株式会社ECスタジオ
(画像=株式会社ECスタジオ)
嶋田 怜輔(しまだ りょうすけ)――代表取締役社長
1984年2月 東京都生まれ。
大学卒業後、複数の通販会社にて商品開発・プロモーション・制作と様々な業務を包括的に経験。2014年にECスタジオを創業。
通販におけるコンサルティングも行いながら、finebase/WEEED/finesports等のブランド立ち上げ実績、薬局ecメディカルの立ち上げ実績を持ち、cellnote/H2onest等の数々のブランドのサポート実績も兼ね備える。MA等も積極的に行い、合計で4社の買収実績、また売却実績も持つ。現在はジェイフロンティアの傘下に入り、グループとしてヘルスケアサイクルを構築すべく邁進中。
ECスタジオは、化粧品やサプリメントの自社D2Cブランドの開発・運営や 他社様のブランドのサポートを行うBeauty & Health ビジネスカンパニーです。

目次

  1. これまでの事業変遷
  2. 飛躍的な成長を遂げた秘訣
  3. 経営判断をする上で重要視している点
  4. 今後の事業展開や投資領域
  5. メディアユーザーへ一言

これまでの事業変遷

—— 事業編成についてお聞かせください。

株式会社ECスタジオ 代表取締役・嶋田 怜輔氏(以下社名、氏名略) 創業のきっかけは、通販会社で働いていた経験から、より良いものをより良い価格で提供したいという想いがありました。しかし、創業当初は資金が不足していたため、在庫を抱えることができず通販はできませんでした。例えば、原価が約1,000円の商品を1,000個製造するには約100万円が必要で、それにプロモーション費用も加えると約500万円が必要です。最初から当たるかは不確定のため2回勝負するとなると倍の1000万ですね。ですが、創業当初は資金が全くなかったので、最初の1年はコンサルティングのような形で数社を手伝いながら資金を貯めました。その後、通販を開始したという流れです。

現在もコンサルティングは行っていますが、売上の大部分は物販に移行しています。通販がメインの事業となり、ブランドの確立と商品数の拡大を進めてきました。

—— その後どのように事業を拡大されたのでしょうか。

嶋田 2015年には通販事業を本格化させ、商品を次々と市場に投入しました。そして、2022年には中村社長と出会い、ジェイフロンティアグループに参加させていただきました。現在はグループとしての目標、目的をしっかり共有しながら事業展開しています。

飛躍的な成長を遂げた秘訣

—— 飛躍的な成長を遂げてきた秘訣についてぜひお伺いしたいです。

嶋田 ある程度のタイミングでヒット商品が出ることが大きいですね。例えば、月に1万個以上売れる商品が何年かに一度生まれると、会社の数字的な成長が見えます。組織としては毎年成長していますが、売れる商品が出ると、数字上の成長が顕著に見えるという感じです。

—— 組織の成長が右肩上がりであることを前提として、売れる商品が出てくる要因についてもう少し詳しく教えていただけますか。

嶋田 私が得意なのは、月に3,000個程度売れる商材を生み出し続けることです。最初の数年は自分で作りましたが、その後は任せている人たちが作ってくれています。売れる商品を生み出すには、作ることと販売することが連動していることを理解しなければなりません。良いものを作っただけでは売れないので、戦略的に動ける人材が必要です。

—— 良い商品を作るだけではなく、売り方も重要ということですね。

嶋田 さらに通販では店舗がない分、オンライン上の集客が必要で、コストやLTVを考慮しなければなりません。お客様と継続的にコミュニケーションを取ることも重要です。利益が出ないと売上は上がりませんし、広告費もかけられません。弊社では商品開発という部署はなく、ブランドごとに責任者を置いていて、全てを任せています。

例えば化粧品ブランドのWEEEDを展開する「ReDECORATE」やサプリメントブランド「finebase」のようなブランド、そして複数あるモール販売の部分はそれぞれ責任者に任せています。サプリメントは私もある程度関与している状態ですが、化粧品は100%任せている状態です。自分が使わないものは作りづらいので、任せる部分と関与する部分は意識しています。経営面でも、私は主にCFやBSを見ており、PLはそれぞれの責任者に任せています。

—— 任せられる人材の育成についてはどうお考えですか。

嶋田 難しいですが諦めずに頑張って成長してくれた結果だと思います。何かを乗り越え、自分の存在価値を示してくれたからこそ任せられる部分があるので。 また、育成方針ではないのですが、コミュニケーションは重視しているというか好きなので、話している時間が多いのかな?と思います。また、具体的に教える、指示というよりは、話しながら導いていく形の付き合いの方が多いです。

結果として育成に力を入れているかは他社様とは比較できませんが、いい成長速度で皆進んでくれていると感じています。

先ほども話しましたが、美容やモール、サプリメントの各分野では責任者がしっかりしているので、新規事業は私が関与していますが、既存事業はほぼ任せられています。

経営判断をする上で重要視している点

—— 経営判断をする上で、重要視している点はどういったところでしょうか。

嶋田 経営判断で悩むことは少ないですね。例えば、何かを購入する際には必要だから買うというシンプルな判断をします。経営においても、メリットとデメリットを洗い出して問題がなければ進めるという考え方です。あとは継続することかなと思います。改善し続ける事をやめない事を大事にしています。

—— 新規事業に関してはどうでしょうか?

嶋田 新規事業については、ある程度の予算や目標がありますので、それに基づいて判断します。例えば、毎期の売上目標や利益目標が設定されているので、それを基準にして判断を行います。また、新規事業だけではなく社内のポリシーとして、お客様と従業員の両方が幸せになることを目指すという方針があります。利益率の高い商品を不当に高く売ることはしません。そうした決まり事が社内に浸透しており、そこも判断基準になっていると思います。

—— 社内文化についてもう少し教えていただけますか?

嶋田 提案のないただの批判をしないことや謙虚であることを大切にしています。例えば、メーカー側である弊社は会社同士のやり取りの中でどうしても立場的に上になりがちになってしまうため、勘違いしやすい環境にあると思います。そのため常日頃謙虚に行動すること、そして自責の念を強く持ち、責任を他人に押し付けないことも重要です。 他には当事者意識や視座の部分に関して、社内で常に伝え続けています。

—— コロナ禍での働き方の変化についてはいかがでしょうか?

嶋田 コロナ禍で在宅勤務が増えたことで、毎週会社の状況や私の考えをドキュメントで社員に共有するようになりました。私の視点から見た状況や理解してほしいことをストレートに伝えることで、社員が会社の方針を理解しやすくなっていると思います。これにより、コミュニケーションが円滑になった側面もあると思います。

—— 対面でのコミュニケーションと在宅勤務について、どのようにお考えですか?

嶋田 対面でのコミュニケーションは非常に重要だと考えています。特にマネージャー層にとっては、対面でのやり取りが効率的です。しかし、在宅勤務のメリットもあるので、出社をメインにバランスを取りながら進めています。

今後の事業展開や投資領域

—— 事業方針とその背景を教えていただけますか?

嶋田 ジェイフロンティアグループにジョインして以降、我々はヘルスケアにおける「循環」を重視した経営を進めています。ジェイフロンティアのメイン事業の1つであるオンライン診療・服薬指導のSOKUYAKUで疾患を治しつつ、グループ全体の健康食品や漢方で健康寿命を延ばしながら化粧品で心も健康に。そして必要があれば再び薬で治療するというヘルスケアサイクルを実現するために、医薬品から健康食品や化粧品通販、健康に関する情報提供、さらには物流網まで、グループ全体で包括的に対応しています。

具体的には、ECスタジオとして健康・美容に関する商品を中心に展開しつつ、前期から医薬品の分野にも進出しています。現在は第二類医薬品まで扱っていますが、より効果の高い薬の販売=第一類医薬品の販売を視野に入れています。そのため、薬剤師の配置や薬局の買収なども検討中です。 化粧品も、より多くのお客様に選んでいただけるような展開を模索中です。

—— 非常に多岐にわたる展開ですね。グループの一員としての自由度についてはいかがでしょうか?

嶋田 グループとしての目標は共有し目指していますが、経営の部分では結果を出していく前提の元、基本的には独自の判断で事業を進める自由があると感じています。たとえば、商品開発やプロモーションに関して「こうしなさい」という指示はなく、売上目標をクリアする範囲で自由に進めています。去年はECスタジオとしてもM&Aも行い、グループ会社の経営も任されている状況です。
一方で、相談事や悩み事も中村代表を筆頭に色々な方からアドバイスもらえる環境でもあるので非常にありがたいと感じます。

この自由度が大きい理由として、ジェイフロンティアが「各社の独自性を尊重する」という方針を持っている点が挙げられるでしょう。また、子会社に負荷をかけない配慮があるため、我々も結果を出すことに集中できています。

—— 社内での組織づくりや人材育成についてもお伺いしたいです。成長を支える体制はどのように考えていますか?

嶋田 人材育成は非常に重要視しています。 以前はなかった評価制度も数年前に現役員と作り始め、毎年ブラッシュアップし続けています。 必要なポジションがあるならそこに入れるではなく、そこになってもらう。という形を基本的には考えているので、闇雲に採用を増やすという考えは持っていません。むしろ、既存のメンバーを成長させ、ブランドを作り上げられる人材や、各部署を任せられる人材が社内から出てきたらいいなと思っています。そのため、採用は必要最低限にとどめ、現メンバーが新しい挑戦を通じて成長できるようサポートしています。

たとえば経理や財務といった重要な管理業務も、私が直接見ながら若手メンバーと一緒に行っています。彼は現在27歳ですが、30歳までに重要なポジションを担えるように育てたいと思っています。一部例外はありますが、ポジションを上から埋めるのではなく、内部から成長してポジションを作ることが理想です。

—— 新規事業や組織拡大の過程で、人材の採用や配置にどのようなアプローチをとられていますか?

嶋田 新規事業を始める際には、そのプロジェクトに必要なスキルや人材を検討して採用を行います。ただし、現時点で明確な採用計画があるわけではありません。むしろ、既存の部署がが自発的に「こういう人が必要だ」と感じた場合に採用を行う形をとっています。

一方で、組織の拡大に伴い、既存メンバーがより大きな役割を果たせるようにサポートしています。そのため、リーダーシップを発揮する機会を増やし、結果的に組織全体の活性化を図っています。

メディアユーザーへ一言

—— 最後に、メディアユーザーに一言お願いできますか?

嶋田 我々を含め、ジェイフロンティアグループは優れたサービスや商品を提供しています。ぜひご利用ください。

グループのもとに優秀な仲間が集まり、化学変化を起こしています。5年後10年後にはグループとして今よりも面白いことが起きていると思いますので、ご期待ください。

また、ECスタジオ単体としても、成長してきた歴史があります。上がったり下がったりを繰り返しながら、何とかやってきた会社です。これからも現状維持をせずに挑戦を続けていきます。個人的にも経営者としてまだまだ成長していけると信じています。これを改めて決意表明としてお伝えしたいと思います。

氏名
嶋田 怜輔(しまだ りょうすけ)
社名
株式会社ECスタジオ
役職
代表取締役社長

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