本記事は、菅原 洋平氏の著書『仕事が速い人があたりまえにやっていること』(アスコム)の中から一部を抜粋・編集しています。
先延ばしをなくす超簡単な方法
「先日、会議の議事録作成を頼まれました。でも、私はその会議でちゃんと話を聞いてなくて、すぐに取りかからなかったんです。誰かに聞けばすぐにできたと思うのですが、恥をかきたくないっていうか、なんとかなると思って……。結局、先延ばしにしてしまい、なんとなくまとめたら、やはりというべきか、上司に内容の薄さを指摘されました」(20代女性)
こうした先延ばしの解決には、この女性の「恥をかきたくないっていうか」という言葉が大きなヒントになります。
私たちの脳は、相手から「能力がない」と失望されることを避けるために先延ばしをすることがあります。
こんな経験がありませんか?
セミナーに参加して、疑問点があるのに手を挙げて質問することができない。
このとき、脳内では「なんて言えばいいんだろう?」と考えていると同時に、「うまくできないかも。恥をかくのではないか」という不安を抱いています。そして質問できなかったのに、「次の場面ではかっこよく手を挙げて質問している自分」という幻想だけがつくられていく…… 脳にはそんな特徴があります。前の20代女性も、「なんとかなる自分」という幻想を抱いていました。
そこで、この幻想を思い切って手放してみましょう。
今日質問できないならば、同じ方法では明日もできない。そもそも「質問すること」が目的ではないはず。「ならば方法を変えてみよう」と考えるのです。「この方法でも自分はできるはず」と思うことが幻想であり、その幻想を手放さないと、違う方法を選択できなくなってしまいます。
A:「自分ならこのくらいできるはず」
B:「自分はこの方法ではできない」
Bの考えを選んで、「自分なりの方法を見つけよう」と考えてみましょう。
前述のセミナーの場合、手を挙げて直接聞くことができないのなら、別の方法で疑問を解消すればいいのです。
- 家族や友人に話してアウトプットしてみる
- 講師が発信しているブログやSNSを見てみる
- 同じような内容を別の人が話している動画を探す
このやり方を、「できない自分から逃げてしまった」と感じるかもしれませんね。
でも繰り返しになりますが、質問することが目的ではありません。ゴールに向かうために、速やかにルート変更をすることが大切です。
先ほどの女性のように、恥を気にして先延ばししてしまうなら、「請け負って完璧な資料を返す」という幻想を手放し、ほかの人との共同作業にしたり、少し手をつけた段階で「ここまでやってみたんですけど」と相手に見せてみたりするという別の行動を選択してみましょう。
これだけで先延ばしする傾向はかなり解消されて「仕事が速い人」になれるはずです!
やみくもな「すぐやる」はリスク大!
「すぐやらない」が正解のケースとは?
先延ばしをやめ、「すぐやる」ための脳の使い方を紹介してきました。最後に、あなたにお伝えしておきたいことがあります。
それは、「すぐやることの弊害」。
「すぐやること」を盲目的に目指してしまうと、逆に仕事が遅くなってしまうこともあるのです。
たとえば、テストのとき。要領が悪い人はすぐに最初の問題から解き始めます。
一方で、要領がいい人は全体を俯瞰して、どの順番で解くかを考えてから取りかかります。
仕事でも、ゴールを設定せずにやみくもにスタートした結果、段取りが悪くなってしまったり、「あれを忘れてた!」とやり直しになったり、後で大変な目に遭ってしまったりすることは少なくありません。
この本のためにとったアンケートでも、こんなことを書いてくれた方がいました。
ふいに企画のアイデアがおりてきて、考えれば考えるほど、成功間違いなしと思えました。一晩かけて企画書をつくり上げたのですが、翌日気づいたんです。「これ、同僚が動かしている企画と丸被りだ……」。高揚感に突き動かされて、冷静さを失っていた自分がイヤになりました。(30代男性)
このような「一晩おいて冷静になってみれば」という経験を書いてくれた人は、ほかにも何人かいました。おそらくこの男性も、「ふいにアイデアがおりてきた」結果、ドーパミンがあふれ出し、飛びついてしまったのだと考えられます。
そう、怖いのはドーパミンの作用で、やみくもに「すぐやる人」になってしまうこと。「興奮サイン」を感じ取ったら、一度落ち着いて全体を俯瞰してみましょう。ドーパミンの欲求を鎮める方法を実践してみてください。とくに、重要な結果やリスクをともなう決断は、しっかりと睡眠をとり、脳内の情報が整理された状態ですることをおすすめします。
「これはドーパミンのしわざだな」と思ったら、意識的に「すぐやらない人」になることが、あなたを「仕事が速い人」にします。
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