修正された。米国との関税戦争によるものだ。ただシェインバウム大統領は2025年に0.3%縮小するというIMFの予測に同意しないと反論した。
 シェインバウム大統領は、今年の同国経済がマイナス成長になると予想したIMFに反論し、公共支出が市場の逆風への防御につながると述べた。大統領は「IMF予想の根拠が分からない。われわれは同意しない。財務省の経済モデルはこの予想と一致しない」と述べた。
IMFは予想の下方修正について、「24年末から25年初めの経済活動が予想より弱いこと、米国による関税発動の影響、それに伴う不確実性と地政学的緊張、資金調達条件の引き締まり」を反映していると説明した。

(CPI上昇、10年国債利回りも上昇)
 4月前半消費者物価は前年同月比3.96%上昇、予想の3.89%、前月の3.67%を上回った。
コアも3.9%上昇、予想の3.78%、前月の3.56%を上回った。
 年間インフレ率は予想を上回ったものの、目標である2-4%の範囲内にかろうじてとどまった。シティメキシコは最新の期待調査で、調査対象となったエコノミスト36人が中央銀行が5月15日に金利を引き下げると予想していることを明らかにした。

(小売売上冴えず)
 2月小売売上高は前年比1.1%縮小。前月の2.7%増加から悪化した。この減少は、8ヶ月連続の縮小が終わり、一時的な回復を見せた後のことだ。自動車関連サービス🄬の売上が3.3%減少した。

(今後の指標は?リセッションは)
 今日は2月経済活動指数。来週は3月貿易収支と失業率、1Q・GDP、4月製造業PMIなどの発表がある。リセッションを免れるかどうか。