本記事は、菅原 洋平氏の著書『仕事が速い人があたりまえにやっていること』(アスコム)の中から一部を抜粋・編集しています。

仕事が速い人があたりまえにやっていること
(画像=Ravil_Sayfullin/stock.adobe.com)

先延ばしをなくす超簡単な方法

「先日、会議の議事録作成を頼まれました。でも、私はその会議でちゃんと話を聞いてなくて、すぐに取りかからなかったんです。誰かに聞けばすぐにできたと思うのですが、恥をかきたくないっていうか、なんとかなると思って……。結局、先延ばしにしてしまい、なんとなくまとめたら、やはりというべきか、上司に内容の薄さを指摘されました」(20代女性)

こうした先延ばしの解決には、この女性の「恥をかきたくないっていうか」という言葉が大きなヒントになります。

私たちの脳は、相手から「能力がない」と失望されることを避けるために先延ばしをすることがあります。

こんな経験がありませんか?
セミナーに参加して、疑問点があるのに手を挙げて質問することができない。
このとき、脳内では「なんて言えばいいんだろう?」と考えていると同時に、「うまくできないかも。恥をかくのではないか」という不安を抱いています。そして質問できなかったのに、「次の場面ではかっこよく手を挙げて質問している自分」という幻想だけがつくられていく…… 脳にはそんな特徴があります。前の20代女性も、「なんとかなる自分」という幻想を抱いていました。

そこで、この幻想を思い切って手放してみましょう。
今日質問できないならば、同じ方法では明日もできない。そもそも「質問すること」が目的ではないはず。「ならば方法を変えてみよう」と考えるのです。「この方法でも自分はできるはず」と思うことが幻想であり、その幻想を手放さないと、違う方法を選択できなくなってしまいます。

A:「自分ならこのくらいできるはず」
B:「自分はこの方法ではできない」


Bの考えを選んで、「自分なりの方法を見つけよう」と考えてみましょう。

前述のセミナーの場合、手を挙げて直接聞くことができないのなら、別の方法で疑問を解消すればいいのです。

  • 家族や友人に話してアウトプットしてみる
  • 講師が発信しているブログやSNSを見てみる
  • 同じような内容を別の人が話している動画を探す

このやり方を、「できない自分から逃げてしまった」と感じるかもしれませんね。
でも繰り返しになりますが、質問することが目的ではありません。ゴールに向かうために、速やかにルート変更をすることが大切です。

先ほどの女性のように、恥を気にして先延ばししてしまうなら、「請け負って完璧な資料を返す」という幻想を手放し、ほかの人との共同作業にしたり、少し手をつけた段階で「ここまでやってみたんですけど」と相手に見せてみたりするという別の行動を選択してみましょう。

これだけで先延ばしする傾向はかなり解消されて「仕事が速い人」になれるはずです!

やみくもな「すぐやる」はリスク大!
「すぐやらない」が正解のケースとは?

先延ばしをやめ、「すぐやる」ための脳の使い方を紹介してきました。最後に、あなたにお伝えしておきたいことがあります。
それは、「すぐやることの弊害」
「すぐやること」を盲目的に目指してしまうと、逆に仕事が遅くなってしまうこともあるのです。

たとえば、テストのとき。要領が悪い人はすぐに最初の問題から解き始めます。
一方で、要領がいい人は全体を俯瞰して、どの順番で解くかを考えてから取りかかります。

仕事でも、ゴールを設定せずにやみくもにスタートした結果、段取りが悪くなってしまったり、「あれを忘れてた!」とやり直しになったり、後で大変な目に遭ってしまったりすることは少なくありません。
この本のためにとったアンケートでも、こんなことを書いてくれた方がいました。

ふいに企画のアイデアがおりてきて、考えれば考えるほど、成功間違いなしと思えました。一晩かけて企画書をつくり上げたのですが、翌日気づいたんです。「これ、同僚が動かしている企画と丸被りだ……」。高揚感に突き動かされて、冷静さを失っていた自分がイヤになりました。(30代男性)

このような「一晩おいて冷静になってみれば」という経験を書いてくれた人は、ほかにも何人かいました。おそらくこの男性も、「ふいにアイデアがおりてきた」結果、ドーパミンがあふれ出し、飛びついてしまったのだと考えられます。

そう、怖いのはドーパミンの作用で、やみくもに「すぐやる人」になってしまうこと。「興奮サイン」を感じ取ったら、一度落ち着いて全体を俯瞰してみましょう。ドーパミンの欲求を鎮める方法を実践してみてください。とくに、重要な結果やリスクをともなう決断は、しっかりと睡眠をとり、脳内の情報が整理された状態ですることをおすすめします。

「これはドーパミンのしわざだな」と思ったら、意識的に「すぐやらない人」になることが、あなたを「仕事が速い人」にします。

仕事が速い人があたりまえにやっていること
菅原 洋平(すがわら・ようへい)
作業療法士。ユークロニア株式会社代表。1978年、青森県生まれ。国際医療福祉大学卒業後、国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事。2012年にユークロニア株式会社を設立。東京都千代田区のベスリクリニックで外来を担当しながら、ビジネスパーソンのメンタルケアを専門に、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。『あなたの人生を変える睡眠の法則2.0』(自由国民社)、『すぐやる!』(文響社)などベストセラー多数。テレビや雑誌など、メディア出演も多数。

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