スポーツクラブ大手4社の2026年3月期決算はそろって5年連続の増収となった。本業のもうけを示す営業利益はコナミスポーツ、セントラルスポーツ、ティップネスが増益を確保。これに対し、最大手のルネサンスは営業減益となったうえ、店舗の閉鎖や減損処理に伴う特別損失の計上で3年ぶりの最終赤字に転落した。
5年連続増収も回復ピッチは鈍く
スポーツクラブ大手の売上高はコロナ禍の影響が直撃した2021年3月期を大底とし、翌22年3月期から増加に転じているが、回復ピッチは鈍いのが実情だ。
2026年3月期の売上高はルネサンス1.9%増の649億円、コナミスポーツ(コナミグループのスポーツ事業部門)1.9%増の495億円、セントラルスポーツ4.9%増の488億円、ティップネス(日本テレビホールディングス傘下)3.2%増の276億円。
4社のうち、ルネサンス、セントラルは期初予想を下回った(ティップネスは期初予想を非公表)。
売上高をコロナ禍前の2019年3月期と比べると、セントラルが9割まで戻し、コナミとティップネスは約4分の3の水準にとどまる。
ルネサンス、30億円超の特損を計上
ルネサンスは2024年3月末、首都圏と近畿圏を地盤とする準大手の東急スポーツオアシス(当時の売上高171億円)を買収(翌25年4月に吸収合併)。コナミ、セントラルを抜いて業界トップに立った。
そのルネサンスの2026年3月期は主力のスポーツクラブ事業で在籍会員数が前年比1.7%増え、価格改定で会員単価も上昇した。期中に、第2の柱と位置付ける介護リハビリ事業でデイサービス(通所介護)拠点を37運営する楓の風(横浜市)を買収したことも増収に寄与した。
一方、営業利益は従業員の給与水準の引き上げや、オアシスの合併に伴う会計処理の変更などにより19.6%の減益となった。
スポーツクラブ事業では賃料負担が大きい都心を中心とする不採算店舗の退店(6店舗)や、収益性の低下が認められた固定資産(38施設)の減損処理など、構造改革に伴う30億円超の特別損失を計上。
この結果、2023年3月期以来の最終赤字21億円となった。足元の27年3月期については5億円の最終黒字を見込む。
ルネサンスの3月末の施設数は330で、内訳はスポーツクラブ232(直営142)、介護リハビリ87(同52)、その他11(同3)。
苦戦強いられる総合型スポーツクラブ
大手各社が主戦場とするマシンジム、スタジオ、プールを備えた総合型スポーツクラブをめぐっては光熱費や人件費の上昇でコスト負担が増しているほか、賃料もかさんでいる。
また、コロナ禍後の生活様式の変化を映す形で、パーソナルジムやマシントレーニングに特化した無人(セルフ)ジムなどの小型店舗の出店が加速し、事業環境が厳しさを増している。
とくにRIZAPグループの「チョコザップ」に代表される無人ジムは24時間営業でいつでも利用できる手軽さと会費の安さが売り物で、総合型スポーツクラブから少なからず顧客を奪っているとされる。
こうした状況下、収支構造の見直しに向けての動きが活発化している。コナミスポーツはコロナ禍を受けて、賃料、水道光熱費などの固定費を抑えるため直営の縮小を進め、自治体などからの施設の受託運営に経営の軸足を移した。
実際、コナミが運営する442施設(3月末)をみると、直営216施設(うち総合型スポーツクラブは約120施設)に対し、受託が226施設と半数以上を占める。2022年からは女性専用ピラティススタジオ、パーソナルジムの展開を本格化している。
直営を縮小してきたコナミに対し、セントラルは直営体制(3月末、187施設)を維持しつつ、受託も増やしている。また近年は24時間ジムの運営も注力中だ。
ティップネスは元々、総合型スポーツクラブを基軸とするが、2014年から展開している24時間ジム「FASTGYM24」が直営142施設のうちの約6割(88施設)を占める。