本記事は、和田 博信氏の著書『いつも機嫌のいい人が考えていること』(総合法令出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

いつも機嫌のいい人が考えていること
(画像=Mark/stock.adobe.com)

「どう伝えるか」という配慮

人間関係の問題の多くは、「なにを言ったか」よりも「どう伝えたか」で起きています。同じ内容でも、言い方が変わるだけで受けとられ方は大きく変わります。

正しいことを言っているのに、なぜか関係がぎくしゃくする。
説明しているのに、相手が納得していない。

そうした場面の多くは、伝え方に原因があります。

まず意識したいのは、「相手をベースに言葉を選ぶ」視点です。私たちは自分の頭のなかで理解している言葉を、そのまま相手も同じように理解していると勝手に解釈してしまいます。実際には、同じ言葉でも人によってとらえ方は違います。

たとえば「簡単にまとめてください」の言葉でも、人によって思い浮かべる内容は違います。ある人は「要点を三つくらいに整理して箇条書きにする」と考えるかもしれませんし、別の人は「資料を一枚にまとめる」と理解するかもしれません。

同じ言葉を使っていても、頭のなかで描いているイメージが違えば、結果として出来上がるものも変わってしまいます。ですので、伝えるときには「どの状態を指しているのか」を具体的に言葉にする必要があるのです。

こうしたズレは、どちらか一方が悪いわけではありません。ただ、言葉の定義が共有されていないだけです。そのため、抽象的な表現を減らして具体的な言葉で伝える技術が欠かせません。「ちゃんとやってください」「早めにお願いします」といった表現は、曖昧です。相手はなにを基準に行動すればいいのかわからなくなります。これを防ぐためには、「なにを」「いつまでに」「どの状態にするのか」を言葉にして伝える必要があります。

ですが、どんなに具体的に伝えても、「伝えたつもり」からは抜け出せません。
そこで必要になるのが、相手の頭のなかにあるイメージを確認する作業です。説明した内容が相手の頭のなかで、どのような形になっているのかを確かめます。

いまの説明を聞いて、どういう進め方を想像しました?

確認のひとことを入れるだけで、認識のズレを早い段階で見つけることができます。

さらに、伝え方を安定させる技術として有効なのが「要約」です。
話の途中や終わりで短く整理するだけで、相手の理解度は上がります。

簡単にいうと……/つまり……/要は……

人は会話のなかで細かな情報をとりこぼすことがありますが、要約が入ることで重要なポイントを再確認できます。

もう一つ忘れてはいけないのが、相手の立場から言葉を組み立てる視点です。自分の事情だけを中心に話すと、相手は協力する理由を見つけにくくなります。しかし、相手の状況を踏まえて言葉を選ぶと、同じ依頼でも受けとられ方が変わります。

時間が限られているので、この部分を優先して……

「なにを言ったか」では、主語が自分になります。「どう伝えたか」は、相手が主語になります。「相手がどう解釈したか」の意識だけで会話力は上がります。

言葉の選び方は、人間関係を安定させる技術です。

いつも機嫌のいい人が考えていること
和田 博信(わだ・ひろのぶ)
1977年愛知県生まれ。高知県育ち。sooupコンサルティング代表取締役。
日本サムスン、三菱UFJリサーチ&コンサルティング、EY税理士法人を経て、2006年にフルライン株式会社に参画、2016年sooupコンサルティング創業。
現在は管理部門支援を行い、東レやロイヤルホテルなどの大企業からベンチャー企業まで、累計660社以上のコンサルティングに携わる。
これまでに累計1,000億円超の収益改善を実現し、3,600件以上のクライアントの社内外で課題解決したノウハウを「落としどころの本質」として企業・団体研修も実施。
高知県をこよなく愛しており、高知県に6年連続企業版ふるさと納税を行う。
先天性心疾患を抱え、36歳ときに多臓器不全で臨死体験を味わったことをきっかけに、人生をいかに効率的に生きるかを常に考えている。
本書が初の著書。

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