本記事は、菅原 洋平氏の著書『仕事が速い人があたりまえにやっていること』(アスコム)の中から一部を抜粋・編集しています。
「またやっちゃった……」を防ぐ魔法の一言
同じ失敗を繰り返したとき、つい出てしまう言葉がありますよね。
それは、「またやっちゃった」。
たとえば私も先日、注意が散漫になっていて、手を滑らせて食器を割ってしまいました。そこでつい口から出た「あーあ、またやっちゃった」。「なんでこんなことに……」とがっかりしました。
でも、ここで終わりにするのではなく、もう少し掘り下げて考えてみましょう。
がっかりしたのはなぜだと思いますか?
同じミスを繰り返す自分がイヤになるから…… もちろんそうですね。
でも、実はその背景には「もう失敗を繰り返さない」という期待、「ミスをしない自分」という幻想があるのです。そして、ここにもドーパミンが関わっています。
ドーパミンは、新しい刺激に反応していくのでしたね。
「次こそ違う自分になれるはず」という思いが「新しい刺激」となり、期待を高めます。それがもろくも崩れ去ったことに、がっかりしているのです。
そこで、次のように言葉を置き換えてみましょう。
「またやっちゃった」ではなく、
「またやるな」とつぶやく。
この言葉には3つの効能があります。
① 失敗を繰り返す自分への「がっかり」を減らすこと
② 「次は失敗しない自分」という幻想をもたずにすむこと
そして
③ 脳の修正センサーが働き始めること
「これは必ずまた起こる」とつぶやいたとき、脳内では、過去に体験した類似の失敗の記憶が検索され、そのときの具体的な行動と感覚を思い出します。そして、同じ失敗を繰り返す「原因となる行動」を探り当ててくれるのです。
たとえば、参加するセミナーの会場を地図アプリで検索して車で向かったところ、途中で会場を間違えていることに気づき、結果として遅刻してしまったとします。
このとき「またやるな」とつぶやくと、過去の記憶が自動的に検索されます。
「そういえば前にも、道が渋滞していてセミナーに遅刻したことがあったな。そもそも今は通勤時間帯なんだからカーナビ任せにしないで、渋滞することを考えて早めに向かうべきだよな」
このように過去の類似体験を思い出すことができ、デバイス任せにすると当日の行動予測が甘くなるという「原因となる行動」を見つけることができます(ちなみに、ここの例は私の実体験です)。
あとは原因となる行動を、別の行動にすり替えるだけ。これで、修正力は格段に高まります。
もう1つ、こんな例を見てみましょう。
納品を終えたら請求書を出す流れになっているのに、次の注文が入ったことに注意が奪われて、請求書を出し忘れてしまった。この例では、「注文が入ったことに注意を奪われてしまった」ことが「原因となる行動」です。
この場合、注文が入ったときには、一連の作業を終えてからその内容を確認する。このように「原因となる行動」に対策行動をつなげておくのです。
最後に、この「またやるな」の効果を、もっと強く、速く実感できる方法をお伝えしましょう。
それは、「またやっちゃいそうだな」と思った瞬間につぶやくこと。
たとえば、自宅で作業中に息抜きをしたくて、動画を見始めたとき。
あなたはこれまでに、つい動画を見すぎてしまい、落ち込んだことが何度もありました。そこで、動画を見始めた瞬間から、「またやるな」と声に出し、予防線を張るのです。
その瞬間に過去の苦い記憶がよみがえり、短時間でスパッとやめることができるようになります。
一度で足りなければ、何度もつぶやいてみてください。
即効性はかなりのものです!
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