3月期決算会社の株主総会が集中した6月。日経平均株価は初の7万円をつけ、月間の値上がり幅も3700円以上となった。アクティビスト(物言う株主)による株式の新規保有(5%超)や買い増しの動きはどうだったのか。

3Dインベストメント、Jフロントを大量保有

6月終盤、市場の注目を集めた銘柄の一つがJ.フロントリテイリング。百貨店「大丸」、「松坂屋」やファッションビル「パルコ」を運営する同社の株式が連日のように高値を更新した。

アクティビストとして知られるシンガポール投資ファンドの3Dインベストメント・パートナーズが5%超の株式を保有したことが判明し、これが材料視されたためだ。

3Dは6月19日、Jフロント株式を5.1%保有したとする大量保有報告書を提出した。保有目的は「純投資、および状況に応じて発行会社の中長期的な企業価値の向上のために建設的な対話や助言・提案を行うこと」としている。

その後、3Dは株式の買い増しに伴う変更報告書を2度提出。保有割合を7.55%まで高めた。Jフロントの月末(30日)株価の終値は3617円で、19日の2506円から4割以上の高値となった。

西武HDの保有割合を2ケタに高める

3Dはまた、西武鉄道などを傘下に置く西武ホールディングス(HD)の株式買い増しを繰り返し、保有割合を11.41%と2ケタに高めた。

3Dはこれまで投資先企業に対し、本業と関係が薄い不動産事業の売却などを通じた資本効率の改善や株主還元をたびたび迫ってきた。

サッポロビールは持ち株会社制廃止に伴い、7月1日付でサッポロホールディングスから社名を変更したが、背後でにらみを利かせていたのが3Dだ。

サッポロは昨年12月、複合商業施設「恵比寿ガーデンプレイス」などの不動産事業を約4770億円で売却すると発表。経営資源を酒類事業に集中し、売却で得た資金を成長投資に充てる姿勢を鮮明にした。

西武HDにおいてもしかり。同社は昨年2月、都内の複合商業施設「東京ガーデンパレス紀尾井町」を約4000億円で手放したが、大株主である3Dのプレッシャーがあったとされる。

M&A Online
(画像=西武ホールディングスの本社ビル(東京・池袋)、「M&A Online」より引用)

ストラテジックC、ニップン株に動く

6月中、アクティビストによる新規保有銘柄はJ.フロントリテイリングのほか、ダイワボウホールディングス、近畿車輛、富士急行、Aoba‐BBT、愛眼、ニップンなどがあった。

このうち、製粉大手のニップンについてはアクティビストとして活動する国内投資ファンドのストラテジックキャピタル(東京都港区)が5.09%を新規保有した。

保有目的は「株主価値向上のために建設的対話、重要提案行為を行うこと」などとした。そのうえで8月末までに資本構成の改善や有価証券・賃貸不動産の処分、増配などに関する重要提案を行う予定としている。

ニップンは2026年3月期末段階で700億円を超える政策保有株式を持つ。この保有残高を27年3月期末まで連結純資産比20%未満(25年3月期末は25.2%)に縮減する方針を掲げ、4年前からまとまった規模の株式売却を進めている。

M&A Online
(画像=ニップンの本社(東京・麹町)、「M&A Online」より引用)