本記事は、吉武 麻子氏の著書『無駄をスッキリさせて、人生の質を高める 時間デトックス』(日本実業出版社)の中から一部を抜粋・編集しています。

無駄をスッキリさせて、人生の質を高める 時間デトックス
(画像=miss_irine/stock.adobe.com)

「時間がない」が口グセになっていませんか?

7割以上の人が時間に追われている

「やらなきゃいけないことがまだあるのに、もう夕方! 時間がない!」
「疲れがたまっていて、週末はダラダラしがち。やりたいことに時間を使えない!」
「時間がないのに、気づいたらスマホを1時間も見ていた」

これらに、思い当たる節がありませんか?
「時間がない」という言葉をよく使っている自覚がある人も、「無意識のうちに使っているかもしれない」と気づいた人もいると思います。

皆さんおわかりの通り、時間には限りがあります。
しかし、時間は、お金のように目に見えて減っていくものではありません。また、今という一瞬が過ぎても、時間は当たり前のように絶えずあるように思えます。だからこそ、時間は価値あるものだと認識しながらも、ダラダラと過ごすなど、時間を無駄に使ってしまう経験は、誰しもあるのではないでしょうか?

あなたに「時間がない」のはなぜ?

そもそも、なぜ多くの人は「時間がない」と思うのでしょうか?
1日は24時間と決まっています。「時間がない」と思うのは、24時間で実際にできること以上に、やることを詰め込んでいるからです。
また、「時間に余裕があるはずなのにうまく時間を使えていない」と思う場合は、「何をしよう」と考えている時間が長いからです。情報量が多い時代だからこそ、選択肢も多く、決めるのが難しいともいえるでしょう。

一言で「時間がない」といっても、その背景には2つの要因があります。「『やりたいこと』がありすぎて時間がない」と「『やらなきゃいけないこと』がありすぎて時間がない」の2つです。これらは、一見同じですが、実は似て非なるものです。
その違いは、時間のコントロール権を自分が握れているかです。「『やりたいこと』がありすぎて時間がない」は、自分にコントロール権があって自分で選んだ結果、時間に追われている状態です。一方「『やらなきゃいけないこと』がありすぎて時間がない」は、自分以外にコントロール権があって時間に振り回されている状態です。

自分が選んだ結果なら、時間の使い方を見直せばいいだけです。
24時間という箱に、やることをあふれるほど詰め込んでいるので、優先順位を見直し、やることを絞れば「常に時間に追われて、時間をコントロールできない状態」から抜け出せます。
しかし、他人にコントロール権がある場合は、時間の使い方を見直すだけでは根本的な解決にはなりません。世間体や思い込み、または他の人やもののせいで「やらなきゃいけない」と思っていると、主体的に動くことはできません。何のためにやるのかもわからず、ただ「こなす」だけで終わってしまいます。

「やらなきゃいけない」に苦しんでいませんか?

また、気持ちの面での違いもあります。「やりたい」には前向き、喜び、気軽さなど、ポジティブな気持ちが強い一方で、「やらなきゃ」には後向き、苦しさ、面倒など、ネガティブな気持ちが(どちらかというと)強くなります。
「やらなきゃいけない」というネガティブな感情のままでは、行動するにしても、乗り気ではないのに進まなければいけません。いわばブレーキをかけた状態でアクセルを踏むような状態です。

そのような「やらなきゃいけないこと」を抱え続けるとどうなるでしょう? 自分に負荷をかけ続けることになり、苦しくなることが想像できますね。だからこそ、「やらなきゃいけない」と思う背景をひもとき、適切な対応をするのです。

では、「やらなきゃいけない」と思う背景には、どのような思いがあるでしょうか?

  • 人に頼まれたから
  • 仕事はそういうものだから
  • 親や妻(夫)は、そうあるべきだから
  • 嫌われたくないから
  • やりたいことをやるために必要だから

など、さまざまな気持ちがあります。
「時間がない」理由や背景は人それぞれです。まずは、この理由を明らかにしていきます。そして、「やりたいこと」に時間を使っていく意識を持ちましょう。

まずは、やることに対して「自分でコントロール権を握る意識」を持つことから始めます。「やりたいこと」に使う時間を徐々に増やしていきましょう。

「時間がない」が口グセのあなたへ、それ、本当に“やるべきこと”ですか?
吉武 麻子(よしたけ・あさこ)
1981年、神奈川県生まれ。TIME COORDINATE株式会社代表取締役。大学卒業後、旅行会社勤務を経て、26歳で韓国留学。その後、現地法人でキャスティングディレクターとして24時間365日仕事に追われる日々を過ごす。帰国後、キャリアとライフイベントの狭間で葛藤した経験から、疲弊せずに毎日を楽しみながら仕事のパフォーマンスもあげていく「タイムコーディネート術」を考案し、のべ4,000名以上に指南。心地よい時間の使い方で、ありたい未来をつかみに行くための「タイムコーディネート実践プログラム」や「タイムコーディネーター養成講座」を開講。また、シリーズ100万部発行の『時間の超基本』の監修や、タイムコーディネート手帳の製作販売、企業研修、時間の専門家として各種メディアにて掲載・連載執筆を行っている。2児の母。

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