「池田泉州・滋賀アライアンス」スタート

近畿エリアでは府県をまたぐ広域地銀グループが存在しない。ここで目下、再編の呼び水となるのか関心を呼んでいるのが滋賀銀行と、池田泉州銀行を傘下に置く池田泉州ホールディングス(HD)。

4月に「池田泉州・滋賀アライアンス」と銘打った資本業務提携を発表し、互いの株式を0.5~1%程度取得することになったのだ。

2017年からATM(現金自動預払機)の相互無料化などを進めていたが、資本関係の構築で連携を一層深める。総資産は滋賀銀7.6兆円、池田泉州HD6.5兆円。合計14兆円超で、京都銀行を中核とする京都フィナンシャルグループの11.8兆円を上回り、近畿エリアの地銀で最大勢力となる。

滋賀銀は滋賀県と京都府に展開し、池田泉州HDは大阪府のほか兵庫県に店舗を構え、補完関係が期待できる。今回の資本提携がさらに発展すれば、経営統合に行き着くだけに、今後の動向が注視される。

物言う株主の動向は? 駆け込み再編も

地銀再編を占ううえで、キープレーヤーと目される存在がアクティビスト(物言う株主)のありあけキャピタル(東京都中央区)だ。

地銀に特化したファンドを運営する同社の名前を一躍知らしめたのは昨年3月。19%余りを保有していた千葉興銀の株式を約237億円で千葉銀に売却したことをきっかけに、経営統合の運びとなった。

滋賀銀、池田泉州FG、百五銀、あいちFG、大垣共立銀、スルガ銀行…。現在のありあけの投資先だが、先ほど来、触れてきた顔ぶれが数多く並ぶ。

なかでも、あいちFGは10.93%、池田泉州FGは10.8%と、保有割合が2ケタを超える。その株式の出口戦略次第で再編に直結する。

昨年末には、宮崎銀行が宮崎太陽銀行株式の保有割合を9.06%に、福島県の東邦銀行が大東銀行株式の保有割合を19.51%に高め、それぞれ筆頭株主になった。いずれも同一県内の地銀同士で、「安定株主としての保有」を目的とする。

同じ県内地銀の経営統合に際し、独占禁止法の適用を除外する特例法が施行されたのは2020年。期限の2030年まで残り4年となる中、再編に向けた駆け込みが広がることも予想される。

◎地銀をめぐる主な再編の動き(2016年~)

出来事
2016 西日本シティ銀行と傘下の長崎銀行→西日本フィナンシャルHD
横浜銀行、東日本銀行が統合→コンコルディアFG(現横浜FG)
常陽銀行、足利FGが統合→めぶきFG
2018 第四銀行(新潟市)、北越銀行(長岡市)が統合→第四北越FG
三重銀行(四日市市)、第三銀行(松阪市)が統合→三十三FG
2019 りそなHD傘下の近畿大阪銀行と関西アーバン銀行が合併→関西みらい銀行
2020 地銀再編に関し、独禁法の適用外とする特例法施行
広島銀行、持ち株会社「ひろぎんFG」を単独で設立→単独設立の第一号
2022 青森銀行、みちのく銀行(青森市)が統合→プロクレアHD
愛知銀行、中京銀行が統合→あいちFG
2023 ふくおかFG、福岡中央銀行を統合→福岡、熊本、十八親和と合わせ傘下4行体制
2025 4月、第四北越FG、群馬銀行が統合(2027年4月)の合意を発表
9月、千葉銀行、千葉興業銀行が統合(2027年4月)の合意を発表
2026 1月、八十八銀行、長野銀行(2023年に子会社化)を吸収合併→八十八長野銀行
3月、しずおかFG、名古屋銀行が統合(2028年4月)を発表
5月、あいちFG、三十三FGが統合(2027年4月)を発表
〃  福井銀行、福邦銀行(福井市、2024年に子会社化)を吸収合併

文:M&A Online