トレジャー・ファクトリーはリユース業界の“成長株”として注目される存在だ。幅広いジャンルの商品を扱う総合リユースを軸に、衣料、スポーツ・アウトドア、ハイブランド品など10を超える専門業態を展開し、340近い店舗を構える。過去10年で売上高は4倍に膨らみ、500億円突破を目前とする。
3年ぶりに買収、無人ドレスレンタルに進出
トレジャー・ファクトリーは昨年11月、3年ぶりの買収を実行した。ターゲットはリユース周辺のレンタル分野。エンプティ(東京都渋谷区)が手がける無人店舗型ドレスレンタルサービス「Empty Dressy」事業を4800万円で取得した。当該事業の直近売上高は2900万円。
「Cariru」の名称で展開中のドレスレンタル事業との連携による新サービスの創出や、無人店舗ビジネスのノウハウ獲得を狙いとした。
「Empty Dressy」の店舗は渋谷駅近くにある。無人運営のため、店のスタッフや時間を気にせずに好きなだけドレスの試着ができる(来店予約必要)。これに対し、既存の「Cariru」はネット上で希望の商品を探し、レンタルを申し込む流れで、ビジネスモデルを異にする。
2010年にさかのぼるが、実はトレジャー・ファクトリーとして本格的な買収の第一弾が当時バッグのレンタルが主体だった「Cariru」事業。リユース事業と関連のある分野での新規事業を検討する中で、商材が重複するブランドバッグなどのレンタル事業に進出したのだった。
業界に新風、創業12年で株式上場
トレジャー・ファクトリーは1995年、現社長の野坂英吾氏が横浜市内で創業したことに始まる。
日々、大量に捨てられる家具や家電を見て、「使い捨てではなく、モノを再活用する社会をつくっていきたい」との思いを募らせていた野坂氏が大学卒業と同時に、会社を立ち上げ、リユース品の買取・販売に乗り出した。
POS(販売時点管理システム)による単品管理、値段の明確化、商品のクリーニングや保証など、当時の業界として先進的な取り組みをいち早く導入。これが同社躍進の原動力になり、創業12年で株式上場を果たした。
2026年2月期業績は売上高15.1%増の485億円、営業利益18.4%増の47億7700万円とそろって過去最高を記録した。売上高はコロナ禍の時期に足踏みをしたものの、直近10年で4倍に拡大(2016年2月期122億円)。営業利益率もここ数年、9%台を安定的にキープしている。
足元の2027年2月期は売上高13.1%増の549億円、営業利益11.6%増の53億3000万円を見込む。
売上高を部門別にみると、リユース事業が98%と圧倒的。レンタルや引越などの「その他」事業は2%前後にとどまる。リユース事業の販路はリアル店舗80~85%、EC(電子商取引)10~15%、オークション3~5%。