本記事は、岡本 康平氏の著書『“また会いたい”と99%思われる 『人たらし』のコツ100』(総合法令出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

謝罪は早めが肝心!原因・理由は簡潔に
自分がミスをしてしまったとき、すぐに謝りたいけれど、相手を怒らせて大ごとになるかもしれないと思うとビクビクしてしまうものです。しかし、ここは勇気を持って早めに対処すべきところ。会える状況であれば、すぐに直接お詫びに行き、難しいようなら即、電話で謝罪しましょう。謝罪は顔が見える方法が有効だと、カリフォルニア大学のパトリシア・エリッソンも主張します。
潔く謝罪するほうが大ごとにならない
たとえば、「交通機関のトラブルで、大事な会議に行けなかった」「配送会社への確認が行き届かず、お客様への商品の配送が期日に間に合わなかった」というような、ミスの原因が自分だけではなく、ほかの人やほかの機関も関与している場合、自分の非を認めづらく、謝罪が言い訳っぽくなってしまうこともあります。
しかし、他の要因も絡んでいるかもしれませんが、それを長々と説明すると、「この人は謝っているようで謝っていない」と捉えられ、かえって心証が悪くなってしまうでしょう。だからこそ、「自分に非があった、ここを注意すべきだった」と潔いほうが誠意は伝わります。ただ、原因説明も全くなく、「全部自分が悪かった」「すべて私の責任」など、一言で終わらせるのもよくありません。「早く謝罪を終わらせたいのね」と取られる可能性もあるので、やはり原因や対策はきちんと説明しましょう。
クレームを言うときは冷静に交渉するほうが得
クレームを言うのがめんどうになって、そのまま放っておいてしまったり、逆に感情的になって後味悪く終わってしまう、ということもあるかもしれせん。こちらの意図は、クレームで何らかの解決策や補償を得ることが目的なので、いつまでに何を得たいのか(解決策、代替品、賠償金など)を、はっきりさせておく必要があります。
お客様窓口などへクレームを伝える際は、対応している相手は問題の当事者でない場合も多く、怒りで圧倒してひたすら謝らせても時間の無駄です。いずれにしても、冷静な態度で話し、相手が不誠実な態度をしたときにだけ怒りを示すほうが相手には刺さります。クレーマーの四割は何らかの〝復讐〟を考えていると、ティルブルフ大学のマージェ・エルスホウトの研究結果から明らかです。慎重に進めるほうがよいでしょう
事実だけを伝えて、具体的な対応を引き出す
そして、相手側の非を「あんたが確認をし忘れたからだ!」などと主観で指摘するのではなく、「○月○日に届く予定の商品が届かなかった」と客観的な事実を伝えます。ただ、相手にもできることと、できないことがあります。相手がどこまでなら対処できるかを探り、落としどころを見つけます。相手が当事者ではなく、会社側に責任がある場合は、「あなたの責任でないのはわかっています。でも、そこは会社と掛け合ってもらえませんか?」と相手の立場に共感しながら交渉するのも有効です。
ダメ出しするときは「提案型」の言い方で伝える
会社の同僚や家族、友人など、同じような立場の身近な人にダメ出しをするときは言い方に気をつけないと、「お前に言われたくない!」とイラ立たせたり、プライドを傷つけて気まずくなってしまったりと、めんどうなことになってしまうこともあります。部下や後輩でも、少し気難しい人や生意気そうな人に対しては、言い方に工夫を加えたほうがよさそうです。
そこでぜひ使いたいのが、提案型のダメ出し。問題点を直接指摘するのではなく、「あなたのその発想もいいけど、自分だったらこう考えるなぁ」とか、「ほかにもこういうやり方があると思うんだけど、どうかな?」などと、相手を尊重しながら個人的な意見として、相手に提案してみるのです。カンザス大学のカレン・オークインは、相手に選択権を与える提案は物事をスムーズに進めるという研究成果を発表しています。
ダメ出しを提案に変えると快く受け入れてくれる
ストレートにダメ出しされるより、新たな意見として提案されると、プライドも傷つかず、「なるほど、そうかもしれない」とおだやかな気持ちで受け取ってもらいやすくなります。相手に指摘やダメ出しをするということは、それだけ相手に期待しているということ。「あなただったら、私よりもっといいものができあがりそう!」「ここまでの完成度を出せるなら、あなたならもっとすごいものが作れそうだね!」などと期待を込めつつ、相手を勇気づけるとより力を発揮してくれるでしょう。

両親が営む会社で働き始めるも業績の悪化により倒産、多額の借金を背負う。
転職活動で悩んだことをきっかけに、コミュニケーションや心理学を研究。
その後、不動産会社の営業として再就職を果たし、7年で借金を返済。
現在は、コンサルタントとして企業の人材育成や社内コミュニケーションの活性化支援をライフワークとしている。
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