本記事は、中島 健寿氏の著書『年上との話し方で人生は変わる』(総合法令出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

オフィスで働く男女のビジネスマン
(画像=ディムライト / stock.adobe.com)

日々積み重ねた信頼が未来を大きく変える

年上からの信頼は、自分では想像もしていなかった未来の扉を開いてくれる。

たとえば、私は昨年、28歳のときに、台湾で3,000人以上の前でスピーチをする機会を得た。

このチャンスも、自分からつかみに行ったものではなかった。

信頼してくれた年上の方が、「彼ならきっとできる」と推薦してくださったことで、初めて実現したものだった。

自分ひとりでは決して立てなかったはずの舞台。

年上の信頼が、想像を超えたステージへと私を運んでくれた。

また、地中海を巡るクルーズにも招待されたことがある。

異国の海、初めて目にする景色、普段の延長線上では絶対にたどり着けなかった場所に身を置いたとき、自分のクリエイティビティが鮮やかに目を覚ましたのを覚えている。

こうした経験のひとつひとつが、「まだ見ぬ世界」を体感させてくれた。

そしてそのすべての根底には、信頼して引き上げてくれた年上の方々の存在があった。

チャンスは、自分ひとりでつかみに行くものではない。

誰かとの信頼関係の中で、ふと手渡されるものだ。

だからこそ、日々の小さな積み重ねが、未来を大きく変える力になるのだと、私は心から信じている。

「引き上げられた人」は、「引き上げる人」になる

引き上げられた人だけが知っているものがある。

それは、「誰かに信じてもらえることが、どれだけ心強いか」という感覚だ。

たった1人でもいい。

本気で信じてくれる存在がいるだけで、人は驚くほど強くなれる。

逆に言うと、そんな影響力のある人が1人でも見つかったら、それだけで人生は、大きく動き出す。

ましてそれが、経営者や影響力のある年上の方だったとしたら、その後の人生に与えるインパクトは、計り知れない。

私もこれまで、何度も年上の方に救われ、背中を押してもらってきた。

だからこそ、少しずつ立場が変わってきた今、意識していることがある。

それは、「今度は自分が、誰かを引き上げる番だ」ということだ。

引き上げられた経験がある人は、自然とわかる。人がもがいている時、必死にもがいているその姿が、どれだけ尊く、どれだけ輝いて見えるかを。

だから、まだ実績がなくても、まだ結果が出ていなくても、その人の「これから」を信じて手を差し伸べることができる。

誰かを引き上げることに、見返りを求める必要はない。

「今すぐ結果を出してくれ」と焦る必要もない。

ただ、「この人はきっと未来で花を咲かせる」と信じる力だけがあればいい。

かつて自分がそうしてもらったように。

信頼のバトンは、巡り巡って、未来へと繋がっていく。

引き上げられた人が、今度は誰かを引き上げる。そうしてできる小さな循環が、確実に世界を変えていく。

私も、あの日もらった無償の信頼に、少しずつ、でも確実に応えていきたいと思っている。

“年上との話し方で人生は変わる
中島 健寿(なかじま・けんじゅ)
1996年、栃木県生まれ。立正大学法学部卒。 大学卒業後、独立。
わずか3年で世界10カ国以上で展開し、1万人以上の組織を作る。
ビジネスの傍ら、現在は、これまでの経験をもとに「信頼され、引き上げてもらえる人になるためのコミュニケーション術」を軸にセミナーや講演を全国で展開。
また、10歳で野球を始め、中学時代には専用グラウンドもなくわずか5人しかいないチームを2年で日本一に導く活躍を見せる。15歳で日本代表として国際大会に出場し、アジア大会準優勝。白鷗大学足利高校時代には同校初の選抜甲子園出場を果たす。
大学時代には明治神宮野球大会で人生2度目の日本一を経験。それぞれの世代で常に学生野球の頂点を極めてきた。 プライベートでは5歳、3歳、0歳の三児の父。

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