本記事は、吉武 麻子氏の著書『無駄をスッキリさせて、人生の質を高める 時間デトックス』(日本実業出版社)の中から一部を抜粋・編集しています。

週に1回の振り返りで「やりたいこと」「やりたくないこと」を確認する
毎週の振り返りをしていますか?
タスクを1週間単位で管理するのと同様に、振り返りも1週間単位で行うことがおすすめです。
やりたいことや目標があるなら、行動したままにせず、実現に近づいているかどうか、他によい方法はないかなど、進捗状況を確認する必要があります。
もちろん、毎日の簡単な振り返りもすると、なおよいです。ただ、毎日の振り返りは、「1週間の計画に対して今日はどこまで進められたか」という確認だけで大丈夫です。何もかもをしっかりやろうとすると、それが大変になり、続きません。
振り返りには、PDCAサイクルのPlan(計画)を立ててDo(実行)した結果の、Check(検証)とAction(改善)のイメージが強くあると思います。
PDCAサイクルでやったことを、客観的に検証・改善していくことは確かに大事です。しかし、タイムコーディネートではその前の「気持ちの振り返り」を最も大事にしています。
「振り返り」は、建前ではなく、本当に自分がやりたいことなのか、心地よいことなのか、自分の気持ちを見つめることです。
やりたいことではないけど、やりたいことを実現するためにやると決めたことや、経験値を積むために「今は」やると決めていることもあるでしょう。
しかし、それは問題ありません。流されてではなく、世間体や常識による「こうすべき」という思い込みでもなく、自分で決めた行動は問題ないのです。
反対に、流されてやってしまったことはないか、「こうすべき」と思い込んでやってしまったことはないかを確認してほしいのです。
理想と現実を橋渡しするポイント
現実と理想のギャップを自覚したら、そのギャップを埋めていくための棚卸しをしていきましょう。階段を1段上ったら理想の状態にたどり着くほど、このギャップは簡単ではないと思います。
思い込みが現実をつくる
たとえば、私がキャスティングディレクター時代に、現実と理想の時間の使い方にギャップを感じた時のことです。
仕事時間に4時間ものギャップがあったので、まずは現状の時間を見直しました。
確かに、当時の仕事では、海外出張や夜中までの撮影もありましたが、それが毎日続くわけではありません。
仕事時間が長いと感じていた原因は、いつ電話がかかってくるのかわからない状態だったからです。就業時間が終わってもそわそわして、自分の時間を大切にできていませんでした。
友人と一緒にいても、電話がかかってきて会社に戻ったことは何度もあります。その瞬間の「あ~あ」という何とも言えない気持ちが嫌でたまらなく、プライベートの約束をあまり入れなくなっていきました。
ここで初めて、自分の時間が仕事にコントロールされていると気づきました。やりがいのある仕事をしているにもかかわらず、毎日がどんどんつまらなくなっていき、「こんな人生嫌だ!」と思ったのを覚えています。
そこから、自分の感情と時間の使い方を振り返っていきました。すると、仕事に時間のコントロール権を握られていたと思っていたけれど、実は自分の思い込みがその現実をつくっていることに気づいたのです。
仕方がないと勝手に諦め、考えるのを放棄し、それが当たり前だと思い込み、自分の時間や人生を諦めていることにようやく気づきました。
その気づきがあってから、具体的な改善方法を考えられるようになっていきました。
緊急の電話がかかってきて会社に戻ることになったとしても、その時はその時だと気持ちを切り替えることにして、プライベートの時間を充実させることを優先しました。でも何をしたらいいかわからなかったので、ひたすら検索してヒントを探しました。その中で、起業という働き方を知り、起業に舵を切っていったのです。
違和感に気づき行動を変える
理想と現実の橋渡しのカギとなるのは、現実で感じている「違和感」です。違和感を違和感のまま放置しないでください。ご相談を受けていても、「何かわからないけどモヤモヤする」と言う方はとても多いです。その「何かわからない」を言語化しながら解明していくことが重要です。
違和感を解明していくうえでも、毎日「楽しかったこと」を3つ書き出すことがおすすめです。今日楽しかったことにまずは目を向けるのです。
次に、違和感やネガティブなことにも目を向けます。ただ、感情がすごく揺さぶられている時は落ち着いてから目を向けるのでも大丈夫です。冷静な判断ができなさそうなら、寝てすっきりしてください。
違和感に目を向けられるようになったら、何に対してそう思ったのか、掘り下げて書き出してみてください。
そこから、自分ができる「行動」を思いつくままに書き出してみましょう。自分は変えることができますが、他人は変えることができません。まずは自分です。そして、行動しなければ現実は変わりません。自分の行動で、どうやって違和感を解消するか考えるのです。具体的な行動を書き出しましょう。

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